落書き帳の10ページ目
◆無断転載 禁止(ご確認下さい)◆ https://xxaoixx.blog.shinobi.jp/Entry/73/
FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《新約 51》
- 2025/09/30 (Tue) |
- ゲーム語り |
- Edit |
- ▲Top
■□■□■□■□■□■□■□■□
《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【『ルシスの禁忌』とは (「救い」と「奇跡」~ガラスの首飾り)】
《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【『ルシスの禁忌』とは (「救い」と「奇跡」~ガラスの首飾り)】
■□■□■□■□■□■□■□■□
【『ルシスの禁忌』とは (「救い」と「奇跡」~ガラスの首飾り)】
アーデンとエイラ、そして「見守り役」として就けられた臣下の青年二人を加えた旅は、チョコボという優れた移動手段を得た事で、ソルハイムからこの夢島までの旅(=往路)と比べると雲泥の差・・・それこそ「とても快適な旅行」と言ってよい程の旅程となった。
そもそも往路の旅は、アーデン達の目的が「新たなソルハイム王国となり得る土地を探す」事だったので。町や村として機能している地域では無く、人の手が入っていなさそうな土地を探し歩き。
市井の人々はソルハイム王国やアーデンの素性を忘れていても、統治者一族や知識を生業とする人間達は覚えているかもしれない・・・そう言った人間との衝突を回避する為にも、意図的に町や村を避け。
それに何より、14人もの集団で「王の玉座」を担ぎ運ぶという、嫌でも目に付く一行だったので。その異様さからあらぬ疑いを掛けられ、役人に呼び止められでもしたら、面倒な事になるのは目に見えている・・・それを避ける為にも、出来るだけ人目に付かない道を選んでいた。
結果、かつて東の大陸と交流が続いていた頃に使われていた・・・今では朽ちた灯台が佇む隠れ港に船を着けた一行は、そこから北上し信仰を失った地・ラバティオ火山前を通過後、そのままグルッとカーテスの大皿の北側を迂回。本来、隠れ港から夢島の対岸までなら、真っ直ぐ東に進めば良かったところを、寄り道&回り道で随分と大回りする事になっていた。
しかも、そのような「人の手が入っていなさそうな土地」「意図的に町や村を避けていた」「出来るだけ人目に付かない道」で出会う者達は、村や町を追いやられた人々・・・その日の暮らしにも困るような人々が多かったので。アーデンはそのような救いを求める者達の声を聞き、手を差し伸べ、時間が足りなければ滞在し・・・という事を繰り返していた。思い返せば、そこに掛けた時間は、移動していた時間よりも長かったかもしれない。
つまり往路の旅は、東に真っ直ぐ行けば良い所を、カーテスの大皿北側をグルっと大回りし。
しかも人助けの為と、足を止めていた時間・・・というか期間が長かったので。
旅の目的・取り巻く状況を考慮すれば仕方が無かったとは言え。移動した距離に対し、移動時間が異常に掛かっていた・・・と言わざるを得なかった。
それに対し、今回の夢島からソルハイムまでの旅(=復路)は、見守り役に徹する臣下二人のお陰で、アーデンとエイラの二人旅・・・ごく普通の旅行者に見えたので、土地探し&人目を避ける為に辺境の地を行く必要など無く。一行は夢島からソルハイムまで、最短距離で真っ直ぐ西。この時代では北側よりも拓けていた、カーテスの大皿南側の街道に添って旅する事が出来た。
すると大陸を横断する街道と言うのは、各地方ごとに管轄は違えど管理&治安が守られており。旅行者目当ての商売人や物乞いが声を掛けて来る事はあっても、しつこく絡まれたり大人数で囲まれ身動きが取れなくなる・・・と言う事も無く。
加え、アーデン自身が従者達に対して、
「今回は普通に旅するつもりだから、
ここまでのように道なき辺境の地を行く訳でも無い。
出来れば寄り道も控えるつもりだから大丈夫だよ。」
と、約束していた事もあって。困窮者に救いを求められても、アーデン自身が過剰に干渉する・・・わざわざその者の集落まで赴き、助言や知識を与え解決まで導く事まではしなかった。
でもこれは、アーデンが「先を急ぐから」と薄情になった訳では無くて。
此処は管理が行き届いた街道で、此処を管理し治安を守る仕組みがあって、此処には組織からその役割を任された役人なり兵士なりが居る。
つまりアーデン一行が手を差し伸べなければ救えなかった辺境の人々とは違い、此処には「困っている人々を助けられる、本来共に助け合って行くべき人々が居る」と言う事で。困っている者達が居るのなら、その土地を治める領主なりが責任を持って解決するべき問題だろう。偶々通り掛かったアーデン一人に出来る事など、一時凌ぎにしかならないのだから。
今持っているパンを目の前の困窮者に与え、その者を一時的に救う事は出来ても。
持っていないパンを与える事は出来ない、彼の帰りを待つ家族や仲間までは救えない。
アーデンだって、何も無い所から何かを生み出す事なんて出来ないのだから。
持つ者が持たない者に分け与えてくれるよう説得するしかない・・・その救いは巡り巡って自分、自分の大切な人、引いては世界の為にもなるのだと。
なら、何故そんな当たり前の事が「奇跡」とされたのか?
それは彼が言葉巧みにどんな在り得ない話でも納得させ、本人の意識や行動を変える事が出来たからに過ぎない。
言葉によって、人々の意識や行動を変える・・・これが導き手であるアーデンの「救い」であり「奇跡」の正体。
■□■□■□■□■□■□■□■□
なので「先を急ぐから」という、個人的事情では無く。
根本的な解決「人々の意識や行動を変える」事こそが、彼らにとっての救いになる・・・という考えに基づき、アーデン自身は困窮者達に過剰に干渉する事は無かったので。
その結果今回の旅は、往路とは比べ物にならない程の「とても快適な旅行」となっていた。エイラにしたら、島でアーデンの身を案じる従者達が気の毒な程に。
そんなアーデンとエイラの旅だったので、傍目から見ても気持ちの面でも「とても快適な二人旅」だったけれど。ただ一つ、エイラが煩わしいと・・・いや、本当は煩わしいのではない。もっと別の理由で「その話題を振って欲しくない」と、思い悩んでいる事があった。それが、
「やぁ、そこのお二人さん!
ちょっと見て行かないかい?」
宿場町の店先や、街角の露天商、街道の路肩など・・・至る所で「そこのお二人さん」と、まるで夫婦か恋人同士を呼び止める様に声を掛けられる事。
それこそ始めの頃は、慣れない状況が新鮮でどこか嬉しくもあった・・・気がする。
ソルハイムの民にとってアーデンとエイラは「炎神イフリート(兄神)」と「氷神シヴァ(妹神)」の現人神より続く、尊い「神の兄妹」であって。実際には血の繫がりなど初代まで遡らなければ無いにも関わらず、二人は当たり前に「兄妹」として扱われた。どんなに側に居て誰よりも大切な存在であっても、それは「兄妹」だからであって・・・二人を夫婦や恋人同士と思う人間など居なかった。
でも此処では当たり前に「夫婦」「恋人同士」と勘違いされる。
尤もそれは、当然と言えば当然で・・・アーデンとエイラの外見的特徴は似ておらず。そんな年の頃、二十~三十代程の男女が二人で旅をしていたら「夫婦」「恋人同士」と、勘違いされても仕方が無いだろう。異質なのは自分達であって、彼らの勘違いを責める事など出来ない。それはエイラ自身も、重々理解している。
だからエイラの蟠りの原因、その矛先は「勘違いをする彼ら」では無い。
それはどちらかと言うと・・・アーデンの方。
「やぁ、そこのお二人さん!
ちょっと見て行かないかい?」
数度は客引きに引っ掛かり、その遣り取りの中で「そこのお二人さん」の意図を学習したアーデンは、今ではそう声を掛けられる度に困った様な笑顔でやり過ごす。
それはそうだろう・・・アーデンにとってエイラは「神の兄妹」であって、夫婦でも恋人でもない。何なら「何故、そんな風に思われるのか?」と思っている節すらあって。
例えそれが事実でも、今まで築き上げてきた関係だとしても。
そんなアーデンの態度は、エイラにすればそれ程までに「エイラは妹であって、夫婦や恋人なんて在り得ない」と、そう突き付けられている様で。
エイラだって、自身の役割「神の兄妹」を投げ出してまで、夫婦や恋人になりたいとは思っていない。正確には、なれるとは思っていない。
でも、自分達と同じような年頃の男女が仲睦まじく品物を見聞し、店の人間に「奥様にお似合いですよ」などと言われ、照れから互いに頬を赤らめる・・・そんな様子を見ていると、
やっぱり「羨ましいな・・・」と、思ってしまう。
それと同時に「自分には、望む事も許されないのだ」とも。
だからエイラは「そこのお二人さん」と、まるで夫婦か恋人同士を呼び止める様に声を掛けられるのが辛かった。
誰が悪い訳でも無い・・・そう分かっていても、どうしても。
■□■□■□■□■□■□■□■□
「おっと、そこのオニイサン。
彼女にアクセサリーのプレゼントとか、どう?」
今夜の宿をと思って立ち寄った町に入って早々、客引きの為に少し離れた通りにまで出てきていたらしい若い男に捕まってしまった。
「オレ、そこの店先借りて、
自分で作ったアクセサリー売ってんだけど・・・。」
「まぁまぁ、ちょっと見てくだけでもイイからさ。」
そんな愛想は良いが強引な男に、エイラは内心溜め息を吐きながらも同情した。どんなに頑張った所で、彼の商品が売れる事は無い・・・どうせアーデンは、そんな無駄な買い物はしないと分かっていたから。
先に男が言ったように、こういう客引きは装飾品の類が多く。男性から女性への贈り物である以上、それなりに高価な物を吹っ掛けられる事が多かった。
それに対し、アーデンは旅の路銀が「ソルハイムの民の為」の資金である以上、自分達の生活必需品や食料、宿代だって必要最小限を心掛け・・・王族とは思えぬ質素倹約、そう言った無駄な買い物はしない質だった。
加えて・・・自分はアーデンの「彼女」では無いのだから。そんな事を言っても、アーデンの心は動かない。きっと何時もと同じ、困った様な笑顔で曖昧に誤魔化してしまうだろう。
そんなアーデンの表情が簡単に想像できて・・・気が重く、足取りも重い。
が、連れて行かれたアーデンが戻って来るのを此処で待つ訳にもいかず。エイラは見守る臣下達に自分達のチョコボを預けると、早速何やら説明を聞かされているアーデンの下へと向かった。
■□■□■□■□■□■□■□■□
自称アクセサリー屋と名乗った男の商品は・・・特に品揃えが豊富という事も無ければ、珍しい石でもデザインでも無い。今までにも見た事がある「よくある露天商」と言った感じだった。
なので一体何がアーデンの気を引いたのか、最初エイラには分からなかった。
けど・・・何時もなら穏便に早々切り上げるアーデンが、並べられたアクセサリー達をジッと見下ろしており。
何やら考える素振りを暫く見せた後。一点の首飾りを差しながら、隣りに立つエイラにこう訊ねた。
「エイラ、これはどうだろうか?」と。
それに対しエイラはと言えば、
(どうだろうか・・・とは?
これを、私に・・・と言う事?)
在り得ないと思っていた状況に、何を言われたのか一瞬理解出来ず。
理解が追い付かないエイラの沈黙の意味を、これまた理解出来ないアーデンはと言えば、
「首飾りを預けて来てしまったから。
その代わりにどうかと思って。」
これはガラス製のようだから・・・勿論、水晶の首飾りの代わりにはならないけど。
え?水晶?そんなの、この辺りでは手に入らないでしょ?
それに水晶は加工が難しいから、こんな多角面カットは難しいって。ムリムリ!
職人の腕をもってしても、そんなに難しい物なのかい?
難しいも何も・・・水晶は硬いのに、脆いんだ。
あんなのを綺麗にカット加工なんて、そりゃ神様でもなきゃムリだね。
そんな二人の水晶談義は、一人頭がグルグルしているエイラにはほとんど届いていなかったけれど。大事なのは、そんな事では無くて。そんな事は、どうでもよくて。
「他の物が良ければ、それでも・・・、」
「ううん、私・・・これが良い。」
だって、貴方が私に選んでくれた物だもの・・・エイラにとってそれは、今まで見たどの宝石よりも愛おしく美しく見えた。
実際の所、アーデンがエイラの想いを・・・何故、今にも泣きだしそうなのかを理解出来ていたかは分からない。けど、エイラの意思は確認出来たので、
「では、この首飾りを貰いたいんだけど・・・、」
「はいっ、お買い上げ有難うございます!」
「自由に使えるお金が、あまり無くてね。
・・・これで、代わりにならないだろうか?」
そう言ってアーデンが差し出した銀貨は、自身の即位記念に発行された記念硬貨。尤も、それ自体はソルハイムでは広く発行された物だったので、エイラ達にとって珍しい物では無かったけれど。
「アーデン・・・それは・・・・・・、」
「これは私が、御守り代わりに持っていた物だから。
まぁ・・・私の小遣いみたいな物だろう?」
何百年も大昔なら、東の大陸でもソルハイム王国と同じ通貨が使えた。だって東の大陸もソルハイム王国の一部だったから。
しかしソルハイム本国と大陸側との関係が悪化し、大陸側が「炎神の神託」を従者の死を以て突き返した事で決別が決定的となり、加えラバティオ火山の大噴火により文明が大打撃を受け再起を図る事になった・・・そのどこかの過程で、彼らは祖国の通貨を捨て、自分達の通貨を発行し利用するようになった。それはそうだろう・・・自国の通貨発行権を、捨てた祖国に委ねておく事など出来ないのだから。
だからアーデン達は東の大陸に渡った段階で、持参していたソルハイム通貨のほとんどを、こちらの大陸の通貨に両替していた。だって、そのままでは使えないのだから仕方が無い。
そして両替したそれら大陸通貨は「ソルハイムの民の為に使う、民らから預かった資金」として、アーデンは大事に大事に使ってきた。それこそ、先にも書いたように。
そういった理由から、アーデンは預かった金銭を私的に使う事は出来ない・・・彼が自由に使える金銭は少ない。
でも「これは私が、御守り代わりに持っていた物だから」・・・この記念硬貨は自分の御守りであって、民らから預かった資金では無い。だからこそ、
「私の小遣いで買うのだから、大丈夫だよ。」
彼はそう言うのだ・・・普段は女心どころか、人の心すら全く理解出来ないクセに。
「でも・・・貴方が大事に持っていた物でしょう?」
それを、私の為に・・・手放してくれるの?手放してイイの?
「ソルハイムに戻れば、また手に入るさ。」
ズルいと思う・・・その言葉の真意が「私を気遣って」ではなかったとしても。
ただ「ソルハイムに戻れば、また手に入る」という、事実を述べているだけだとしても。
そんな風に言われたら、勘違いしてしまっても仕方が無いと・・・そう思わない?
■□■□■□■□■□■□■□■□
「いや、話の分かる青年で助かったね。」
「う~ん、そうかしら・・・?」
記念硬貨とガラスの首飾りの交換が無事成立し、安堵の笑みを浮かべるアーデンに対し。
エイラは青年とのやり取りを思い返し、複雑な思いに眉を寄せた。交換が成立したのは確かに嬉しいけど・・・彼が善人かと言うと、何とも言い難い。
アーデンは自身の記念硬貨と、ガラスの首飾りの等価交換を申し出たけれど・・・実際の所、記念硬貨と首飾りでは「等価交換」とは言えなかった。
彼の記念硬貨がソルハイムが発行した物である以上、此方の大陸では通貨として使えない。つまり記念硬貨が持つ価値は額面金額では無く、精々「銀(貴金属)」としての価値しかなく。それだって銀の含有量が高い基準にあったとしても、所詮は銀貨一枚分・・・高が知れている。
それを考慮すれば、通貨としては使えない上に、銀(貴金属)としての価値も期待できない記念硬貨と、高価格帯設定の首飾りを交換してくれ・・・というのは、エイラにすればどう考えても無理な話に思えたし。
案の定、話を持ち掛けられた青年の表情は厳しかった・・・が、
「確かにこの硬貨には通貨としての価値も、
銀としての価値も無いだろうけど。
職人たちが工夫を凝らした意匠や、
量産化にも成功した加工技術から学べる事は多いだろう。
君の細工職人としての将来の為に、どうだろうか?」
先ほど青年は「水晶を加工するなんて、神様でもなきゃムリだ」と言ったが・・・当然の事ながら、エイラの水晶の首飾りを加工したのはソルハイムの細工職人たちで。この記念硬貨を手掛けたのもソルハイムの細工職人たちだ。
勿論、三種の神器とされる水晶の首飾りと、即位記念での配布を想定(=量産化)した記念硬貨では、同じ技術レベルで作られているとは言えないけれど。それでも記念硬貨の細工技術は「神様でもなきゃムリ」な事を遣って退けた職人達から、脈々と継承されて来た知恵と技術の結晶と言えるだろう。
そこに関しては、青年も自称・アクセサリー屋。見慣れぬ銀貨の精巧さは理解出来たようで。見定める様に硬貨をしげしげ見回すと、
「まぁ・・・いいよ。
んじゃ、お互い価値ある交換って事で。」
何とアーデンは価値などほぼ無い記念硬貨で、本当に「等価交換」を成立させてしまった。
が・・・こんな「奇跡」の様な話、本当に良いのだろうか?大丈夫なのだろうか?
何せ、アーデンからの贈り物。エイラとしては勿論大歓迎ではあるけれど。
ここまで不釣り合いな取引だと、何か裏があるのではないかと心配になるし。
もしも、こちらに同情して・・・という事なら、それはそれで何だか申し訳無い。
しかしアクセサリー屋の青年は、そこまで悪人でも善人でも無かったらしい。
「でも・・・本当にイイの?
随分と高い値段の物だったけれど・・・。」
不安と申し訳無さ半々のエイラの問い掛けに、ポリポリと後頭部を掻きながら視線をさ迷わせると、
「いや~、オニイサンには見破られちゃったから白状するけど。
実はそれ、水晶としての値段設定だったんだよね。」
「・・・それってつまり。
安価なガラスの首飾りを、
水晶の首飾りとして高値で売ろうとしてた・・・って事?」
「まぁ・・・そんな感じ?」
「呆れた・・・。
騙されて言い値で買ってたら、詐欺じゃない。」
「いや・・・ガラス製だって事は最初から分かっていたし。
私もそれに気付いた上で、
記念硬貨との交換を持ち掛けたんだから。
今回は、お互い様じゃないかな。」
「そうそう、固い事言わないでさ。
さっきも言ったっしょ?
お互い価値ある交換・・・ってさ。
そこは結果オーライって事で、ヨロシク!」
白状して尚、あくまでも「お高い水晶の首飾り」という演出なのか?
それとも、彼なりの気遣いなのか?商売人としてのポリシーなのか?
青年は「安価なガラスの首飾り」とバレたそれを丁寧に贈り物用に包装すると、アーデンに手渡しヘラリと笑って、
「んじゃ・・・お二人さん、お幸せに!
有難う~、御座いました~!」
彼にとっては、何時のも決まり文句でも。
エイラにとっては初めての「お二人さん、お幸せに!」という言葉・・・嬉しかった。
【『ルシスの禁忌』とは (「救い」と「奇跡」~ガラスの首飾り)】
アーデンとエイラ、そして「見守り役」として就けられた臣下の青年二人を加えた旅は、チョコボという優れた移動手段を得た事で、ソルハイムからこの夢島までの旅(=往路)と比べると雲泥の差・・・それこそ「とても快適な旅行」と言ってよい程の旅程となった。
そもそも往路の旅は、アーデン達の目的が「新たなソルハイム王国となり得る土地を探す」事だったので。町や村として機能している地域では無く、人の手が入っていなさそうな土地を探し歩き。
市井の人々はソルハイム王国やアーデンの素性を忘れていても、統治者一族や知識を生業とする人間達は覚えているかもしれない・・・そう言った人間との衝突を回避する為にも、意図的に町や村を避け。
それに何より、14人もの集団で「王の玉座」を担ぎ運ぶという、嫌でも目に付く一行だったので。その異様さからあらぬ疑いを掛けられ、役人に呼び止められでもしたら、面倒な事になるのは目に見えている・・・それを避ける為にも、出来るだけ人目に付かない道を選んでいた。
結果、かつて東の大陸と交流が続いていた頃に使われていた・・・今では朽ちた灯台が佇む隠れ港に船を着けた一行は、そこから北上し信仰を失った地・ラバティオ火山前を通過後、そのままグルッとカーテスの大皿の北側を迂回。本来、隠れ港から夢島の対岸までなら、真っ直ぐ東に進めば良かったところを、寄り道&回り道で随分と大回りする事になっていた。
しかも、そのような「人の手が入っていなさそうな土地」「意図的に町や村を避けていた」「出来るだけ人目に付かない道」で出会う者達は、村や町を追いやられた人々・・・その日の暮らしにも困るような人々が多かったので。アーデンはそのような救いを求める者達の声を聞き、手を差し伸べ、時間が足りなければ滞在し・・・という事を繰り返していた。思い返せば、そこに掛けた時間は、移動していた時間よりも長かったかもしれない。
つまり往路の旅は、東に真っ直ぐ行けば良い所を、カーテスの大皿北側をグルっと大回りし。
しかも人助けの為と、足を止めていた時間・・・というか期間が長かったので。
旅の目的・取り巻く状況を考慮すれば仕方が無かったとは言え。移動した距離に対し、移動時間が異常に掛かっていた・・・と言わざるを得なかった。
それに対し、今回の夢島からソルハイムまでの旅(=復路)は、見守り役に徹する臣下二人のお陰で、アーデンとエイラの二人旅・・・ごく普通の旅行者に見えたので、土地探し&人目を避ける為に辺境の地を行く必要など無く。一行は夢島からソルハイムまで、最短距離で真っ直ぐ西。この時代では北側よりも拓けていた、カーテスの大皿南側の街道に添って旅する事が出来た。
すると大陸を横断する街道と言うのは、各地方ごとに管轄は違えど管理&治安が守られており。旅行者目当ての商売人や物乞いが声を掛けて来る事はあっても、しつこく絡まれたり大人数で囲まれ身動きが取れなくなる・・・と言う事も無く。
加え、アーデン自身が従者達に対して、
「今回は普通に旅するつもりだから、
ここまでのように道なき辺境の地を行く訳でも無い。
出来れば寄り道も控えるつもりだから大丈夫だよ。」
と、約束していた事もあって。困窮者に救いを求められても、アーデン自身が過剰に干渉する・・・わざわざその者の集落まで赴き、助言や知識を与え解決まで導く事まではしなかった。
でもこれは、アーデンが「先を急ぐから」と薄情になった訳では無くて。
此処は管理が行き届いた街道で、此処を管理し治安を守る仕組みがあって、此処には組織からその役割を任された役人なり兵士なりが居る。
つまりアーデン一行が手を差し伸べなければ救えなかった辺境の人々とは違い、此処には「困っている人々を助けられる、本来共に助け合って行くべき人々が居る」と言う事で。困っている者達が居るのなら、その土地を治める領主なりが責任を持って解決するべき問題だろう。偶々通り掛かったアーデン一人に出来る事など、一時凌ぎにしかならないのだから。
今持っているパンを目の前の困窮者に与え、その者を一時的に救う事は出来ても。
持っていないパンを与える事は出来ない、彼の帰りを待つ家族や仲間までは救えない。
アーデンだって、何も無い所から何かを生み出す事なんて出来ないのだから。
持つ者が持たない者に分け与えてくれるよう説得するしかない・・・その救いは巡り巡って自分、自分の大切な人、引いては世界の為にもなるのだと。
なら、何故そんな当たり前の事が「奇跡」とされたのか?
それは彼が言葉巧みにどんな在り得ない話でも納得させ、本人の意識や行動を変える事が出来たからに過ぎない。
言葉によって、人々の意識や行動を変える・・・これが導き手であるアーデンの「救い」であり「奇跡」の正体。
■□■□■□■□■□■□■□■□
なので「先を急ぐから」という、個人的事情では無く。
根本的な解決「人々の意識や行動を変える」事こそが、彼らにとっての救いになる・・・という考えに基づき、アーデン自身は困窮者達に過剰に干渉する事は無かったので。
その結果今回の旅は、往路とは比べ物にならない程の「とても快適な旅行」となっていた。エイラにしたら、島でアーデンの身を案じる従者達が気の毒な程に。
そんなアーデンとエイラの旅だったので、傍目から見ても気持ちの面でも「とても快適な二人旅」だったけれど。ただ一つ、エイラが煩わしいと・・・いや、本当は煩わしいのではない。もっと別の理由で「その話題を振って欲しくない」と、思い悩んでいる事があった。それが、
「やぁ、そこのお二人さん!
ちょっと見て行かないかい?」
宿場町の店先や、街角の露天商、街道の路肩など・・・至る所で「そこのお二人さん」と、まるで夫婦か恋人同士を呼び止める様に声を掛けられる事。
それこそ始めの頃は、慣れない状況が新鮮でどこか嬉しくもあった・・・気がする。
ソルハイムの民にとってアーデンとエイラは「炎神イフリート(兄神)」と「氷神シヴァ(妹神)」の現人神より続く、尊い「神の兄妹」であって。実際には血の繫がりなど初代まで遡らなければ無いにも関わらず、二人は当たり前に「兄妹」として扱われた。どんなに側に居て誰よりも大切な存在であっても、それは「兄妹」だからであって・・・二人を夫婦や恋人同士と思う人間など居なかった。
でも此処では当たり前に「夫婦」「恋人同士」と勘違いされる。
尤もそれは、当然と言えば当然で・・・アーデンとエイラの外見的特徴は似ておらず。そんな年の頃、二十~三十代程の男女が二人で旅をしていたら「夫婦」「恋人同士」と、勘違いされても仕方が無いだろう。異質なのは自分達であって、彼らの勘違いを責める事など出来ない。それはエイラ自身も、重々理解している。
だからエイラの蟠りの原因、その矛先は「勘違いをする彼ら」では無い。
それはどちらかと言うと・・・アーデンの方。
「やぁ、そこのお二人さん!
ちょっと見て行かないかい?」
数度は客引きに引っ掛かり、その遣り取りの中で「そこのお二人さん」の意図を学習したアーデンは、今ではそう声を掛けられる度に困った様な笑顔でやり過ごす。
それはそうだろう・・・アーデンにとってエイラは「神の兄妹」であって、夫婦でも恋人でもない。何なら「何故、そんな風に思われるのか?」と思っている節すらあって。
例えそれが事実でも、今まで築き上げてきた関係だとしても。
そんなアーデンの態度は、エイラにすればそれ程までに「エイラは妹であって、夫婦や恋人なんて在り得ない」と、そう突き付けられている様で。
エイラだって、自身の役割「神の兄妹」を投げ出してまで、夫婦や恋人になりたいとは思っていない。正確には、なれるとは思っていない。
でも、自分達と同じような年頃の男女が仲睦まじく品物を見聞し、店の人間に「奥様にお似合いですよ」などと言われ、照れから互いに頬を赤らめる・・・そんな様子を見ていると、
やっぱり「羨ましいな・・・」と、思ってしまう。
それと同時に「自分には、望む事も許されないのだ」とも。
だからエイラは「そこのお二人さん」と、まるで夫婦か恋人同士を呼び止める様に声を掛けられるのが辛かった。
誰が悪い訳でも無い・・・そう分かっていても、どうしても。
■□■□■□■□■□■□■□■□
「おっと、そこのオニイサン。
彼女にアクセサリーのプレゼントとか、どう?」
今夜の宿をと思って立ち寄った町に入って早々、客引きの為に少し離れた通りにまで出てきていたらしい若い男に捕まってしまった。
「オレ、そこの店先借りて、
自分で作ったアクセサリー売ってんだけど・・・。」
「まぁまぁ、ちょっと見てくだけでもイイからさ。」
そんな愛想は良いが強引な男に、エイラは内心溜め息を吐きながらも同情した。どんなに頑張った所で、彼の商品が売れる事は無い・・・どうせアーデンは、そんな無駄な買い物はしないと分かっていたから。
先に男が言ったように、こういう客引きは装飾品の類が多く。男性から女性への贈り物である以上、それなりに高価な物を吹っ掛けられる事が多かった。
それに対し、アーデンは旅の路銀が「ソルハイムの民の為」の資金である以上、自分達の生活必需品や食料、宿代だって必要最小限を心掛け・・・王族とは思えぬ質素倹約、そう言った無駄な買い物はしない質だった。
加えて・・・自分はアーデンの「彼女」では無いのだから。そんな事を言っても、アーデンの心は動かない。きっと何時もと同じ、困った様な笑顔で曖昧に誤魔化してしまうだろう。
そんなアーデンの表情が簡単に想像できて・・・気が重く、足取りも重い。
が、連れて行かれたアーデンが戻って来るのを此処で待つ訳にもいかず。エイラは見守る臣下達に自分達のチョコボを預けると、早速何やら説明を聞かされているアーデンの下へと向かった。
■□■□■□■□■□■□■□■□
自称アクセサリー屋と名乗った男の商品は・・・特に品揃えが豊富という事も無ければ、珍しい石でもデザインでも無い。今までにも見た事がある「よくある露天商」と言った感じだった。
なので一体何がアーデンの気を引いたのか、最初エイラには分からなかった。
けど・・・何時もなら穏便に早々切り上げるアーデンが、並べられたアクセサリー達をジッと見下ろしており。
何やら考える素振りを暫く見せた後。一点の首飾りを差しながら、隣りに立つエイラにこう訊ねた。
「エイラ、これはどうだろうか?」と。
それに対しエイラはと言えば、
(どうだろうか・・・とは?
これを、私に・・・と言う事?)
在り得ないと思っていた状況に、何を言われたのか一瞬理解出来ず。
理解が追い付かないエイラの沈黙の意味を、これまた理解出来ないアーデンはと言えば、
「首飾りを預けて来てしまったから。
その代わりにどうかと思って。」
これはガラス製のようだから・・・勿論、水晶の首飾りの代わりにはならないけど。
え?水晶?そんなの、この辺りでは手に入らないでしょ?
それに水晶は加工が難しいから、こんな多角面カットは難しいって。ムリムリ!
職人の腕をもってしても、そんなに難しい物なのかい?
難しいも何も・・・水晶は硬いのに、脆いんだ。
あんなのを綺麗にカット加工なんて、そりゃ神様でもなきゃムリだね。
そんな二人の水晶談義は、一人頭がグルグルしているエイラにはほとんど届いていなかったけれど。大事なのは、そんな事では無くて。そんな事は、どうでもよくて。
「他の物が良ければ、それでも・・・、」
「ううん、私・・・これが良い。」
だって、貴方が私に選んでくれた物だもの・・・エイラにとってそれは、今まで見たどの宝石よりも愛おしく美しく見えた。
実際の所、アーデンがエイラの想いを・・・何故、今にも泣きだしそうなのかを理解出来ていたかは分からない。けど、エイラの意思は確認出来たので、
「では、この首飾りを貰いたいんだけど・・・、」
「はいっ、お買い上げ有難うございます!」
「自由に使えるお金が、あまり無くてね。
・・・これで、代わりにならないだろうか?」
そう言ってアーデンが差し出した銀貨は、自身の即位記念に発行された記念硬貨。尤も、それ自体はソルハイムでは広く発行された物だったので、エイラ達にとって珍しい物では無かったけれど。
「アーデン・・・それは・・・・・・、」
「これは私が、御守り代わりに持っていた物だから。
まぁ・・・私の小遣いみたいな物だろう?」
何百年も大昔なら、東の大陸でもソルハイム王国と同じ通貨が使えた。だって東の大陸もソルハイム王国の一部だったから。
しかしソルハイム本国と大陸側との関係が悪化し、大陸側が「炎神の神託」を従者の死を以て突き返した事で決別が決定的となり、加えラバティオ火山の大噴火により文明が大打撃を受け再起を図る事になった・・・そのどこかの過程で、彼らは祖国の通貨を捨て、自分達の通貨を発行し利用するようになった。それはそうだろう・・・自国の通貨発行権を、捨てた祖国に委ねておく事など出来ないのだから。
だからアーデン達は東の大陸に渡った段階で、持参していたソルハイム通貨のほとんどを、こちらの大陸の通貨に両替していた。だって、そのままでは使えないのだから仕方が無い。
そして両替したそれら大陸通貨は「ソルハイムの民の為に使う、民らから預かった資金」として、アーデンは大事に大事に使ってきた。それこそ、先にも書いたように。
そういった理由から、アーデンは預かった金銭を私的に使う事は出来ない・・・彼が自由に使える金銭は少ない。
でも「これは私が、御守り代わりに持っていた物だから」・・・この記念硬貨は自分の御守りであって、民らから預かった資金では無い。だからこそ、
「私の小遣いで買うのだから、大丈夫だよ。」
彼はそう言うのだ・・・普段は女心どころか、人の心すら全く理解出来ないクセに。
「でも・・・貴方が大事に持っていた物でしょう?」
それを、私の為に・・・手放してくれるの?手放してイイの?
「ソルハイムに戻れば、また手に入るさ。」
ズルいと思う・・・その言葉の真意が「私を気遣って」ではなかったとしても。
ただ「ソルハイムに戻れば、また手に入る」という、事実を述べているだけだとしても。
そんな風に言われたら、勘違いしてしまっても仕方が無いと・・・そう思わない?
■□■□■□■□■□■□■□■□
「いや、話の分かる青年で助かったね。」
「う~ん、そうかしら・・・?」
記念硬貨とガラスの首飾りの交換が無事成立し、安堵の笑みを浮かべるアーデンに対し。
エイラは青年とのやり取りを思い返し、複雑な思いに眉を寄せた。交換が成立したのは確かに嬉しいけど・・・彼が善人かと言うと、何とも言い難い。
アーデンは自身の記念硬貨と、ガラスの首飾りの等価交換を申し出たけれど・・・実際の所、記念硬貨と首飾りでは「等価交換」とは言えなかった。
彼の記念硬貨がソルハイムが発行した物である以上、此方の大陸では通貨として使えない。つまり記念硬貨が持つ価値は額面金額では無く、精々「銀(貴金属)」としての価値しかなく。それだって銀の含有量が高い基準にあったとしても、所詮は銀貨一枚分・・・高が知れている。
それを考慮すれば、通貨としては使えない上に、銀(貴金属)としての価値も期待できない記念硬貨と、高価格帯設定の首飾りを交換してくれ・・・というのは、エイラにすればどう考えても無理な話に思えたし。
案の定、話を持ち掛けられた青年の表情は厳しかった・・・が、
「確かにこの硬貨には通貨としての価値も、
銀としての価値も無いだろうけど。
職人たちが工夫を凝らした意匠や、
量産化にも成功した加工技術から学べる事は多いだろう。
君の細工職人としての将来の為に、どうだろうか?」
先ほど青年は「水晶を加工するなんて、神様でもなきゃムリだ」と言ったが・・・当然の事ながら、エイラの水晶の首飾りを加工したのはソルハイムの細工職人たちで。この記念硬貨を手掛けたのもソルハイムの細工職人たちだ。
勿論、三種の神器とされる水晶の首飾りと、即位記念での配布を想定(=量産化)した記念硬貨では、同じ技術レベルで作られているとは言えないけれど。それでも記念硬貨の細工技術は「神様でもなきゃムリ」な事を遣って退けた職人達から、脈々と継承されて来た知恵と技術の結晶と言えるだろう。
そこに関しては、青年も自称・アクセサリー屋。見慣れぬ銀貨の精巧さは理解出来たようで。見定める様に硬貨をしげしげ見回すと、
「まぁ・・・いいよ。
んじゃ、お互い価値ある交換って事で。」
何とアーデンは価値などほぼ無い記念硬貨で、本当に「等価交換」を成立させてしまった。
が・・・こんな「奇跡」の様な話、本当に良いのだろうか?大丈夫なのだろうか?
何せ、アーデンからの贈り物。エイラとしては勿論大歓迎ではあるけれど。
ここまで不釣り合いな取引だと、何か裏があるのではないかと心配になるし。
もしも、こちらに同情して・・・という事なら、それはそれで何だか申し訳無い。
しかしアクセサリー屋の青年は、そこまで悪人でも善人でも無かったらしい。
「でも・・・本当にイイの?
随分と高い値段の物だったけれど・・・。」
不安と申し訳無さ半々のエイラの問い掛けに、ポリポリと後頭部を掻きながら視線をさ迷わせると、
「いや~、オニイサンには見破られちゃったから白状するけど。
実はそれ、水晶としての値段設定だったんだよね。」
「・・・それってつまり。
安価なガラスの首飾りを、
水晶の首飾りとして高値で売ろうとしてた・・・って事?」
「まぁ・・・そんな感じ?」
「呆れた・・・。
騙されて言い値で買ってたら、詐欺じゃない。」
「いや・・・ガラス製だって事は最初から分かっていたし。
私もそれに気付いた上で、
記念硬貨との交換を持ち掛けたんだから。
今回は、お互い様じゃないかな。」
「そうそう、固い事言わないでさ。
さっきも言ったっしょ?
お互い価値ある交換・・・ってさ。
そこは結果オーライって事で、ヨロシク!」
白状して尚、あくまでも「お高い水晶の首飾り」という演出なのか?
それとも、彼なりの気遣いなのか?商売人としてのポリシーなのか?
青年は「安価なガラスの首飾り」とバレたそれを丁寧に贈り物用に包装すると、アーデンに手渡しヘラリと笑って、
「んじゃ・・・お二人さん、お幸せに!
有難う~、御座いました~!」
彼にとっては、何時のも決まり文句でも。
エイラにとっては初めての「お二人さん、お幸せに!」という言葉・・・嬉しかった。
PR
