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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《新約 43》

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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
 【『ルシスの禁忌』とは (神が眠る地~神の御子)】

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【『ルシスの禁忌』とは (神が眠る地~神の御子)】
 こうして旅立ったアーデン達の旅は、決して楽なものではなかったけれど。
 旅立つ以前より「国や王の為になれば」と、偵察に向かっていた者達の情報や。旅立つにあたって「王の旅の手助けに」と、先触れとして先行していた者達の助けもあって。
 ウェルエタム地方のソルハイム王国を出発した一行は大陸を横断し、嘗ての故郷・スカープ地方に無事到着。
 火山の噴火で引き起された自然災害により、すっかり荒れ果ててしまっていた嘗ての故郷で航海の準備を整えると、一番の難所でもあった海をも渡り切り。
 対岸のクレイン地方に上陸後は、新たなソルハイム王国となりうる土地を求め。
 それと同時に、嘗ての同胞達の無事と安全と平穏を祈りながら。
 スカープ地方以上の被害に疲弊した大陸の、道とも言えぬような道を歩み続けた。

 そして今、目の前に聳えるのはラバティオ火山。
 この自然災害の元凶・・・となってしまったその山の麓で、一行の足は自然と止まった。

 ソルハイムの主神である【炎神イフリート】が眠る地・ラバティオ火山。
「まさか、このような形で、
 この場に訪れる事になるとは・・・。」
 その山を見上げ、感慨深げに・・・どこか寂し気に聞こえる王の言葉に、その場に居た同行者達は掛ける言葉も無く目を伏せた。
 ラバティオ火山から齎された「原初の火」より文明が起こり。
 それを与えた【炎神イフリート】の現人神「王・アーデン」という存在が生まれ。
 神であり人でもある特別な存在「王・アーデン」を頂点として、ソルハイム王国の歴史は始まった。
 つまりラバティオ火山は、ソルハイム王国にとって神聖な「始まりの地」ではあったけれど、建国時より「ソルハイムの王は、常に国に有るべき」とされていたので。
 クレイン地方に根付いた同胞らと「炎神の神託」を巡って敵対する事になってしまってからは勿論。
 ソルハイム王国・本国と、その対岸・クレイン地方に移住していった同胞らとの関係が良好であった頃でさえ、ソルハイムの王がこの地を訪れた事は一度として無かった。
 それがまさかこのような形で、ソルハイムの王がラバティオ火山を訪れる事になるとは・・・千年以上続くソルハイムの歴史を共にしてきた一族の末裔達にとってそれは、
「もっと平和な時だったら、
 炎神イフリートに、ご挨拶出来たのだけど・・・。」
 自分なら「剣神の一族」の巫として、心を通わせる事が出来たかもしれない・・・千年以上の歴史を経て、王と神を引き合わせる事が出来たかもしれないと思うと、ソムヌスは遣り切れない気持ちでいっぱいだった。

 そして遣り切れない事と言えば、もう一つ。
 それが「ソルハイムの紋章を携えたアーデン一行を見ても、この地に根付いたソルハイムの同胞達は特段反応を示さなかった」という事。
 勿論、今更「ソルハイムの王」として崇めて欲しかった訳では無い。
 寧ろ、彼らの先祖が「炎神の神託」を蔑ろにしたからこそ、炎神の逆鱗に触れたのだ・・・と考える忠臣「剣神の一族」の者にすれば、今更都合良く「ソルハイムの王」と泣きつかれた所で、その言葉を素直に受け入れる事は出来なかっただろう。

 だろうけど・・・まさか「王を王とも思えない」とは思わなかった。
 このような者たちの為に王は「住む土地は違えど、同じソルハイムの同胞なのだから」と、危険を顧みず自ら旅立ったのかと思うと、遣り切れないどころか腹立たしい。

 が・・・思い返せば、ラバティオ火山の噴火は、ソルハイムの民らがスカープ地方を離れてから数百年後の出来事に当たるので。
 彼らにすれば「こちらが本国なのだから」と口煩く言ってくる対岸の「自称・同じソルハイムの同胞」が、姿を消してから数百年が経っている・・・という事。
 なので恐らくその数百年の間で「自分たちのルーツが対岸のソルハイム王国にあった事」どころか「ソルハイムという国があった事」すら忘れられてしまったのだろう。
 もしかしたら・・・最終的なソルハイムと彼らの関係性を考えれば、統治者達が意図的に「ソルハイム王国」に関する史実を伝承しなかった。その結果、市井の人々の「想い出・記憶」から「ソルハイム王国」という存在が失われてしまったのかもしれない。
 尤も・・・常に王国と共に有った忠臣達にすれば、そんな身勝手、想像するのも難しい事だけれど。

 しかし・・・そう腹に据えかねているのは一部の熱心な忠臣達であって、全員が全員という訳では無く。一行の中でも「考えようによっては、良かったのかもしれない」と、思う者達が居たのも事実だった。
 何故なら、世界がこの様な事になった経緯を前提に考えれば。彼らが炎神イフリートやソルハイム王国の事を覚えていた場合、彼らにとってのアーデンは自分たちの土地や生活を台無しにした元凶そのものと見做され・・・アーデン一行の旅はより困難なモノとなっていただろうから。
 だから、そう考えれば。
 確かに感情的には許しがたい事だったけれど、彼らが炎神イフリートやソルハイム王国と、アーデン一行を関連付ける事が出来なかったのは、旅をする上では幸いな事と言えた。

 国からの使者を刺し殺して、その剣を突き返してくる位だから・・・何時からか、その土地の統治者にしたら、対岸のソルハイム王国は邪魔な存在になってたんだろうね。
 だから彼らがスカープ地方から姿を消し、自分達に干渉しなくなったのを機に、ソルハイム王国という存在そのものを「想い出・記憶」から消し去った。
 彼らの祖先は、対岸のソルハイム王国から、この土地に移って来た。
 だから彼らには、ソルハイムの血が流れていて。
 新たな文明が起こったトコで、ここはソルハイム王国って思ってたんだけど。
 残念ながら、コッチの人達はそうは思ってなかった・・・って訳。
 だから俺、新しいソルハイム文明が栄えたこの地が、何て名を掲げていたかは知らないんだ。

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 西の大陸・スカープ地方から海を渡り、東の大陸・クレイン地方に上陸した一行は、道行くままにラバティオ火山麓に辿り着くも、
「もっと平和な時だったら、
 炎神イフリートに、ご挨拶出来たのだけど・・・。」
 今はその時では無いから、と・・・皆、炎神イフリートに思いを馳せながらも、自分たちの旅の目的を果す為、目的地も分からぬ旅を急いだ。

 筈だったのだけれど・・・一行の旅は、決してスムーズにとは行かなかった。
 勿論、このようなご時世、しかも石の玉座を担いでの旅なので、スムーズに行かなくて当たり前なのだけど・・・それを考慮しても、時間が掛かり過ぎていた。

 と言うのも、アーデン達の目的が「新たなソルハイム王国となり得る土地を探す」事である以上、町や村として機能している地域では無く、人の手が入っていなさそうな土地を探し歩く事になり。
 また、市井の人々はソルハイム王国やアーデンの素性を忘れていても、統治者一族や知識を生業とする人間達は覚えているかもしれない・・・そう言った人間との衝突を回避する為にも、意図的に町や村を避けていた。
 確かに、ソルハイムの同胞達の様子は気になるけど・・・それこそ町や村なら統治者が居る筈なので、下手に口を出すより彼らに任せておけばよいだろう。町や村に対しては、そういう思いもあった。

 でも「人の手が入っていなさそうな土地を探し歩く」アーデン達が出会う「町や村から離れた所に住む人々」と言うのは、大きな集団の庇護が得られない・・・生活に困窮している人々がほとんどで。
 毎日の生活で精一杯で、自分たちの歴史を学ぶ機会どころか文字も読めない。
 そんな彼らの・・・目の前の男の正体も分からず「救い」を求める民らの声を、アーデンが見捨てる訳も無く。
 なまじ彼の同行者達が、それぞれの専門職に秀でた者達で、
「このような場合、どうすれば良いのでしょうか?」
「どうか、お知恵をお貸しください。」
「お陰様で、傷も良くなりました。
 本当に、有難うございます。」
 大抵の事には対処出来てしまったので、何だかんだで世話をする事になり。
 その結果。急がねばならない旅なのに、長期間足止めを食らう事も少なくなかった。
 尤も、そういう場合は、その集落を拠点に周辺を偵察したりしていたので、全くの無駄な時間という訳では無かったのだけれど・・・それにしたって同行者達にすれば「アーデンを王とも思えぬ同胞達」への思いは複雑なものだった。

 ソルハイム王国の事、忘れられてたのは残念だったけど。
 毎日の生活の面倒も見てもらえない、碌に教養も与えられない人達を責めても仕方が無い・・・だって彼らのせいじゃないんだから。
 誰かが悪いとすれば、自分達に都合が悪いからって「ソルハイム王国」を歴史から消し去った・・・それを是しと決断した、時の統治者達なんだろうけど。
 その時の統治者が、どんな罰をも受ける覚悟で「そうする事が国の為、民の為だから」と、そうする事を選んだなら。
 それを「悪」と言って良いかは・・・今の俺には分からない。

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 そんな旅を続けていたものだから。
 ソルハイム王国を出発以降、東の大陸の半分を過ぎた辺りで、アーデン一行の旅は既に年単位の月日が経ってしまっていた。
 でもこれに関しては「新たなソルハイム王国となり得る土地を探す」という、本当にあるかどうかも分からない土地を探しての旅だったので、ある程度の覚悟はしていた。
 アーデンが救いを求める人々を蔑ろに出来ず、再々足止めを食らってしまう事も・・・王が「住む土地は違えど、同じソルハイムの同胞なのだから」と、彼らの救済を望んでの事なので仕方が無い。
 つまり残してきたソルハイムの民らを思えば、急がなければならない旅だったけど。
 旅の目的を考えれば、どうしても時間が掛かってしまうだろう・・・と、分かり切っていた。だからそれは想定内の事だった。

 けれど今、彼らは別の理由が原因で、想定外の状況に置かれていた。
 アーデン一行は、旅の目的の一つ「新たなソルハイム王国となり得る土地を探す」為、人の手が入っていなさそうな、辺境の地と見做されるような、そういった本来の旅なら避ける地域を渡り歩いていた。
 が、だからと言って誰にも遭遇しないという事は無く、どこにでも「そこでしか生きていけない人達」というのは存在して。そのような地域で出会う者達だから・・・当然、毎日の生活にすら困っていて。
 救いを求める彼らの声に、ソルハイムの王・アーデンは出来得る限りの助力を施した。このような旅の道中だったので、彼らに出来る事も少なかったけど。それでも一行は「王と王とも思えぬ同胞達」への協力を惜しまなかった。

 すると、彼らが旅立つ時には一人二人・・・と。アーデン一行の後を付いてくる者達が現れた。
 一行は「自分達が暮らせる土地を探している」という旅の目的や、この先も困難な旅が続く事が分かっている以上、彼らを思い留まらせる為に「付いて来られても、貴方達の面倒を見る余裕は無い」と、説明・忠告していた。
 だから彼らは「アーデン一行の後」を付いて来た。
「皆様に迷惑は掛けません。
 ですからどうか、後を付いて行く事をお許しください。」と。
 しかし迷惑は掛けないとは言われても、後に付いてくる者達を無視する事など出来ない。結局は、面倒を見る事になる。生れながらに「王剣の一族」として育てられ、民の上に立つ者として尽力してきた彼らだからこそ、それは分かり切っていたけれど。
 そう言われてしまうと・・・それが彼らが選んだ「道」ならば。先導者という性質を持つ「導き手・アーデン」は、それを拒否する発想を持たない。
「付いて来るだけなら、それは彼らの自由だろう。
 私は、彼らの歩みを止める権利など持たないよ。」
 付いてくるだけで済む筈が無い、余りに人が良過ぎる・・・その場に居た同行者達の大部分が、内心そう溜息を吐いたけれど。長年、王家に仕えて来た彼らは、王の意思に逆らう事など出来ない。
 それにアーデンの性格を「そうであるからこそ、我らが王」と思うのも、彼ら「王剣の一族」に共通する認識だったので。
 表向き「後を付いてくるだけなら構わない」という約束を取り付けた上で。一行は自分達と少し距離を開けて付いてくる者達を容認する事とした。

 彼らだって、その土地で暮らしていけるなら、わざわざアーデン達に付いて行こうとは思わなかっただろう。
 でも天変地異に襲われ荒廃した土地では暮らしていけない、そこに縋り付いても希望が無い。
 結論から言えば、アーデン一行に付いて来たのは「そこに縋り付いても希望が無い」と思える「守るべき家族が居ない」「困難だと言われても耐えられる」「自分の事は自分で責任を持てる」人間・・・多くが「そこに縋り着くよりも、一行に付いて行った方が希望がある」と思える独り身の成人男性だったので。
 アーデン達に恩がある事も手伝って、彼らは「アーデン一行の後」を付いて行くと言う約束を頑なに守り。怪我や病気と言った緊急時は仕方が無いとしても、基本彼らが一行の足手まといになるような事は無かった。
 寧ろ、石の玉座を担ぎ、女性であるエイラが同行している一行よりも、彼らの方が道中余裕があるようで。この土地に関して詳しい彼らは「そこの川で採れた魚だ」「美味い木の実が成っていた」「捌けば良い肉が採れるんだ」と、様々な土地の恵みを一行に差し入れてくれた。
「これでは、面倒を見てもらっているのは私達の方だね。」
 きっと他意は無いのだろうけど・・・邪気の無い王の言葉に「付いて来られても、面倒見れない」などと思っていた事を恥じる。同行者達にとって彼らはそれ程に頼もしく、共に居てくれて良かったと思える存在となっていた。

 助けを求められ、集落に留まり、一段落したら旅立つ・・・長い旅の道中、その様な事を続けていれば「自分も・・・」と、付いてくる者が増えるのは仕方がない事で。
 しかも付いて来ている人数が増えれば増える程、それを見て「自分達も・・・」と付いてくる者達の規模は大きくなり。
 集団心理から「それだけ沢山の人が居るのなら、大丈夫だろう」と、家族まとめて付いて来る者達が増えた結果。彼らの中でも老若男女、付いてくる以上それぞれが熟せる役割・仕事が与えられ。
 更には彼らの間で、それを取り纏める者、指示に従う者、調整に入る者など・・・効率的且つ円滑な集団生活を維持する為の役割も自然発生し。
 この頃には「アーデン一行の後」を付いて来ていただけの集団は、数十人単位のちょっとしたコミュニティーとなっていた。

 が・・・問題はその後だった。
 それだけの人間が付いてくる事になったのは、想定外の出来事だったけれど。
 この時点での彼らは「アーデン一行」に恩義を感じ、彼の行く末に希望を見出して付いて来ていた者達で。
 自分たちの事は自分達で熟し、自分達のリーダーの指示のもと「目的や意味」を理解し、一定の統率力を持って、一行に付いて来ていた。
 けれど数十人単位の集団となった今、それを見た生活に困る人々が「よく分からないけど、付いて行けば良い事があるのか?」「自分も養ってもらえるかもしれない」と・・・旅の意味も分からずに付いてくるようになってしまった。
 そうなってくると「これは何の集まりですか?」と聞いたトコで「よく分からないけど、面倒見てもらっている」などとしか返せない人間が増え。
 それを聞いて安易に「それなら自分も付いて行こう」と・・・雪だるま式に増え続けた結果、成り行きのリーダー達では情報統制が取れなくなってしまい。
 旅の終わり間近ともなれば、一行に付いてくる者達は百人単位の大所帯となっていて。
 いつから付いて来て居るのか分からないような集団の末端程、この一団の先頭に立つのは誰なのかも分からない・・・自分たちのリーダーが誰なのかも分からずに付いて来ているような有様となっていた。
 
 それでも、彼らは一行に希望を見出した。
 これだけの人が付いて行っているのだから、きっと凄いお人なのだと。
 だって神輿に座する御子の、何と麗しく尊い事か・・・と。

 アレと同じかなぁ・・・ほら、何でか飲食店の行列並んじゃうの。
 いっぱい並んでると「みんな選んでるから」って、安心感があるって言うか?火山噴火の影響で、不安な毎日を送ってたら・・・そりゃ「みんなと一緒」を選ぶんじゃない?
 要するに「大勢の人間」にとっては、大勢で居る事が大事で。
 誰が何の為に何をしているのかなんて、そんな事は二の次だったのかもね。

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