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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《新約 38》

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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
 【唐突に大昔(1年前)の、記事を一部訂正します】
 【『ルシスの禁忌』とは (六神神話~版図拡大)】

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【『ルシスの禁忌』とは (六神神話~版図拡大)】
 古代ソルハイム王国の主神『炎神イフリート』を中心とした神々の物語「六神神話」は、先祖から伝わる逸話を基に纏められた物だったので、古代ソルハイム王国建国から現在に至るまでの歴史を記した物とも言え。その編纂には古来より『炎神イフリート』に近い位置にあった一族の人間達が携わっていた。
 と言うと、一部の人間による特権の様で、民から不平不満が出そうなものだけど。
 「六神神話」が歴史書の一面を持つ以上、歴史を知っているという意味でも、責任を伴って流布出来るという意味でも、理に適っている事と理解され。一部の上流階級層により纏められた物語である事自体には、民から不平不満が起こる事は無かった。

 そう・・・民からの不平不満は、別の部分にあった。
 それは「膨大な内容量となった六神神話は、市井の人々には理解が難しかった」と言う事。

 古代ソルハイム王国建国から月日が経ち、人間達は自ら思考し想像し創造出来るまでになった。自分達が創造した「両刃の剣」から『剣神バハムート』という神様を生み出し、一連の神様の物語を「六神神話」という神話に昇華出来る程に。
 しかしそれらは未だ指導者あっての社会構造であって、全ての民がその水準にあった訳では無い。
 つまり「六神神話」を編纂する立場にある一族・・・から連なる上流階級層の人間達は文字の読み書きが出来たとしても、民の多くは未だ書物に触れる機会が少なく。社会全体で見れば識字率は充分な水準とは言えなかったので。
 彼らが「六神神話」という書物に取り纏めた所で、多くの民は何が書いてあるのか内容を理解する所か、そもそも何て書いてあるのか分からなかったし。
 後世、民らの識字率が上がり。それに伴う民らの希望で「六神神話」をバイブルのように広く配布しようにも。膨大な量となった六神神話を書物化するのは、未だ活版印刷まで至らない製本技術では無理があった。それだけの大量の紙を用意し、全ての内容を手書きで書き写さなければならない・・・という事だから。

 識字率の問題、製本技術の未熟さから「六神神話」を書物で広めるには、ずっとずっと時代が進み、その基盤が整う必要が有った。
 なので当時の臣下は、当時のソルハイムの王にこう進言した。
「王自らが、神の代演をなされてはいかがでしょうか?」
 書物での布教が困難で、話聞かせる事だけの布教では民の希望に応えられない今。
 『炎神イフリート』の現人神の子孫である、古代ソルハイム王国国王・アーデンを『炎神イフリート』とし。
 「王」が「神」として存在し振る舞う事で、「六神神話」やその中に描かれる神々を、自分達「人間」に近い位置・・・常に身近に感じられる存在に据えようと考えた。

 誤解が無いよう言っておくと。「演じる」とは言っても、彼らにとっては「今更確認するまでもない位に、当たり前の事」であって、民を騙そうなんて気持ちは無いんだよ。
 古代ソルハイムの王は『炎神イフリート』の現人神の子孫とされていて。
 だからこそ歴代王は『炎神イフリート』を継承してるって、古より王家に近い人間達程そう信じていた。
 当たり前にそう信じていたからこそ彼らは「民らにも分かり易く、それを広めてあげれば良いのでは?」って思えたんだ。
「王は『炎神イフリート』の現人神なのだから。
 王は「人間の王」にして『炎神イフリート』なのです。」
 確かに読めない書物や、長い話を聞かされるより、神サマの存在を感じやすいかもね・・・だってエライ人が「目の前に存在する」って言うんだから。

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 そうして「王」が「神」を演じる事となり。
 神話を再現する為に、他の「神」が選ばれる事となった。

 彼らの主神『炎神イフリート』の対の双子神には、『氷神シヴァ』の現人神の子孫である、古来より対の存在として国王を支えて来た一族の娘が選ばれた。
 時代を遡る事、古代ソルハイム王国建国以降の数百年。
 始まりの王・アーデンと、その双子の妹として生を受けた娘の血筋は、以降一度も交わる事なく。生まれた一族からも独立し「炎神の一族」「氷神の一族」として、それぞれの血統を保っていた。近親婚による遺伝性疾患のリスクなど、分かりようも無い時代だったけど。彼らは彼らなりの理由で、この二人の血が子々孫々交わる事を良しとしなかったから。
 最初の二人が「互いに補い合う、対の存在」として生命を受けた事。
 単純に「火の神様と、氷の神様の力が混じり合う事は良くない」と考えた事により。
 この二つの家系の男女は「互いに補い合う、対の存在」・・・常に寄り添い支え合う強固な絆を求められながらも、反面その血が交わる事は絶対に許されなかった。

 この様に、実際に『氷神シヴァ』の現人神の子孫である事。その血統を守り、仕来りが現在でも継承されている事から、神の代演『氷神シヴァ』はその一族の娘から選ばれる事となった。
 ここに関しては『炎神イフリート』をアーデンが演じるのと同程度に「他の人間など、有り得ない」と言える配役で。誰もが当たり前にそれを受け入れ、その時の娘もそれを受け入れた。

 血の濃さで言えば、数百年も経ってたら近いも遠いも無いんだろうけど。
 神様の魂の器って考えたら、その血統にある事が何より重要視されたんだろうね。
 ん?「王と神凪みたいだ」って?
 だったら「そんな仕来りに縛られて可哀想だ」って、君は思うのかな?

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 其れとは対照的に、すんなりと決まらなかったのが『剣神バハムート』の配役だった。
 実際に「現人神の子孫」が存在する『炎神イフリート』『氷神シヴァ』と異なり、『剣神バハムート』は人間達が生み出した神様故に「現人神の子孫」とされる人間が存在しないまま今に至っている。
 つまり、元より神である人間が居るのではなく、今から誰かを選ばなければならない・・・と言う事。

 建国以前から共に在った一族にすれば『炎神イフリート』と『氷神シヴァ』の弟神である『剣神バハムート』の役を拝する事は、権力や名誉目的では無く、王に忠し神を尊ぶが故の純粋な誉だった。
 だからこそ、どの一族もが「我らこそ、古来より最も尽力して来た一族である」との王への忠誠、神への信心を自負しており、先祖代々の誇りに掛け容易には譲らなかった。
 なので当然、その様な状況で折り合いがつく筈も無く。
 皆の話し合いで決める事は断念し、誰を『剣神バハムート』に、どの一族を「剣神の一族」とするかは、王でもあり神でもあるアーデンに一任される事となった。

 アーデンは王であり神でもあるので、その決定は絶対・・・臣下達もその覚悟を持って臨んだ。元より王の言葉に異を唱える等、考えもしなかった。それ程に、彼らにとってのアーデンは絶対だった。
 でも彼らの想いが真摯であれば有る程、それ故に、アーデンは誰かを選ぶ事など出来なかった。
 建国以前より「火の神様」を崇め奉り。以降も国の為、王の為にと献身の限りを尽くして来てくれた、それぞれの一族。その役割に違いはあれど、彼ら無くして今の国は無かっただろう・・・この国にとって、どの一族も無くてはならない存在で、その中から特別を選ぶなど。だから、

 アーデンは古よりの忠臣である十二の一族に「王剣の一族」という位を与え。
 その中の神職に携わっていた一族を「剣神の一族」とし、その一族から『剣神バハムート』を選ぶ事とした。
 彼らが「一番」だからでは無い。
 彼らが「古の時代より神職に携わっていた一族」だから。その事実を以て、その一族を「剣神の一族」と定めた。 

 この時、彼らが授かった「王剣の一族」とは、王に剣を捧げる者達を意味し、その剣には王に対する忠誠が込められている。
 それは「十二全ての一族が、王にとって掛け替えのない存在」であり「皆の王に対する想いを、私は信じている」と言う、揺るぎない王からの信頼を表すもので。
 それぞれが古より継承してきた役割を全うする事こそが、王の信頼に応える事になるのだと。
 それならば、古より神職に携わっていた一族が「剣神の一族」として『剣神バハムート』を輩出するのも道理と納得し。
 こうして「王剣の一族」と呼ばれるようになった十二の一族は、より結束を強めながらも、各々が果たすべき役割に従事する事を一族の使命とし、

「全ては 我らが 王の為に・・・!」

 彼らは誉れ高き「王剣の一族」として、王であり神でもあるアーデンに忠誠を誓った。

 古より神職に携わっていた一族・・・って気付いたかな?
 上の息子は「炎神の一族」に、娘は「氷神の一族」に分かれたんだけど、実は年の離れた弟がいて。兄姉が抜けた一族を、その子が継いでいたんだ。
 つまり、生まれながらの『剣神バハムート』の現人神なんて居なかったけど。
 古より神職に携わっていた一族の先祖を辿れば、正真正銘『炎神イフリート』とは「兄弟」に当たる・・・って事。
 まぁ、何百年越しの「兄弟」なんて言われても、ピンと来ないかもしれないけどね。

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 『炎神イフリート』の現人神を先祖に抱く「炎神の一族」にして、「ソルハイムの王」でもあるアーデンが『炎神イフリート』を。
 『氷神シヴァ』の現人神を先祖に抱く「氷神の一族」にして、古来より対の存在として国王を支えて来た一族の娘が『氷神シヴァ』を。
 古の時代より神職に携わっていた・・・『炎神イフリート』『氷神シヴァ』と同じ母を源流に持つ「剣神の一族」の息子が『剣神バハムート』を。

 こうして役者が揃い、王自らが『炎神イフリート』を演じる事で。
 文字が理解出来る上流階級層だけでなく、広く市井の民衆隅々まで「六神神話」は普及して行く事となった。

 確かに膨大な量となっていた「六神神話」全てを演じる事は出来ない・・・重鎮達が懇切丁寧に纏め上げた書物「六神神話」には及ばなかったけど。
 正直な所、難しい事が分からない民らにすれば「この国の主神が『炎神イフリート』」で「対の双子神が『氷神シヴァ』」で「自分達の想いを届けてくれる、神様の末弟が『剣神バハムート』」で「その三柱の神様は仲の良い兄妹弟の神様」で「それら三柱の神様が自分達を守ってくれている」という事が分かれば満足だったので。
 国の行事や、神事の際。それに留まらず常日頃から仲睦まじい『炎神イフリート(兄)』『氷神シヴァ(妹)』『剣神バハムート(弟)』の姿を見る事が出来れば、
「今日も神様方は、
 心穏やかに過ごしておられるようで良かった。」
 心より「神様が心安らかに見守って下さっている事が、自分達の生活の安寧に直結している」と考える彼らにすれば、それだけで十分だった。

 そもそも民衆にすれば、アーデンは統治者であって。
 その肩書きが「王」でも「神」でも、特に不都合は無かったのかもしれない。
 それ程までにアーデンは「王」でもあり「神」でもあると、古の「想い出・記憶」から遠退いていた民らにも受け入れられ。
 こうして今現在「人間」としての彼らは、それぞれ「別の一族」でありながら。
 以降「神」となった彼らは、同じ「神の一族の兄妹弟」と認知されるようになって行った。

 確かに同じ母を源流に持っていたけど、そんなの何百年も前の話で。この時代の頃には、三人に血の繋がりなんてほとんど無い他人だった。
 でも三人は『炎神イフリート(兄)』『氷神シヴァ(妹)』『剣神バハムート(弟)』だったから、当たり前に「兄妹弟」として育てられ、本人達も「兄妹弟」として接していた・・・って事。
 ん?『水神リヴァイアサン』達の演者は居なかったのかって?
 いる訳無いでしょ、だって彼らにとっての一番は『炎神イフリート』だった。
 そのお姉ちゃんやお兄ちゃん役が居たら、やり難くて仕方が無い・・・だから「古い神サマ」は隠居しててもらうに限るってね。
 尤も、考え方としては逆だけど。
 都合が悪い、邪魔だから居ないんじゃない。
 人間達が『水神リヴァイアサン』達の存在を考えもしなかったから、演者を選ぶって発想にならなかったんだ。

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 古代ソルハイム王国が成立・・・つまり「始まりの王・アーデン」から数百年。
 それだけの月日が流れれば、土地も人々も社会も変わる。
 元々寒さから逃れるようにして大陸の人々が集まって出来た国だったので、極端な人口流入は無かったけれど。人々が住み良い国と言う事は、生活が安定していて、人口も増加傾向になるという事。
 勿論、国としては人口の増加は喜ばしい事だったけれど。一定限度を超えてしまうと、そうも言っていられなかった。
 太古と比べれば、世界全体の平均気温が上がったとは言っても、場所的に寒冷地であるこの大陸では人が快適に過ごせる土地は有限で、その土地で育つ作物にも限りがある。
 飢える程では無い、暮らしに困る程でも無い・・・アーデンは同胞たちが平等に幸せを享受出来るよう、自身も民に寄り添いながら、出来得る限りの善政を敷いていた。

 しかし一部の人間達は「より良い生活」「より豊かな土地」を求める様になり、
「我らは海を渡り、新たな土地を探して参ります。
 対岸は『炎神イフリート』様の住まう土地。
 きっと我らを迎え入れて下さる事でしょう。」
 命知らずにも海を渡り、新たな土地を目指すと名乗り出る者が現れた。
 それは先祖代々のこの土地を去る・・・という事で。
 そう申し出た人間が国でも有数の資産持ちで。しかもアーデンと私的な関係にあり、日頃から「政と神事は分けるべきでは?」と進言するなどして、臣下達からは反感を買っていた人間だっただけに、
「この国を捨て、
 新たな土地で、自らが王になるつもりか?」
「それは王に、国に対する裏切りでは無いのか?」
 と、良い顔をしない人間も多かった。

 でも彼はこう申し出ていた「新たな土地を探して参ります」と。
 それはつまり「より良い生活」「より豊かな土地」を求めるソルハイムの民の為、彼らが移住出来る土地を探しに行く・・・と言う事で。
 男が見据える、新たな土地への移住。いずれ人口増加が問題になる事が明白な王国において、寧ろそれは国が対処しなければならない問題だった。
 が、国を統治する「王剣の一族」は、王を信仰するが故にその道を避けて来た。王の傍を離れるなど有り得ないと、何か他の解決策があるに違いないと目を背けて来た。
 だから、だからこそ。国として動けないのなら、自分にその大役を任せてほしい、と。

 しかし当の本人は、その為の国からの援助を求めに来た訳では無かった。
「王にも国にも迷惑は掛けません。
 自らの私財を投げ売ってでも、
 自分達の力で成し遂げてみせます。」
 そんな彼が、ただ一つ望んだ事・・・それは、
「ですからどうか、
 望む民らの為、新たなソルハイムの地を探しに行く事を。
 暫しの間、この地を離れる事をお許し下さい。」
 独立、では無い。勿論、侵略でも無い。
 全ては王の為、国の為、そして民の為であって、王に反旗を翻すつもりなど毛頭無い。
 多くなった・・・多くなり過ぎた同胞達の為、新たなソルハイムの地を探しに旅立つ。
 だからこそ、彼は王の許しを請うた。
 だからこそ、彼には王の許しが必要だった。
 自身の全てを、命を、生涯を掛けて挑もうと言うのだから・・・せめて、
「君が良い知らせを携え戻る事を、切に願う。
 君達の旅路に、炎神イフリートの加護が在らん事を。」
 せめてと望んだ言葉・・・否、望む以上のモノを与えられ、目頭が熱くなる。
 言葉と共に与えられたのは、額に触れる指先。それは心を照らし導く祝福の灯火。

 どれだけ遠く離れて居ようとも、己の心の中には炎神の祝福が宿っているのだと。
 どの様な困難にあっても、その炎が闇を照らし道を示してくれるのだと思えば。
 自分は還る場所を間違える事は無い・・・そう、思えた。

 男は「王にも国にも迷惑は掛けません」と言ったが、増加の一途を辿る人口問題を解決する為の移住先確保は国家レベルでの急務であり。
 国家としては、それだけの大事業を一個人に任せる訳にも行かず。
 何より王が理解を示した事で、最終的この移住先確保の為の遠征は、国を挙げて取り組む事となった。
 が、国の中心にある「王剣の一族」は、王の傍を離れる事が出来なかったので。
 責任者には件の男が選ばれ。当初よりの彼の計画・指示の元、
「王の為、神の為、そして国の為なら、わが身を惜しまぬ!」
 そんな血気盛んな若い男たちが、新たな土地を求め新天地へと旅立って行った。

 そんな男たちの命を賭した働きにより。
 まずはソルハイム王国の主神『炎神イフリート』が住まうラバティオ火山周辺を足掛かりに、その後もイオスの世界広くにその版図を広げ。
 最終的に古代ソルハイム王国は、本国含め四つの地域を治める大国となった。
 そう、彼らは王との約束通り、新たな土地を自分の物とはしなかった。
「望む民らの為、新たなソルハイムの地を探しに行く。」
 新たに得た三つの地域の一つとして、それを覆す事は無く。
 彼らの知らせを受け、移住を希望する者達は新たな土地へと旅立って行った。

 でも彼らは決して、王を神を国を見限った訳では無い。
 寧ろ彼らは「遠く離れていても、王は神は国は我らを守り導いて下さるのだ」と信じていたからこそ、外の世界へと踏み出す事が出来た。
 それはまるで、親元から巣立つ子供のようなもので。
 だから王は、アーデンはそれを嘆く事は無かった。子が成長し、自分達でやって行けると言うのなら。その成長を喜びこそすれ、それを引き留める理由などない。
「全てのソルハイムの皆に、
 炎神イフリートの加護が在らん事を。」
 この地に残る者、巣立ち行く者、そして既に遠い地に根付いた者達の為。
 彼は毎日祈りを捧げた・・・何処にいても、遠く離れていても、直接その手を引く事が叶わなくても。
 彼らの心の中の「灯火」が、彼らを守り導き安らぎを与えてくれるようにと・・・それだけを切に願って。

 四つの地域合わせて、ソルハイム王国である事。
 それを示す為にソルハイムの玉座には、四つの地域のエムブレムからなる「ソルハイム王国のエムブレム」が彫り込まれた。
 そのソルハイム王国の玉座は建国時・・・つまり始まりの王の誕生を機に「王には高い位置に座して頂こう」という民らの想いから造られた物で。石を削り出し造られた玉座は実際の所、高さのある平たい石の台座・・・玉座と言うには余りにお粗末で、とても座り心地が良いとは言えない代物だった。
 でも民らは少しでも王の為になればと、その時代に出来得る限りの改良を重ね。
 見た目にも優れた物を、と。石製の無骨な其れに心を籠め、少しずつ少しずつ装飾を削り込み続けた。
 それらの装飾は、時代が進み技術が向上するにつれ精巧に精密に。
 気が遠くなるような長い時間を掛け、様々な装飾が施された玉座・・・それは当にソルハイム王国の歴史と、人々の想いが刻み込まれた、国の宝であり魂であり誇りであった。

 石の玉座ってさ、正直罰ゲームだよね。
 あぁ・・・でも枯草を強いたり、板を乗せてみたり。彼らは彼らなりに精一杯頑張ってくれたんだから、文句言っちゃ悪いかな?
 それに装飾の為に石を削るのだって、道具が無きゃ大変だっただろうし。
 でも石は記録媒体としては優秀だから。その甲斐あって、彼らの長い歴史は失われる事なく後世へと継承されて行った・・・と。
 で・・・その玉座は今、何処に在るのかな?

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