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落書き帳の10ページ目

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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《新約 35》

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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
 【皆、お兄様のお帰りを、お待ちしております】
 【ルーナは一人じゃない、僕が一緒だから・・・!】
 【もっと早く言ってくれりゃ良かったのに・・・】

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 何やかんや捻じ込んで、漸く【七日目】インソムニア調印式・当日。
 もし自分が実際に取り仕切るなら。そんな一大事、前泊入りで余裕を持って執り行いトコですが・・・要人を長居させたくなかったのかな?
 【FF15】で、グラディオラスが「昨日の夜 調印式の席で騒ぎがあった」と新聞を読み上げていた&イグニスが「調印式は昨日だった」と言っていたので。
 「まぁ・・・式が夜なら、当日の出発でも何とかなるのか?」って事で、

【七日目】
 早朝に飛空艇で、ルシス王国・インソムニアに移動。
 その日の夜に「クリスタル譲渡&調印式」が執り行われる。

 と、しています。自分だったら、そんな慌ただしいの絶対に嫌だけどね・・・!

 なので、レイヴス君が緊張で夜眠れないタイプか、全然お構いなしで熟睡出来るタイプかは知りませんが・・・ちゃっちゃと朝の支度を済ませたら、馴れ親しんだ飛空艇乗り場へと、挨拶を交わす程度で向かってもらいます。
 ここに関しては、調印式の前にグラレアで演説ってのも、内容がフライングにならないようにしなきゃならない&そもそも「調印式自体が密室会談&電撃発表」みたいなモンなので。
 同行する兵以外は、今からレイヴスがインソムニア調印式に赴く事すら知らない。
 なので表向きは「何時もと変わらない朝」ってイメージで見ています。

 その「何時もと変わらない朝」は、二度とやって来ない訳ですが・・・。

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【皆、お兄様のお帰りを、お待ちしております】
 ここからは時間も無いので、ルシス王国・インソムニアに向けて飛空艇でひとっ飛び・・・とはならない。時間が無くても寄らなきゃならないトコがあるから。それが、
「おはようございます、お兄様。
 本日は、宜しくお願い致します。」
 途中テネブラエに立ち寄りルナフレーナを回収してから、インソムニアに向かいます。

 正直なトコ【KGFF15】【FF15】で、どういう経緯&理由でルナフレーナがインソムニアに居るのか分からないんですが・・・どうも「帝国がルナフレーナを連れて来ていた」という事みたいなので、今回もちゃんと帝国が責任を持ってお連れします。

 って言うか、アレは本当に何で?
 帝国が「ノクティスとルナフレーナの婚姻を条件に出した」のは、アーデンが停戦協定の使者としてインソムニアに赴いた時の話であって、調印式の場では無いんでしょ?
 そもそもノクティスは結婚式の為か、ルナフレーナを迎えに行く為か、オルティシエに向かっていた・・・完全に行き違いになってるので、ココで顔合わせ&本人同士の了承を得る為、って訳でも無いだろうし。
 そんな感じで本来の流れは分からないのですが、この第二章の流れとしては至極簡単で。

 インソムニア調印式を執り行うにあたり。
 テネブラエの代表としてルナフレーナは、調印式に呼ばれていた。
 
 第二章でのインソムニア調印式の目的は「レイヴスにクリスタルを譲渡する事を承認」&「各国は世界の平和の為、以降も協力体制を維持する」旨を、国家間で締結する事です。
 つまり当事国同士で済む「王国と帝国の停戦協定」とは違って、それに関わる国の代表の承認を以て締結されるべきもの。
 今回の場合なら「世界が一丸となって、世界の闇に立ち向かっている状況」なので「世界の闇を払う唯一の希望とも言えるクリスタルを、王国から帝国に移す」なんて事は「当事国同士が了承したから・・・」なんて遣り取りで済むものでは無く。そのような重大事項を王国と帝国だけで決める・・・そんな世界の足並みを乱すような事は許されない、って事。
 だからルナフレーナも「レイヴスにクリスタルを譲渡する」事を承諾し、且つ「これからもテネブラエは、世界の為の協力を惜しまない」と自国の立場を表明する為に、この調印式にテネブラエの代表として参列していた。

 で・・・当然、その段取りを組んだのは敏腕外交官・アーデンさん。
 レイヴスの書状を預かり、ルシス国王・レギスの元に赴いたアーデンは、その場で「一週間後にインソムニア調印式」と取り付けていましたが。
 そこから帝国に戻って来る間の、何やかんやの一つとして「テネブラエに寄り、ルナフレーナに事情を説明」&「テネブラエの代表として、調印式に参列するよう依頼」していた。
 で、テネブラエからルシス王国までは遠いし、この頃の世界は結構モンスターとかも出没する・・・つまり軍事力を持たないテネブラエには厳しい道のりとなるので、
「当日の朝、お兄様を迎えに寄越すから。
 それまでに準備しておいてね。」
 普段から帝国は宗主国としてテネブラエを守ってやっているし、テネブラエは帝国から王国への道中だし、昔っから兄妹は一緒に居るモノ・・・と認識している節が有るので(感情的な話では無く、統計として)。
 別に「ルナフレーナが心細いだろうから」とか「その方がレイヴスも喜ぶだろうから」って気遣いからでは無く、あくまでも「目的達成の為の最短&安全ルート」として、ルナフレーナ回収の段取りをせっせとしていた・・・って感じです。

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 ただ、そういう展開に持って行こうと思ったら、またまた調整しなきゃならない。だってレイヴス小隊がそうだったように、ルナフレーナとの兄妹イベントも水神リヴァイアサンの時に済ませてしまっているから。
 あれを書いてた頃は「帝国がルシス王国にルナフレーナを連れて行った」のは頭にあったけど、【FF15】のインソムニア襲撃のイメージ(=揚陸艇いっぱい)が強かったので。イメージとしては「兄妹は別々の揚陸艇で、ルシス王国に向かってた」&「二人が顔を合わせるにしても、合間に声を掛けられる程度」って感じだった。
 だからこそ「帝国がルナフレーナをルシス王国に連れて行くにしても揚陸艇は別々」で「兄妹じっくり腰を据えて話をするような時間は無い」⇒「水神イベントの時点で、感動の兄妹イベントを済ませておかなきゃ!」ってなってた、こういう経緯。

 でもここまで話を進めてみると「インソムニア調印式の内容は、極一部の人間しか知らない」「同行する兵以外は、今からレイヴスがインソムニア調印式に赴く事すら知らない」「調印式自体が密室会談&電撃発表」って事は、【FF15】みたいに大部隊編成でルシス王国に行く訳では無い・・・って考えるのが自然だと思うので(何しに行くのかも分からんような兵を、あんないっぱい連れてく事は無いだろうから)。
 第二章でルシス王国に向かった揚陸艇・・・ではなく飛空艇の数は極僅か。
 もっと言えば、事が事だけに「調印式自体が密室会談&電撃発表」なら「調印式が滞りなく済むまでは、大事にはしたくない」=「少人数の方が動きやすい(情報流出防止、的な意味でも)」=「ニフルハイム帝国から向かうのは、レイヴス、イドラ、アーデン+護衛の兵士数人&飛空艇の操縦士・技師など」・・・僅かどころか、行き掛けは一隻で事足りるんじゃないかな?
 そう考えると「ルナフレーナを回収する為に、飛空艇をもう一隻用意する」のは無駄に思えるし。
 同じ飛空艇に乗っているなら「ルシス王国までの道中。同じ飛空艇に乗っているのに、兄妹が全く接触無し」ってのも、何かしらの特別な理由でも付けてやらない限りは違和感&不自然なので。
 天秤に掛けた結果。先を見越して「水神イベントの時点で、感動の兄妹イベント」は済ませてあったのですが、この飛空艇のタイミングでもう一度兄妹イベント入れる事にします。

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 じゃあ、ルシス王国までの空の旅で、兄妹二人にどんな会話をさせるか?

 レイヴスは神凪一族(=指導者的立場)として育てられた&神凪として世界中を回り、老若男女問わず色々な人達と話をしているので。話をする事自体は別に苦手では無いだろうけど。
 兄妹とは言え、10年以上離れて暮らしている・・・20代女子に気の利いた話題が振れるかと言うと、そう言うのは苦手っぽいので(基本、男所帯の軍属だし)。やっぱりルナフレーナの心配をしつつ、真面目な話になりそう。
 でも「レイヴスの実父がレギス」という、一番ルナフレーナに伝えておかなきゃならない部分は、それこそ水神イベントの時に解消済みだし。そこをインソムニア調印式を前に、今更蒸し返すのもクドくなっちゃうので。

 この様な事を、自分の独断で決めてしまった事。
 恐らく自分はこの先、テネブラエには戻れない事。
 結果、テネブラエをルナフレーナに任せる事になってしまった事。

 この辺りを詫びておいたら、レイヴスも心置きなく「ルシスの血を引く神凪」としてクリスタルと向き合えるんじゃないかな?
 だから最後。例えこの先、二人が道を違える事になっても。

「何を仰るのですか。
 テネブラエは、お兄様が生まれ育った国。
 皆、お兄様のお帰りを、お待ちしております。」

 第一章でのレイヴスの最期が頭を過ると「テネブラエに帰りたかったんだろうな」ってか・・・この時にはルナフレーナも亡くなってるので、果たされない約束になってしまう訳ですが。
 何時か何処かのイオスの世界で、この約束が果たされる事を願う意味で。
 この台詞を「最後の、兄妹の時間の締め」としたいと思います。

 なのでここから先は、レイヴスは「ルシスの血を引く神凪」として。
 ルナフレーナは「テネブラエの最高指導者」として。
 それぞれの責任を果たす為、インソムニア調印式に臨む事になります。

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【ルーナは一人じゃない、僕が一緒だから・・・!】
 なんとかそれっぽくルナフレーナも回収し、これでインソムニア調印式の準備が整った・・・とはなりません、まだ下準備が必要です。
 これは「ルナフレーナをインソムニア調印式に参列させる」件のトコで「・・・ん?」って感じだったと思いますが。
 インソムニア調印式の目的が「世界が一丸となって、世界の闇に立ち向かっている状況」で「レイヴスにクリスタルを譲渡する事を承認」&「各国は世界の平和の為、以降も協力体制を維持する」旨を国家間で締結する事であるなら、参加国はルシス王国・ニフルハイム帝国・テネブラエだけでは足りない。
 という事で、最後のキーパーソン。アコルド自由都市連合・議会代表のカメリア女史を、お迎えに行ってもらいます・・・ノクティスに。

 最初にお断りしておくと。
 インソムニア調印式にカメリアを引っ張って来る事自体は、本編に関わる必要事項ですが。
 ココから先のノクティス視点の話は、本編の裏側と言うか【FF15】で言うトコの【KGFF15】のような位置付け=第二章の主人公はレイヴスなので、第二章本編では触れない部分となります。
 でもインソムニア調印式をここまでクチャクチャにしてしまった以上、
「じゃあ、この世界のノクティスはどうなってんの?」
 ここをちゃんと書いておかないと、第二章のノクティスに申し訳ないので「自分の頭の中では、こんな感じ」ってイメージを書いとこうかな、と思います。

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 そんなこんなで、第二章のノクティスについて考える時、どこから詰めて行くかですが・・・どこからも何も「ほぼほぼ全部、弄らなきゃならない」って感じ。
 と言うのも、第二章のインソムニア調印式は、全然違う内容になってしまっているので。

 停戦協定の条件に含まれていた「ノクティスとルナフレーナの婚約」って設定&展開が成立しない。
 ので「ルナフレーナとの結婚式の為、オルティシエに向かう」という、ノクティスの旅の目的も成立せず。
 それに変わる「ノクティスが旅に出る(=調印式当日に城を出ている)理由」が、必要になって来る。

 つまり、本来のノクティスの旅の目的を最初っから変える事になるので・・・関係者&FF15ファンの皆様には申し訳ございませんが。
 第二章は「レイヴスが主人公の物語」なので、お兄様が優先。
 今回はノクティスも、第二章の設定に合わせてシフトチェンジ=立ち位置を変えさせて頂きます。

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 まずは大前提「ノクティスとルナフレーナの婚約」が無くなってしまった「ノクティスとルナフレーナの関係」ですが。
 結論から言えば、この二人は普通に「お互い好きあっている仲」って関係です。
 何て言うか本来の「特殊な関係&絶対的な信頼」って言うのかな・・・「ほとんど会っても無い相手に、よくそこまで自分を捧げられるな?」って献身的な愛情と比べると、コッチは「普通過ぎて、物語としてはツマラナイ」位に普通で。
 普通だからこそ、ちゃんと個々の人間として「お互い好きあっている仲」って感じ。

 であって、ここで「恋人同士」とならないのは・・・まぁ「恋人同士」の定義も色々あるとは思いますが。
 第一章で「アンブラ経由で交換手帳⇒清く正しいプラトニックなお付き合い(?)」という「想い出・記憶」がイオスの世界に残っているトコを見るに。この二人はルシス王子&神凪として「神凪と王は 常にともにあるべき二人」「この世界を守るという使命のために」⇒「王と神凪は世界の為に共に在るべきであって、私情を優先すべきではない」という伝承をちゃんと守っていた。
 だからこそ「お互い好きあっている仲」なんだけど、それを公にするとか、それ以上の関係を望む事は出来なかった。
 第二章の設定的に、その教えに背いたレギスとシルヴァの間に生まれたのがレイヴスなので。親世代が現在進行形でゴタゴタしてるのに、子世代のノクティスとルナフレーナが同じ事を繰り返すのも・・・物語としての落しどころに困ると言うか。メタい事を言えば「ここまでの流れ的に、同じ事は繰り返させないよね?(=親子揃って、それどうすんの?)」と。

 でもその場合「お互い好きあっている仲・・・なんて、そんなボンヤリした関係で、物語になるの?」って感じですが、第二章では大丈夫です。だってルナフレーナは「ルシス王国と敵対しているニフルハイム帝国の監視下にある訳では無い」ので。
 ノクティスは「テネブラエに行く事」が私用or公用問わず、テネブラエにさえ行けばルナフレーナに会う事は難しい事では無かった。多分「ちょっと挨拶して来るわ」とか言っときゃ、誰に咎められる事も引き留められる事も無い。
 それ位には気軽&簡単に。
 それなりの頻度で、ルナフレーナに会う事は出来た。
 そういう関係の上で成り立つ「お互い好きあっている仲」って関係で。
 その「お互い好きあっている仲」に、もう少し踏み込むなら。男女としてというよりも、お互い似た境遇故の共感からの、自分を理解してくれる唯一の存在・・・そんなイメージ。

 これは何でかって言うと。第二章の設定として「ルシス王家・神凪の力は、長子であるレイヴスが継いで生まれて来た」故に「ノクティスとルナフレーナは、各々その力が乏しかった」となっていて《新約 18》。
 特にノクティスは「自身が王家の力を持たない&乏しい事を、思い悩んでいた」ので。
 そのノクティスに対して、ルナフレーナが第一章並みに「ノクティス様は、王として必ずや・・・!」みたいなプレッシャーを掛けるのは、余りにも可哀想・・・ってか、そうでない事を彼女は知っていた。
 幼い頃から「ルシスの王子」「神凪」として期待されていた二人は「大人たちはそう言うものの、自分にはそんな力あまり無い」という事で悩んでいた。
 でも「ルシスの王子」「神凪」として期待されていた二人は「自分には、そんな力は無い」と・・・誰にも打ち明ける事が出来なかった。そんな悩みを、ずっと一人で抱え続けていた。そんな二人だったからこそ、

「僕には父さんみたいな、特別な力は無い。
 でも大人は皆、僕の事をルシスの王子って言うから。
 僕、頑張らなきゃならないんだ・・・。」
「ノクティス様の気持ち、分かる気がします。
 私も神凪として、
 皆の期待に応える事が出来るのか、不安ですから。
 でもこんな事、誰にも打ち明けられなくて・・・。」
「え、じゃあルーナと僕は一緒だね!
 だったら・・・、」

「辛い事、苦しい事、悲しい事・・・何でも言ってよ!
 僕が全部、聞いてあげるから。」

「ルーナは一人じゃない、僕が一緒だから・・・!」

 幼い頃に交わした、二人だけの秘密の約束。
 その頃からずっとずっと、二人の絆が途絶える事は無かった。

 ↑ が、テネブラエの惨劇より手前の「ルナフレーナ12歳&ノクティス8歳」位のイメージかな。
 だから、この頃からの関係をず~っと継続してて。
 故に「お互い好きあっている仲」なんだけど、気持ち的にも立場的にも「恋人同士」にはなれない・・・そういう関係。お互いが尊過ぎるんかな?

 因みに、この場合「レギスは二人の関係を知らなかった」って事になります。
 だって二人は「王と神凪は結ばれてはならぬ」という伝承のせいもあって「恋人同士」にはなれなかった、そう思って今まで生きて来たのに。
 蓋を開けてみれば、レギスがレイヴスの真実を告げる事が出来なかったせいで、力を持たない二人が「王と神凪」である事を強いられていただけで(第二章のルナフレーナは正式には神凪ではないけど)。
 本当なら、ノクティスとルナフレーナが結ばれるのに何の障害も無かった。二人は何にも縛られず、人並みの幸せを望む事が出来な筈なのに。
 父・レギスの自分勝手&嘘のせいで、息子・ノクティスはルナフレーナという恋人、或いは一生の伴侶を諦めなきゃならなかった・・・それって控え目に言って、レギスが最低な父親になってしまうので。
 そこを回避する為にも「もしも二人の関係を知っていたら、さすがに父親としてノクティスに真実を告げていただろう(=二人は王と神凪では無いので、結婚しても問題無い)」⇒「でも、二人が真実を知らないまま」と言う事は⇒「レギスは二人の関係を知らなかったからこそ、嘘を吐き通す事を選べた(=自分の嘘が、そのような形で二人を苦しめているとは思っていなかった)」って考える。

 そもそも自分達は「王と神凪は結ばれてはならぬ」って伝承に背いて、レイヴスという子供まで儲けていたのに。
 自分達の・・・しかも「本当は王と神凪でない二人」を自分の勝手で「王と神凪」に据えた挙句、「王と神凪は結ばれてはならぬ」って伝承を押し付けるのは、どう考えたって勝手が過ぎる&父親失格なので。
 このように逆算した結果「レギスは二人の関係を知らなかった」って事になります。
 ノクティス達にしたって、元々「皆には言えない事も、曝け出せる唯一の存在(=秘密の共有)」という、二人の約束の上で始まった関係なので。
 二人の関係を問われたトコで、正直に「人には言えない事を、お互い愚痴り合っているだけだ」と言う訳にも行かない二人は、追求を避ける意味でも、関係自体を秘密にしてたんじゃないかな?

 それは父親・レギスにすら気付かれない程に・・・それこそ「お互い好きあっている」「恋人同士」という恋愛感情なんて微塵も感じさせず。
 誰も二人が「お互い好きあっている」なんて「想い出・記憶」を持たない程の。

「ルーナは一人じゃない、僕が一緒だから・・・!」

 覚えているのは二人だけ・・・ひっそりと儚く散り行く、秘密の「想い出・記憶」だった。

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【もっと早く言ってくれりゃ良かったのに・・・】
 ではここまでの設定を持って、次の段階に進みます。
 時間は少し遡り、インソムニア調印式の一週間前。つまりニフルハイム帝国からの使者としてやって来たアーデンが「インソムニア調印式は一週間後」と、腰の重いレギスに覚悟&決断させた日。
 上にも書きましたが、第二章でのインソムニア調印式の目的は「レイヴスにクリスタルを譲渡する事を承認」&「各国は世界の平和の為、以降も協力体制を維持する」旨を、国家間で締結する事。その為には大前提として「レイヴスがクリスタルの正統後継者=ルシスの第一王子である事」も公表しなければならない。
 そしてレギスはそれを承諾した・・・のなら、一番最初にレギスが「レイヴスは自分の息子だ」と告げなければならないのは誰か?
 ってなったら、そんな勿体振る必要も無い位にノクティスしか有り得ない。
 だってこの期に及んでまだ、自分の口から息子に真実を告げる決心が付かなかったとか。
 まずは臣下達に相談・・・って、ノクティスより先に臣下達に話をしてたってなったら、そりゃもう父親として救いようが無くなってしまうから。
 レイヴスに対して「父親としての気概」を見せたなら、ノクティスにだって見せてやって欲しい。
「レイヴスは私の息子、つまりお前の実兄だ。
 今までこの事実を告げる事が出来なかった事。
 お前にルシスの王子としての責務を押し付けて来た事。
 私の身勝手で・・・済まなかった。」
 その内容はショックだろうけど・・・この事実を臣下より後とか、臣下から聞かされる方が、ノクティスにしたら余程ショックだろうし。

 じゃあ、そんな父・レギスのトンデモナイ告白を聞いて、息子・ノクティスはどう応えたか?
 普通に考えたら「レイヴスが実兄」という事実だけでも衝撃的だけど。その事実に付随してくる真実は「ノクティスはルシスの第一王子では無かった」という事実で。
 それはつまり、今までルシス王家の力に乏しいにも関わらず「ルシスの王子なんだから」と頑張って来た、想い合っているのに「王と神凪は結ばれてはいけない」とルナフレーナとの関係も諦めていたノクティスに対して、一方的に「レイヴスをルシスの第一王子として認めるから、お前はその地位から退いてくれ」と・・・そんな自分勝手、納得出来る筈が無い。

 普通に考えたら、納得出来る筈が無い・・・けど。
 第二章のノクティスは、納得出来たんじゃないかな?

 ココからは、今まで積んで来た第二章の設定を下地に話を広げます。
 確かに「自分の父親が、実の子の事を隠していた」という事実はショックだっただろうし、この事に関しては「何でもっと早く言ってくれなかったんだ?」って納得出来なかったと思う。
 でも「レイヴスをルシスの第一王子として認めるから、お前はその地位から退いてくれ」って暗に含められた申し出に関しては、ショックではあっても納得は出来た。
 自分が王家の力に乏しかった事、それは自分のせいでは無かったのだと・・・寧ろ救いだったかもしれない。
 だってノクティスは「ルシスの王子なんだから」・・・皆がそうである事を求めるから、ルシス王家の力に乏しいにも関わらず「ルシスの王子」で在らねばならなかったし。
 どんなに想い合っていても「王と神凪は結ばれてはいけない」と、ルナフレーナとの関係も諦めなければならなかった。
 その自分自身を雁字搦めに縛っていた「ルシスの王子」という枷から解放されるなら。

「もっと早く言ってくれりゃ良かったのに・・・。
 だとしても、俺が親父の息子って事実は変わらないだろ。」
 軽く溜息一つだけ吐いて、憔悴しきった様子で詫びるレギスに背を向けると「これで話は終わり」と言わんばかりに手を振りつつ、
「俺ももう20歳だしな・・・。
 何時までも遊んでる訳にはいかねぇし。」
 レイヴスが「ルシスの王子」の位置に戻る事によって、ノクティスは「ルシスの王子」の位置から弾かれてしまった・・・その役割を果たす事は出来なくなった。
 でも「ルシスの第一王子」でなくても、例え特別な力「王家の力」に乏しくても、
「俺は俺に出来る事で、王族として務めを果たす。
 親父の息子だからな。」
 元々「王家の力」に乏しかったノクティスは「特別な力を持つ、ルシス王家の人間だから」では無く。
 単純に純粋に当たり前に「自分の父親がルシス国王・レギスで、自分はその息子だから」王族として務めを果たすのは当然と考えた。

 何て言うか・・・結局ここまでに書いて来た第二章のノクティスのイメージは「特別な力を持たないのに、ルシスの王子として期待される事」に対して「どんなに頑張っても、その期待に応える事が出来ない」から「ルシスの王子という役割に、真っ直ぐ向き合えなかった」だけで。
 本当はちゃんと、王族として務めを果たしたかった。
 だとしたら「特別な力は無くても、自分の特技や能力を活かす事で、国の為に尽くす事が出来る」「自分が思うやり方で頑張ってくれ、って任される」なら、願ったり叶ったりと言うか。
 ルシスの特別な力を持っているから「ルシスの王子」なのでは無く。
 これからは自分らしく、国王・レギスの息子として「ルシスの王子」の務めを果たそう。
 そう吹っ切れたノクティスは、とても「王族」らしい王子だったんじゃないかな?
 何だかんだ言われたって、やっぱりノクティスはロイヤルって素地は隠せてないキャラだと思うので。王族としてのカリスマと言うか・・・そういうのは外見が変容しても変わらない、彼の本質なんじゃないかな、と。 

 第二章のレギスは「ルシスの王」であるが故に、自身の意志を優先する事が出来なかった。常にルシス王国の為でなければならなかった。そんな父親に対して、
 長兄・レイヴスは、身動きが取れない父に代わり事を成す・・・イオスの世界に光を取り戻す為なら、全てを捧げる事も厭わなかった。
 次男・ノクティスは、自身の不甲斐なさを詫びる父の言葉を跳ね退け・・・息子として当然の事だと、国の為世界の為に尽くすと決意した。
 何て言うか・・・第二章の場合「レイヴスに美味しいトコ、全部持って行かれるんじゃない?」って自分でも思っていたのですが。話を追っかけて行くと「ノクティスもそれなりに、ちゃんと美味しいトコに落ち着いた」って印象でした。

 色々心配したのが馬鹿馬鹿しいって位に、頼もしく成長していた息子二人。
 お父ちゃんは泣いて良いと思うよ・・・「有難う」って。

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 という事で・・・やっと下準備が終わったので。
 途中で書いた様に、次回ノクティスには「ルシスの王子」として、アコルドのカメリア女史をお出迎えに行って頂きます。

 「ルシスの力」を持っているから「ルシスの王子」なんじゃない。
 「ルシスの力」を持っていなくても「ルシスの王子」なんだから。
 レギスの息子として、胸を張ってね。

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