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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《新約 18》
- 2025/02/09 (Sun) |
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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【イオスの世界創世における「真実」の重要性】
【「古き良きSFC時代の王道RPG」を行く】
【主人公とプレイヤーの意思疎通】
【孤独な王子様と、可哀想な王女様】
《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【イオスの世界創世における「真実」の重要性】
【「古き良きSFC時代の王道RPG」を行く】
【主人公とプレイヤーの意思疎通】
【孤独な王子様と、可哀想な王女様】
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パーティーメンバーと武器云々が決まったトコで、次は「旅の目的」「どういう旅になるのか?」ってのを押さえて行きたい。
んだけど・・・レイヴスの「旅の目的」が「真実の解明」にある事は、ここまでに書いて来た通りで。もう少し詳しく書くと、レイヴスの「真実の解明」は、レギスと自分の間に隠された真実を追う事がキッカケ&最初の段階になっています。
つまりレギスとの事はキッカケ&最初の段階であって、レイヴスが追求しなきゃならない「真実」の極一部でしかない・・・って事。
じゃあ、何でそんなに「真実」を解明しなきゃならないのかって言うと、それ・・・つまり「真実」こそが、このイオスの世界を救うのに必要不可欠な要素だから。
この【イオスの世界創世における「真実」の重要性】は、過去にも何度か触れていたと思いますが。
その過去を探すのも面倒だと思うので、繰り返しになりますがもう一度まとめた上で、
【第一章】ノクティスが主人公の「今のイオスの世界」(展開としては【FF15】の冒頭~ノクティスがクリスタルに取り込まれるまで、そのまま)。
【第二章】レイヴスが主人公の「過去のイオスの世界の過去(8年前~)の世界」(クリスタルに取り込まれたノクティスが、レイヴスにジャンクションする事で知る事が出来た世界)。
では、どういう考え方になるのかを比較して行きたいと思います。
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【イオスの世界創世における「真実」の重要性】
このイオスの世界は「誰かが見ている夢が、幻光虫によって具現化した世界」・・・つまり【FF10】の夢のザナルカンドの様な世界です。
その「誰か」というのは「剣神の魂を持つ存在」で、
◇剣神
世界の何処かに存在はしているけど、姿を見る事も声を聞く事も出来ない・・・存在を感知する事が出来ない存在。なので実際の見た目がどういったモノなのか、そもそも実体を持つのかなど全て不明。
尚、イオスの世界の人間達は「剣神バハムート」の事を「剣の神様」と思っているので、「剣神」という本当の神様が存在する事すら知らない。
◇剣神バハムート
人間達の「剣の神様は、こんな神様に違いない」という「想い出・記憶」を設計図に生み出された「従来の【FF】で言うトコの幻獣・召喚獣」・・・なので、人間達が剣神(=神様)と勝手に信じているだけで、本当の神様(=剣神)ではない。
◇ソムヌス・ルシス・チェラム
魔大戦で荒廃した世界&人間達を救済する為、炎神は自分の魂&炎神イフリートの外見的特徴を設計図に「アーデン」という人間を生み出した。
そのアーデンと共に行く為、剣神が自分の魂&剣神バハムートの外見的特徴を設計図に生み出したのが「ソムヌス」という人間。
で「その中の誰の夢なん?」って問題ですが、彼らは個としては別扱いだけど「剣神の魂を持つ存在」・・・つまり大元の魂の部分で繋がっているので、そもそも自分の中で「誰」と分ける感覚がありません。
なので誰の夢かと言うと「剣神バハムートでありソムヌスでもある剣神の夢」というニュアンスになります。書いている側としても、とてもややこしいです。
そしてこのイオスの世界が再生と終焉と繰り返している理由は、イオスの世界の設計図が剣神バハムート或いはソムヌスの夢である以上「自分の好きな夢を見る事は出来ない=自分が望む世界を創造できる訳では無い」・・・その結果、望まない世界を突き付けられた時「悪夢に魘され目覚めてしまい(=終焉)、幸せな世界を夢見て再び眠りに就く(=再生)」から。
なのでよくある「創造主が世界に絶望⇒世界を破壊⇒再生する」のように、意図的に破壊と再生を目論んでいる訳では無く。
あくまでも夢なので、悪夢を見て目覚めてしまうのも、ぐずりながら再び眠りに就くのも仕方がない事で。
その結果として世界が終焉と再生を繰り返す事になっても、創造主である彼らを責める事なんて出来無い。
じゃあ、彼らが悪夢に目覚める様な「望まない世界」とは何か?
これが「世界から真実が失われ、その結果どんどん真実から掛け離れてしまったイオスの世界」と言う事。
具体的には「お兄ちゃん(=炎神イフリート)が悪者にされてしまった&自分達の元に帰って来れない世界」とか「お姉ちゃん(=氷神シヴァ)が、色々な事を後悔&悲しんでいる世界」等々。
逆を返せば、彼らが望む夢を見せてやる事が出来れば、彼らは目覚める事なく幸せな夢を見続ける事が出来き、結果「ある日突然、世界が終焉を迎えるなんて事は無くなる」と言う事。
だから彼らが「望まない世界」が「世界から真実が失われ、その結果どんどん真実から掛け離れたイオスの世界」なら。
彼らが「望む世界」・・・「世界から失われた真実を取り戻し、真実は真実と認めた結果の本来あるべきイオスの世界」を夢見させてやれれば良い。
その為に「世界から失われた真実を取り戻し、真実は真実と認めた結果の本来あるべきイオスの世界」の夢を見せてやる為には、既に「失われた&捻じ曲げられた真実」を今一度、世界に思い出させる事で、正しい世界の「想い出・記憶」を、彼らに伝える必要があった。
だからアーデンは、全ての「真実を知る王」に選ばれし「運命の王子」を導き続けた。
この傾き続けるイオスの世界を救う「真の王」に必要なのは、悪神を打ち払う武力などではなく。
ルシス王家が「忠実なる臣下達」に言われるまま、都合が悪いからと改編・改竄し続けた結果、失われ捻じ曲げられてしまった「真実」を知る事だと知っていたから。
アーデンは「真実」を取り戻し、過去原初のイオスの世界の再生を望んだ訳では無かった。
時代が望むモノや、時代の流れで変わらざるを得ない事もあるし、変わった方が良い事もある・・・それを知っているから「変化」自体を拒む訳では無い。
でも、王家が捻じ曲げた「真実」と無理矢理帳尻を合わせ続けた結果の「変化」により、今のイオスの世界は転覆直前まで傾いてしまっている。
だから世界を救うには、選ばれし「運命の王子」に全ての「真実を知る王」になってもらうしか・・・世界の創造主に「真実」を伝える役目を担ってもらうしか無かった。
神の領域へと赴き「真実を知る王」となった自分を捧げる事で、
自分が知り得た「想い出・記憶」・・・永きに渡り失われていた「真実」を神に伝える。
ノクティスの場合。
例えそれで、現世での「人間」としての「器」を失う事になるとしても。
「真実」という「想い出・記憶」を記録した、幻光虫の光に還る事となっても。
どんなに辛くても、世界の為に成し遂げなければならない。
それが全てを託された「真の王」としての務めだった。
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【「古き良きSFC時代の王道RPG」を行く】
【FF15】ゲームの流れとしては【第一章】⇒【第二章】ですが。
【新約】の時間軸としては【第二章】⇒【第一章】なので、先にレイヴスの場合を書いて行きます。
・・・とは言っても「第二章のレイヴスが、どういう冒険・旅をしていたか?」ってのは、本当に想像するしか出来ない。だって、そんな事実は無いんだから。
だから本当に想像&書ける事は少ないんですが・・・強いて言えば、ずっと書いている様に「古き良きSFC時代の王道RPG」を地で行く感じ。
レイヴスが主人公の【第二章】は、ノクティスが主人公の【第一章】から見ると「過去のイオスの世界の過去(8年前~)」という関係・・・つまり「過去のイオスの世界」の「過去(8年前~)」なので、同一世界線では無いけど時間感覚として一応「前のイオスの世界」⇒「後のイオスの世界」と繋がっている。どっちかって言うと平行世界では無く、ゲームソフトでいうリメイクの様なパラレルワールドって感じ(同じゲームのリメイクなので内容はほぼ同じだけど、発売時期という明確な時間経過により「前作」「今作」のような前後・新旧という繋がりがある)。
要は、単純に「過去(8年前~)」では無く、世界そのものが「過去のイオスの世界」なので、同じ様な世界だけど、実は「世界一つ分の隔たりがある」って事になります(先の例を使って例えれば、第一章は【リメイク(PS版)】で、第二章は一作品前の【リメイク(SFC版)】・・・なので世界観はほぼ同じでも、ゲームソフトとして見ると別作品)。
なので第一章のイオスの世界では失われている「真実」が、第二章のイオスの世界にはまだ辛うじて残っていた。
それがどういったモノかと言うと、
◇街や村の人達に話を聞くと、近くの「王の墓」に眠っている王様が「どんな人となりの王様だったのか」「何を成し遂げた王様だったのか」・・・ちゃんと教えてくれて。
◇その「王の墓」に行ったら、石碑なりモニュメントなりがあって。ここに眠る王様が「ルシス王国何代目の王で、何と言う名前だったのか」「その王様が残した功績・歴史」などが、ちゃんと記録として残っている。
確かにレイヴスの「真実を追求&解明する旅に出るキッカケ」は「レギスと自分の出生に関わる真実を解明する為」なんだけど、
◇その「真実」が、ルシス王家の歴史(=改編・改竄により歪んだ真実)と密接に繋がっている。
◇レイヴスがその「真実」に辿り着けるよう、導き手であるアーデンが誘導してくれる。
ので。
「レギスが自分を実子と認められなかった本当の理由」に行き当たった後は、
「何故そんな事になってしまっているのか?」って話になり、
「真実を解明するには、ルシス王家の歴史を知る事が必要」で、
「調べてみたら真実と、言い伝えられる歴史が全く違う」事に気付いた。
という様に、レイヴスの「真実の解明」の目的は「世界を救う為」では無かった。
でも知らず知らずのうちに「ルシス王家が歪めてしまった真実」を追求&解明していく事が、結果「世界を救う為」になる・・・シナリオ進行としては、こういう流れで。
ゲーム進行としては、本来に「古き良きSFC時代の王道RPG」・・・つまり、
◇街や村の人達から、ルシス王国の歴史とか、歴代のルシス王の情報を聞き取ったり。
◇村人から得た遺跡の情報を基に、そこへ赴いて「真実の痕跡」を調べたり。
◇その遺跡に入るのにアイテムが必要・・・ってなったら、それを回収(お使いイベント)に行ったり。
◇その遺跡の前で通せんぼしてるヤツらを穏便(=何かしらの交換条件)or強引(=力にものを言わせる)で排除。
◇最終的には歴代王の魂(=霊体)や六神とも直接話しをして、彼らの言い分を聞けるようになる(ルシスの血族と神凪一族の二足の草鞋を履くレイヴス君なら可)。
今の時代だと「一本道シナリオ」って言われるようなシナリオを、寄り道する事無く真っ直ぐ真面目に進めて行く感じ。
メタい意味でも「古き良きSFC時代の王道RPG」なので、釣りとか料理とかキャンプとか写真とか・・・そんなトコに容量を割く余裕は無いだろうし。
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【主人公とプレイヤーの意思疎通】
今は【第二章】の話をしているので、別に【第一章】の話を挟む必要は無いのですが。
ここで書いておかないとタイミングを逃してしまいそうなので「第二章の対の世界である、第一章の場合」って切り口から、ここで書いておきます。
上記の通り「世界一つ分の隔たりがある」&「過去のイオスの世界(第二章)」には、まだ「真実」が辛うじて残っていたので。主人公・レイヴスはその「真実」を追求&解明する事で、イオスの世界を救う「真の王」に必要な「真実という力」を得る事が出来た。
でも「世界一つ分の隔たりがある」&「今のイオスの世界(第一章)」には、第二章では辛うじて残っていた「真実」すら失われてしまっていた。主人公・ノクティスは「真実」が失われてしまった世界で、イオスの世界を救う「真の王」に必要な「真実という力」を得なければならなかった。
だからノクティスには「歴代王の想い出・記憶が封印されているファントムソード」に触れ、そこに込められた「想い出・記憶」を読み取る・・・その「想い出・記憶」を借りる事で「真実」を得る方法しか残されていなかった。
例え「借り物王」と言われようが、それが今のノクティスに出来る精一杯だった。
これに関しては《新約 1》でのおさらいで、以下の様に書いていました。
⑨この世界の存在は全て「想い出・記憶」を宿した「幻光虫」で出来ているという事で、「ルシス王が神から授かったとされる力」とは、
⑩人間の身で「想い出・記憶」を設計図&「幻光虫」を素材に、物体を生み出す事が出来る(ファントムソードや魔法障壁の生成など)。
⑪反対に、物体に触れる事で設計図となっている「想い出・記憶」を読み取る事が出来る(コル:亡き王の魂に触れる事で 力が新王に与えられる=ファントムソードに触れ「想い出・記憶」を読み取る事で、「真の王」に必要な真実を得る事が出来るなど)。
なので、これに関してはそのままで。
第一章は【FF15】と同じ展開で進むので、第一章のノクティスと【FF15】のノクティスは同じ様に見えるかもしれませんが。
実は第一章のノクティスは、歴代王のファントムソードに触れる事で、その王様に対する「想い出・記憶」を借り受け、失われた「真実」の一部をちゃんと得ていた・・・んだけど。
実は自分達に都合が良いよう、ルシス王家が歴史を改編・改竄し続けていたなんて、内容が内容だけに誰にも相談する事が出来ず。
誰にも相談しなかった=全部自分一人で抱え込んでしまったので、それが表に出る事が無く。
表に出る事が無い=ゲームで言えば「実はルシス王家が・・・」ってノクティスが仲間に伝える態で説明してくれる事も無ければ、心の声(何で、そんな事をする必要があったんだ?)って自分が思っている事を文字で表現してくれる事も無かった。
つまり主人公・ノクティスは、同じ世界(=ゲーム)の仲間どころか、一心同体の筈のプレイヤーにすらその「真実」を伝えなかった。
だからプレイヤーは「真実」が分からず、置いてけぼりになってしまった・・・という考え方。
先程「ゲームで言えば」と前置きをしましたが。
実際のゲームの主人公って言うのは、ゲームの中での自分の分身とも言える存在で。そのゲームの世界に没頭する為にも、いかに主人公に共感出来るか・・・ってのは大きなウェイトを占める部分だろうから。
容量的に作り込む余裕が無かった昔のゲームとか、主人公がしゃべらないタイプのゲームなら別の話だけど。
それこそ【FF】シリーズみたいな主人公のキャラがしゃべる(=性格付けが定まってる)タイプのゲームで、こんなに主人公とプレイヤーの意思疎通が出来ていない。情報の同期&共有が出来ておらず、主人公がプレイヤーすら置いてけぼりにしちゃうゲームって、珍しいんじゃないかな・・・程度には思います。
何て言うかノクティスの、言葉を端折るトコ、適当に流すトコ、曖昧に暈すトコ・・・こういうのを「自然体で今時の子っぽいノクティスのキャラ」って思えばそうなんだろうけど。
本来ならそういう性格のキャラでも「プレイヤーに伝えなきゃならない事」は、伝えなきゃならないと思うんですね、ゲームって。
でないと共感しようにも、ちょっと言葉少なすぎて本心が掴めない・・・実際そういうシーンがぽつぽつあるなって、特におばちゃんは若者感覚について行けないので。
ルナフレーナとの事とか、レイヴスの最期なんかは「本当はもっと、何か言いたい事あるだろうに・・・言いたくても言えないの?」って思っちゃう。
でも今書いてるのは二次創作(文章)であって、二次創作(ゲーム)という媒体を想定して考えている訳では無いので。
ゲームシナリオとしては禁じ手かもしれない「主人公とプレイヤー(読み手)の情報の非同期」前提のまま話を進めます。
だから第一章のノクティスが考えている事って、分かり辛いと思います。
だってノクティスは「真実」を知っていて、それに対して色々と思うトコがあるのに、コチラに対して何も言ってくれないし教えてくれない。
辛い現実を突き付けて来る「真実」を、全部全部一人で抱え込んでいた・・・って事すらコチラに気付かせないまま&補足も無しに話が進む、って事だから。
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【孤独な王子様と、可哀想な王女様】
と言う事で。
第一章は【FF15】の展開のまま・・・つまり何か補足が入って分かり易くなる訳では無いので。ここで自分が思う「第二章の想い出・記憶を継承している第一章」のイメージを書いておきます。
でもこれは、あくまでも「第二章の想い出・記憶を継承していたなら、第一章のノクティスはこういう風に思ってたんじゃないかな?」って自分の妄想なので。
もしも「第二章の想い出・記憶を継承してても、そうはならないんじゃない?」って感じて下さる方がおられれば、それはそれで嬉しいです。
まず最初、大筋の軸を決めておくとすれば、
◇ノクティスはルシス王国の王位継承者(第一王子)だけど、王家の力が乏しかった。
◇その事を、ノクティス自身は無意識下に知っていた。
第一章のノクティスは【FF15】のノクティス同様、正真正銘ルシスの王子です。
でも、イオスの世界が第二章の「想い出・記憶」を継承している、と言う事は。
第一章のノクティスも、第二章のノクティスの「想い出・記憶」の影響を受けている・・・と言う事。
その結果、どうなるかと言うと。
第二章のノクティスは、ルシス王国の王位継承者だったけど。実は彼にはレギスが実子と認めなかった兄・レイヴスが居て。
ルシス王家の力は第一子であるレイヴスが継承して生まれたので、第二子に当たるノクティスにはその力がほとんど継承されなかった・・・彼はルシス王国の王位継承者でありながら、実はルシス王としての務めを果たせるだけの力を持っていなかった。
第一章のノクティスは、そんな第二章のノクティスの「想い出・記憶」の影響を受けている。
正確には「ノクティス自身が影響を受ける」と言うより、世界の創造主である剣神バハムート達に「ノクティスは、こういう子だったんだな」と思われ、彼らがそのような「想い出・記憶」の影響を受けた夢を見、その夢が新しいイオスの世界(第一章)として再生された結果。
第一章ではレイヴスが正式に「ルシス王国の王位継承者(第一王子)」から外された事により、ノクティスが正真正銘の「ルシス王国の王位継承者(第一王子)」になったんだけど。
それはレイヴス(第一王子)に代わり「運命の王子」となれるのは、ノクティス(第二王子)以外に相応しい人間は居ない・・・と言えば聞こえはイイけど、帳尻を合わせる為に自然とノクティスが繰り上げられたに過ぎず。
ノクティスが「運命の王子」となっても、ルシス王家の力が継承されるかは別問題で。
結局この世界でもノクティスは、ルシス王家の力が乏しいままだった。
だって剣神バハムート達の中に、ルシス王家の力を継承し、ちゃんとルシス王子しているノクティスの「想い出・記憶」が無い以上、そういう夢を見る事は難しいから。立場は変わっても、やっぱり「ノクティスは、ノクティスのまま」ってなっちゃう。
更に第二章での「実は自分はルシス王に相応しくない(=レイヴスの件は知らないままだったけど、力が乏しい事&臣下達にそう思われている事には気付いていた)」という「想い出・記憶」をノクティス自身が無意識下に持っているせいで。
第一章でも「王子らしくない」「王子としての自覚が薄い」「どこか王子という立場に向き合えない」ノクティスになってしまっている。
だとしたら・・・そりゃ、第一章のノクティスが「王子らしくない」王子でも納得な訳で。
だって第二章では、ルシス王家の力を継承する「運命の王子」はレイヴスで。
レイヴスとレギスの件を伏せている以上、表向きはノクティスがルシス王国の王位継承者ではあったけど、彼はルシス王家の力なんてほとんど持っていなかった。
ルシス王国の王位継承者とされながらも「本当はルシス王家の力を持たない王子」と、一部の臣下達には思われている事も薄々感じていた。
そしてレイヴスの件はノクティスにも伏せられたままだったので、ノクティス自身、何故自分は王家の力が乏しいのかも分からないまま「本当はルシス王家の力を持たない王子」という自分と向き合わなければならなかった。
それが辛くて「王子」という立場から逃げていた・・・王子らしくある事が辛くて、王子らしくない自分を装う事で、自分の心を誤魔化し守っていた。
そんな第二章のノクティスの「想い出・記憶」の影響を受けた第一章のノクティスに「王子としての自覚を持て」とか言ったトコで、そりゃ心機一転「了解、任せろ」とはならんでしょ?
しかもノクティスが望んだ訳でも無く「運命の王子は、ノクティスしか居ないよね!」って、世界に体良く押し付けられたみたいなモンだし。
光耀の指輪の件にしたってそうで。
ルナフレーナから託された指輪をなかなか嵌める事が出来なくて、グラディオラスに怒られたり。
ノクティスなら嵌められる筈&実際お父ちゃんが普段から嵌めてた馴染みある指輪を嵌めるのに「いや、そんなに?」って位、葛藤してたけど。
ノクティス自身「本当はルシス王家の力を持たない王子」という事を無意識下にでも知っていたら、嵌められない&怖くて当たり前じゃないかな?
だって「ルシス王家の力を持たない自分は、指輪に認められないかもしれない」って不安と恐怖をねじ伏せて嵌めなきゃならなかった・・・って事だから。
結論としては、過去従来「ルシス王家の力」を持つ人間が、指輪を嵌めるに相応しい人間だっただけで。
指輪を嵌める資格に「ルシス王家の力」の有無は直接関係無かった・・・って事なんですけど。
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因みに「第一章のノクティスも、ルシス王家の力が乏しい」という設定は、ノクティスの都合と言うよりも、ルナフレーナの都合に合わせた形になっています。
と言うのも、第二章のノクティスとルナフレーナは共にレイヴスという実兄が「ルシス王家の力&神凪の力」を継承して生まれた結果、それぞれが本来持つべき力を継承出来なかった・・・って事になっています。
そんな第二章の「想い出・記憶」を基にした第一章ですが。
ノクティスの王家の力が乏しいというのは、実際のトコ、表面だけを見て分かる物ではありません。まだノクティスはレギスの様に結界張ったり・・・って、全ての力を行使して無いから。何かが欠けていても、どの程度足りて居なくても分かりようが無い。
でもルナフレーナは神凪としての務めを果たしていて、その中で「本来の神凪の務め=神々と心を通わせる」事を実行し、その結果、自らの命を削る事になっている。
これは以前書いた様に、六神が横暴な神様でルナフレーナの心身負担となるから・・・ではなく「ルナフレーナは、神凪本来の務めを果たせる出来るだけの力を持っていない」から。
第二章の「想い出・記憶」の影響を受けた結果、第一章のルナフレーナも神凪の力に乏しかった。でもレイヴスが「運命の王子」から外され、加え「男性のレイヴスが神凪である筈が無い」と世界に思われてしまった為、力を持たない妹・ルナフレーナが「神凪」の位に据えられてしまい。
そんな世界の思い込みで、力を持っていないのに「神凪」にされてしまったルナフレーナは、ノクティスや世界の為に自らの命を削らなければならなかった・・・と言う事。
本当は一人の女性としてノクティスの傍に居たかった、自分の想いを伝えたかった。それが本来の「ルナフレーナ」という女性だった。
でも「ルナフレーナは神凪なのだから。自身の想いをグッと押し殺してでも、その務めを果たす事を選んだに違いない」と世界に思われてしまったせいで、そうである事を望まれたせいで。
最期、駆け寄り延ばした手さえ、ノクティスに届く事は無かった。
「ルナフレーナは、そんな事しないよね。」
そう、思われてしまったから。たったそれだけの事も、許されなかった。
美し過ぎて、どこか創り物めいたジールの花。
青い光、青い花びら・・・そこに、この世の物では無い「美しい物語」を願い求めたのは誰?
なので、この「レイヴス」という存在によって運命を変えられてしまった・・・同じ様な状況にあるノクティス&ルナフレーナのうち、
片や、ルナフレーナは「第一章でも、神凪の力を持っていなかった」のに。
片や、ノクティスは「第一章では、ルシス王家の力を持って生まれた」と言うのは、やっぱりバランスが悪いので。
話の展開的に、ルナフレーナに神凪の力を持たせる事が出来ない以上、ノクティスも「第一章でも、ルシス王家の力を持っていなかった」って事にさせてもらいました。
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以上・・・今回は第一章のノクティスの話が長くなってしまいましたが。
そんなややこしい事になってしまっている【第一章:ノクティスが主人公の物語】より、【第二章:レイヴスが主人公の物語】の方が、よっぽどシンプルというか・・・やっぱり分かり易いんじゃないかな、と。
大体において、同じネタをちょっとずつ手を加えながら擦り続けたら、気付いた時には「何か辻褄合わなくなってない?」とか「この元ネタ、何だっけ?」って感じになってたりするし。
パーティーメンバーと武器云々が決まったトコで、次は「旅の目的」「どういう旅になるのか?」ってのを押さえて行きたい。
んだけど・・・レイヴスの「旅の目的」が「真実の解明」にある事は、ここまでに書いて来た通りで。もう少し詳しく書くと、レイヴスの「真実の解明」は、レギスと自分の間に隠された真実を追う事がキッカケ&最初の段階になっています。
つまりレギスとの事はキッカケ&最初の段階であって、レイヴスが追求しなきゃならない「真実」の極一部でしかない・・・って事。
じゃあ、何でそんなに「真実」を解明しなきゃならないのかって言うと、それ・・・つまり「真実」こそが、このイオスの世界を救うのに必要不可欠な要素だから。
この【イオスの世界創世における「真実」の重要性】は、過去にも何度か触れていたと思いますが。
その過去を探すのも面倒だと思うので、繰り返しになりますがもう一度まとめた上で、
【第一章】ノクティスが主人公の「今のイオスの世界」(展開としては【FF15】の冒頭~ノクティスがクリスタルに取り込まれるまで、そのまま)。
【第二章】レイヴスが主人公の「過去のイオスの世界の過去(8年前~)の世界」(クリスタルに取り込まれたノクティスが、レイヴスにジャンクションする事で知る事が出来た世界)。
では、どういう考え方になるのかを比較して行きたいと思います。
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【イオスの世界創世における「真実」の重要性】
このイオスの世界は「誰かが見ている夢が、幻光虫によって具現化した世界」・・・つまり【FF10】の夢のザナルカンドの様な世界です。
その「誰か」というのは「剣神の魂を持つ存在」で、
◇剣神
世界の何処かに存在はしているけど、姿を見る事も声を聞く事も出来ない・・・存在を感知する事が出来ない存在。なので実際の見た目がどういったモノなのか、そもそも実体を持つのかなど全て不明。
尚、イオスの世界の人間達は「剣神バハムート」の事を「剣の神様」と思っているので、「剣神」という本当の神様が存在する事すら知らない。
◇剣神バハムート
人間達の「剣の神様は、こんな神様に違いない」という「想い出・記憶」を設計図に生み出された「従来の【FF】で言うトコの幻獣・召喚獣」・・・なので、人間達が剣神(=神様)と勝手に信じているだけで、本当の神様(=剣神)ではない。
◇ソムヌス・ルシス・チェラム
魔大戦で荒廃した世界&人間達を救済する為、炎神は自分の魂&炎神イフリートの外見的特徴を設計図に「アーデン」という人間を生み出した。
そのアーデンと共に行く為、剣神が自分の魂&剣神バハムートの外見的特徴を設計図に生み出したのが「ソムヌス」という人間。
で「その中の誰の夢なん?」って問題ですが、彼らは個としては別扱いだけど「剣神の魂を持つ存在」・・・つまり大元の魂の部分で繋がっているので、そもそも自分の中で「誰」と分ける感覚がありません。
なので誰の夢かと言うと「剣神バハムートでありソムヌスでもある剣神の夢」というニュアンスになります。書いている側としても、とてもややこしいです。
そしてこのイオスの世界が再生と終焉と繰り返している理由は、イオスの世界の設計図が剣神バハムート或いはソムヌスの夢である以上「自分の好きな夢を見る事は出来ない=自分が望む世界を創造できる訳では無い」・・・その結果、望まない世界を突き付けられた時「悪夢に魘され目覚めてしまい(=終焉)、幸せな世界を夢見て再び眠りに就く(=再生)」から。
なのでよくある「創造主が世界に絶望⇒世界を破壊⇒再生する」のように、意図的に破壊と再生を目論んでいる訳では無く。
あくまでも夢なので、悪夢を見て目覚めてしまうのも、ぐずりながら再び眠りに就くのも仕方がない事で。
その結果として世界が終焉と再生を繰り返す事になっても、創造主である彼らを責める事なんて出来無い。
じゃあ、彼らが悪夢に目覚める様な「望まない世界」とは何か?
これが「世界から真実が失われ、その結果どんどん真実から掛け離れてしまったイオスの世界」と言う事。
具体的には「お兄ちゃん(=炎神イフリート)が悪者にされてしまった&自分達の元に帰って来れない世界」とか「お姉ちゃん(=氷神シヴァ)が、色々な事を後悔&悲しんでいる世界」等々。
逆を返せば、彼らが望む夢を見せてやる事が出来れば、彼らは目覚める事なく幸せな夢を見続ける事が出来き、結果「ある日突然、世界が終焉を迎えるなんて事は無くなる」と言う事。
だから彼らが「望まない世界」が「世界から真実が失われ、その結果どんどん真実から掛け離れたイオスの世界」なら。
彼らが「望む世界」・・・「世界から失われた真実を取り戻し、真実は真実と認めた結果の本来あるべきイオスの世界」を夢見させてやれれば良い。
その為に「世界から失われた真実を取り戻し、真実は真実と認めた結果の本来あるべきイオスの世界」の夢を見せてやる為には、既に「失われた&捻じ曲げられた真実」を今一度、世界に思い出させる事で、正しい世界の「想い出・記憶」を、彼らに伝える必要があった。
だからアーデンは、全ての「真実を知る王」に選ばれし「運命の王子」を導き続けた。
この傾き続けるイオスの世界を救う「真の王」に必要なのは、悪神を打ち払う武力などではなく。
ルシス王家が「忠実なる臣下達」に言われるまま、都合が悪いからと改編・改竄し続けた結果、失われ捻じ曲げられてしまった「真実」を知る事だと知っていたから。
アーデンは「真実」を取り戻し、過去原初のイオスの世界の再生を望んだ訳では無かった。
時代が望むモノや、時代の流れで変わらざるを得ない事もあるし、変わった方が良い事もある・・・それを知っているから「変化」自体を拒む訳では無い。
でも、王家が捻じ曲げた「真実」と無理矢理帳尻を合わせ続けた結果の「変化」により、今のイオスの世界は転覆直前まで傾いてしまっている。
だから世界を救うには、選ばれし「運命の王子」に全ての「真実を知る王」になってもらうしか・・・世界の創造主に「真実」を伝える役目を担ってもらうしか無かった。
神の領域へと赴き「真実を知る王」となった自分を捧げる事で、
自分が知り得た「想い出・記憶」・・・永きに渡り失われていた「真実」を神に伝える。
ノクティスの場合。
例えそれで、現世での「人間」としての「器」を失う事になるとしても。
「真実」という「想い出・記憶」を記録した、幻光虫の光に還る事となっても。
どんなに辛くても、世界の為に成し遂げなければならない。
それが全てを託された「真の王」としての務めだった。
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【「古き良きSFC時代の王道RPG」を行く】
【FF15】ゲームの流れとしては【第一章】⇒【第二章】ですが。
【新約】の時間軸としては【第二章】⇒【第一章】なので、先にレイヴスの場合を書いて行きます。
・・・とは言っても「第二章のレイヴスが、どういう冒険・旅をしていたか?」ってのは、本当に想像するしか出来ない。だって、そんな事実は無いんだから。
だから本当に想像&書ける事は少ないんですが・・・強いて言えば、ずっと書いている様に「古き良きSFC時代の王道RPG」を地で行く感じ。
レイヴスが主人公の【第二章】は、ノクティスが主人公の【第一章】から見ると「過去のイオスの世界の過去(8年前~)」という関係・・・つまり「過去のイオスの世界」の「過去(8年前~)」なので、同一世界線では無いけど時間感覚として一応「前のイオスの世界」⇒「後のイオスの世界」と繋がっている。どっちかって言うと平行世界では無く、ゲームソフトでいうリメイクの様なパラレルワールドって感じ(同じゲームのリメイクなので内容はほぼ同じだけど、発売時期という明確な時間経過により「前作」「今作」のような前後・新旧という繋がりがある)。
要は、単純に「過去(8年前~)」では無く、世界そのものが「過去のイオスの世界」なので、同じ様な世界だけど、実は「世界一つ分の隔たりがある」って事になります(先の例を使って例えれば、第一章は【リメイク(PS版)】で、第二章は一作品前の【リメイク(SFC版)】・・・なので世界観はほぼ同じでも、ゲームソフトとして見ると別作品)。
なので第一章のイオスの世界では失われている「真実」が、第二章のイオスの世界にはまだ辛うじて残っていた。
それがどういったモノかと言うと、
◇街や村の人達に話を聞くと、近くの「王の墓」に眠っている王様が「どんな人となりの王様だったのか」「何を成し遂げた王様だったのか」・・・ちゃんと教えてくれて。
◇その「王の墓」に行ったら、石碑なりモニュメントなりがあって。ここに眠る王様が「ルシス王国何代目の王で、何と言う名前だったのか」「その王様が残した功績・歴史」などが、ちゃんと記録として残っている。
確かにレイヴスの「真実を追求&解明する旅に出るキッカケ」は「レギスと自分の出生に関わる真実を解明する為」なんだけど、
◇その「真実」が、ルシス王家の歴史(=改編・改竄により歪んだ真実)と密接に繋がっている。
◇レイヴスがその「真実」に辿り着けるよう、導き手であるアーデンが誘導してくれる。
ので。
「レギスが自分を実子と認められなかった本当の理由」に行き当たった後は、
「何故そんな事になってしまっているのか?」って話になり、
「真実を解明するには、ルシス王家の歴史を知る事が必要」で、
「調べてみたら真実と、言い伝えられる歴史が全く違う」事に気付いた。
という様に、レイヴスの「真実の解明」の目的は「世界を救う為」では無かった。
でも知らず知らずのうちに「ルシス王家が歪めてしまった真実」を追求&解明していく事が、結果「世界を救う為」になる・・・シナリオ進行としては、こういう流れで。
ゲーム進行としては、本来に「古き良きSFC時代の王道RPG」・・・つまり、
◇街や村の人達から、ルシス王国の歴史とか、歴代のルシス王の情報を聞き取ったり。
◇村人から得た遺跡の情報を基に、そこへ赴いて「真実の痕跡」を調べたり。
◇その遺跡に入るのにアイテムが必要・・・ってなったら、それを回収(お使いイベント)に行ったり。
◇その遺跡の前で通せんぼしてるヤツらを穏便(=何かしらの交換条件)or強引(=力にものを言わせる)で排除。
◇最終的には歴代王の魂(=霊体)や六神とも直接話しをして、彼らの言い分を聞けるようになる(ルシスの血族と神凪一族の二足の草鞋を履くレイヴス君なら可)。
今の時代だと「一本道シナリオ」って言われるようなシナリオを、寄り道する事無く真っ直ぐ真面目に進めて行く感じ。
メタい意味でも「古き良きSFC時代の王道RPG」なので、釣りとか料理とかキャンプとか写真とか・・・そんなトコに容量を割く余裕は無いだろうし。
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【主人公とプレイヤーの意思疎通】
今は【第二章】の話をしているので、別に【第一章】の話を挟む必要は無いのですが。
ここで書いておかないとタイミングを逃してしまいそうなので「第二章の対の世界である、第一章の場合」って切り口から、ここで書いておきます。
上記の通り「世界一つ分の隔たりがある」&「過去のイオスの世界(第二章)」には、まだ「真実」が辛うじて残っていたので。主人公・レイヴスはその「真実」を追求&解明する事で、イオスの世界を救う「真の王」に必要な「真実という力」を得る事が出来た。
でも「世界一つ分の隔たりがある」&「今のイオスの世界(第一章)」には、第二章では辛うじて残っていた「真実」すら失われてしまっていた。主人公・ノクティスは「真実」が失われてしまった世界で、イオスの世界を救う「真の王」に必要な「真実という力」を得なければならなかった。
だからノクティスには「歴代王の想い出・記憶が封印されているファントムソード」に触れ、そこに込められた「想い出・記憶」を読み取る・・・その「想い出・記憶」を借りる事で「真実」を得る方法しか残されていなかった。
例え「借り物王」と言われようが、それが今のノクティスに出来る精一杯だった。
これに関しては《新約 1》でのおさらいで、以下の様に書いていました。
⑨この世界の存在は全て「想い出・記憶」を宿した「幻光虫」で出来ているという事で、「ルシス王が神から授かったとされる力」とは、
⑩人間の身で「想い出・記憶」を設計図&「幻光虫」を素材に、物体を生み出す事が出来る(ファントムソードや魔法障壁の生成など)。
⑪反対に、物体に触れる事で設計図となっている「想い出・記憶」を読み取る事が出来る(コル:亡き王の魂に触れる事で 力が新王に与えられる=ファントムソードに触れ「想い出・記憶」を読み取る事で、「真の王」に必要な真実を得る事が出来るなど)。
なので、これに関してはそのままで。
第一章は【FF15】と同じ展開で進むので、第一章のノクティスと【FF15】のノクティスは同じ様に見えるかもしれませんが。
実は第一章のノクティスは、歴代王のファントムソードに触れる事で、その王様に対する「想い出・記憶」を借り受け、失われた「真実」の一部をちゃんと得ていた・・・んだけど。
実は自分達に都合が良いよう、ルシス王家が歴史を改編・改竄し続けていたなんて、内容が内容だけに誰にも相談する事が出来ず。
誰にも相談しなかった=全部自分一人で抱え込んでしまったので、それが表に出る事が無く。
表に出る事が無い=ゲームで言えば「実はルシス王家が・・・」ってノクティスが仲間に伝える態で説明してくれる事も無ければ、心の声(何で、そんな事をする必要があったんだ?)って自分が思っている事を文字で表現してくれる事も無かった。
つまり主人公・ノクティスは、同じ世界(=ゲーム)の仲間どころか、一心同体の筈のプレイヤーにすらその「真実」を伝えなかった。
だからプレイヤーは「真実」が分からず、置いてけぼりになってしまった・・・という考え方。
先程「ゲームで言えば」と前置きをしましたが。
実際のゲームの主人公って言うのは、ゲームの中での自分の分身とも言える存在で。そのゲームの世界に没頭する為にも、いかに主人公に共感出来るか・・・ってのは大きなウェイトを占める部分だろうから。
容量的に作り込む余裕が無かった昔のゲームとか、主人公がしゃべらないタイプのゲームなら別の話だけど。
それこそ【FF】シリーズみたいな主人公のキャラがしゃべる(=性格付けが定まってる)タイプのゲームで、こんなに主人公とプレイヤーの意思疎通が出来ていない。情報の同期&共有が出来ておらず、主人公がプレイヤーすら置いてけぼりにしちゃうゲームって、珍しいんじゃないかな・・・程度には思います。
何て言うかノクティスの、言葉を端折るトコ、適当に流すトコ、曖昧に暈すトコ・・・こういうのを「自然体で今時の子っぽいノクティスのキャラ」って思えばそうなんだろうけど。
本来ならそういう性格のキャラでも「プレイヤーに伝えなきゃならない事」は、伝えなきゃならないと思うんですね、ゲームって。
でないと共感しようにも、ちょっと言葉少なすぎて本心が掴めない・・・実際そういうシーンがぽつぽつあるなって、特におばちゃんは若者感覚について行けないので。
ルナフレーナとの事とか、レイヴスの最期なんかは「本当はもっと、何か言いたい事あるだろうに・・・言いたくても言えないの?」って思っちゃう。
でも今書いてるのは二次創作(文章)であって、二次創作(ゲーム)という媒体を想定して考えている訳では無いので。
ゲームシナリオとしては禁じ手かもしれない「主人公とプレイヤー(読み手)の情報の非同期」前提のまま話を進めます。
だから第一章のノクティスが考えている事って、分かり辛いと思います。
だってノクティスは「真実」を知っていて、それに対して色々と思うトコがあるのに、コチラに対して何も言ってくれないし教えてくれない。
辛い現実を突き付けて来る「真実」を、全部全部一人で抱え込んでいた・・・って事すらコチラに気付かせないまま&補足も無しに話が進む、って事だから。
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【孤独な王子様と、可哀想な王女様】
と言う事で。
第一章は【FF15】の展開のまま・・・つまり何か補足が入って分かり易くなる訳では無いので。ここで自分が思う「第二章の想い出・記憶を継承している第一章」のイメージを書いておきます。
でもこれは、あくまでも「第二章の想い出・記憶を継承していたなら、第一章のノクティスはこういう風に思ってたんじゃないかな?」って自分の妄想なので。
もしも「第二章の想い出・記憶を継承してても、そうはならないんじゃない?」って感じて下さる方がおられれば、それはそれで嬉しいです。
まず最初、大筋の軸を決めておくとすれば、
◇ノクティスはルシス王国の王位継承者(第一王子)だけど、王家の力が乏しかった。
◇その事を、ノクティス自身は無意識下に知っていた。
第一章のノクティスは【FF15】のノクティス同様、正真正銘ルシスの王子です。
でも、イオスの世界が第二章の「想い出・記憶」を継承している、と言う事は。
第一章のノクティスも、第二章のノクティスの「想い出・記憶」の影響を受けている・・・と言う事。
その結果、どうなるかと言うと。
第二章のノクティスは、ルシス王国の王位継承者だったけど。実は彼にはレギスが実子と認めなかった兄・レイヴスが居て。
ルシス王家の力は第一子であるレイヴスが継承して生まれたので、第二子に当たるノクティスにはその力がほとんど継承されなかった・・・彼はルシス王国の王位継承者でありながら、実はルシス王としての務めを果たせるだけの力を持っていなかった。
第一章のノクティスは、そんな第二章のノクティスの「想い出・記憶」の影響を受けている。
正確には「ノクティス自身が影響を受ける」と言うより、世界の創造主である剣神バハムート達に「ノクティスは、こういう子だったんだな」と思われ、彼らがそのような「想い出・記憶」の影響を受けた夢を見、その夢が新しいイオスの世界(第一章)として再生された結果。
第一章ではレイヴスが正式に「ルシス王国の王位継承者(第一王子)」から外された事により、ノクティスが正真正銘の「ルシス王国の王位継承者(第一王子)」になったんだけど。
それはレイヴス(第一王子)に代わり「運命の王子」となれるのは、ノクティス(第二王子)以外に相応しい人間は居ない・・・と言えば聞こえはイイけど、帳尻を合わせる為に自然とノクティスが繰り上げられたに過ぎず。
ノクティスが「運命の王子」となっても、ルシス王家の力が継承されるかは別問題で。
結局この世界でもノクティスは、ルシス王家の力が乏しいままだった。
だって剣神バハムート達の中に、ルシス王家の力を継承し、ちゃんとルシス王子しているノクティスの「想い出・記憶」が無い以上、そういう夢を見る事は難しいから。立場は変わっても、やっぱり「ノクティスは、ノクティスのまま」ってなっちゃう。
更に第二章での「実は自分はルシス王に相応しくない(=レイヴスの件は知らないままだったけど、力が乏しい事&臣下達にそう思われている事には気付いていた)」という「想い出・記憶」をノクティス自身が無意識下に持っているせいで。
第一章でも「王子らしくない」「王子としての自覚が薄い」「どこか王子という立場に向き合えない」ノクティスになってしまっている。
だとしたら・・・そりゃ、第一章のノクティスが「王子らしくない」王子でも納得な訳で。
だって第二章では、ルシス王家の力を継承する「運命の王子」はレイヴスで。
レイヴスとレギスの件を伏せている以上、表向きはノクティスがルシス王国の王位継承者ではあったけど、彼はルシス王家の力なんてほとんど持っていなかった。
ルシス王国の王位継承者とされながらも「本当はルシス王家の力を持たない王子」と、一部の臣下達には思われている事も薄々感じていた。
そしてレイヴスの件はノクティスにも伏せられたままだったので、ノクティス自身、何故自分は王家の力が乏しいのかも分からないまま「本当はルシス王家の力を持たない王子」という自分と向き合わなければならなかった。
それが辛くて「王子」という立場から逃げていた・・・王子らしくある事が辛くて、王子らしくない自分を装う事で、自分の心を誤魔化し守っていた。
そんな第二章のノクティスの「想い出・記憶」の影響を受けた第一章のノクティスに「王子としての自覚を持て」とか言ったトコで、そりゃ心機一転「了解、任せろ」とはならんでしょ?
しかもノクティスが望んだ訳でも無く「運命の王子は、ノクティスしか居ないよね!」って、世界に体良く押し付けられたみたいなモンだし。
光耀の指輪の件にしたってそうで。
ルナフレーナから託された指輪をなかなか嵌める事が出来なくて、グラディオラスに怒られたり。
ノクティスなら嵌められる筈&実際お父ちゃんが普段から嵌めてた馴染みある指輪を嵌めるのに「いや、そんなに?」って位、葛藤してたけど。
ノクティス自身「本当はルシス王家の力を持たない王子」という事を無意識下にでも知っていたら、嵌められない&怖くて当たり前じゃないかな?
だって「ルシス王家の力を持たない自分は、指輪に認められないかもしれない」って不安と恐怖をねじ伏せて嵌めなきゃならなかった・・・って事だから。
結論としては、過去従来「ルシス王家の力」を持つ人間が、指輪を嵌めるに相応しい人間だっただけで。
指輪を嵌める資格に「ルシス王家の力」の有無は直接関係無かった・・・って事なんですけど。
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因みに「第一章のノクティスも、ルシス王家の力が乏しい」という設定は、ノクティスの都合と言うよりも、ルナフレーナの都合に合わせた形になっています。
と言うのも、第二章のノクティスとルナフレーナは共にレイヴスという実兄が「ルシス王家の力&神凪の力」を継承して生まれた結果、それぞれが本来持つべき力を継承出来なかった・・・って事になっています。
そんな第二章の「想い出・記憶」を基にした第一章ですが。
ノクティスの王家の力が乏しいというのは、実際のトコ、表面だけを見て分かる物ではありません。まだノクティスはレギスの様に結界張ったり・・・って、全ての力を行使して無いから。何かが欠けていても、どの程度足りて居なくても分かりようが無い。
でもルナフレーナは神凪としての務めを果たしていて、その中で「本来の神凪の務め=神々と心を通わせる」事を実行し、その結果、自らの命を削る事になっている。
これは以前書いた様に、六神が横暴な神様でルナフレーナの心身負担となるから・・・ではなく「ルナフレーナは、神凪本来の務めを果たせる出来るだけの力を持っていない」から。
第二章の「想い出・記憶」の影響を受けた結果、第一章のルナフレーナも神凪の力に乏しかった。でもレイヴスが「運命の王子」から外され、加え「男性のレイヴスが神凪である筈が無い」と世界に思われてしまった為、力を持たない妹・ルナフレーナが「神凪」の位に据えられてしまい。
そんな世界の思い込みで、力を持っていないのに「神凪」にされてしまったルナフレーナは、ノクティスや世界の為に自らの命を削らなければならなかった・・・と言う事。
本当は一人の女性としてノクティスの傍に居たかった、自分の想いを伝えたかった。それが本来の「ルナフレーナ」という女性だった。
でも「ルナフレーナは神凪なのだから。自身の想いをグッと押し殺してでも、その務めを果たす事を選んだに違いない」と世界に思われてしまったせいで、そうである事を望まれたせいで。
最期、駆け寄り延ばした手さえ、ノクティスに届く事は無かった。
「ルナフレーナは、そんな事しないよね。」
そう、思われてしまったから。たったそれだけの事も、許されなかった。
美し過ぎて、どこか創り物めいたジールの花。
青い光、青い花びら・・・そこに、この世の物では無い「美しい物語」を願い求めたのは誰?
なので、この「レイヴス」という存在によって運命を変えられてしまった・・・同じ様な状況にあるノクティス&ルナフレーナのうち、
片や、ルナフレーナは「第一章でも、神凪の力を持っていなかった」のに。
片や、ノクティスは「第一章では、ルシス王家の力を持って生まれた」と言うのは、やっぱりバランスが悪いので。
話の展開的に、ルナフレーナに神凪の力を持たせる事が出来ない以上、ノクティスも「第一章でも、ルシス王家の力を持っていなかった」って事にさせてもらいました。
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以上・・・今回は第一章のノクティスの話が長くなってしまいましたが。
そんなややこしい事になってしまっている【第一章:ノクティスが主人公の物語】より、【第二章:レイヴスが主人公の物語】の方が、よっぽどシンプルというか・・・やっぱり分かり易いんじゃないかな、と。
大体において、同じネタをちょっとずつ手を加えながら擦り続けたら、気付いた時には「何か辻褄合わなくなってない?」とか「この元ネタ、何だっけ?」って感じになってたりするし。
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