落書き帳の10ページ目
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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《偽典 32》
- 2024/10/07 (Mon) |
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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【この世界、誰が一番悪かったのか?】
【世界を支えるのは「女神の一途な愛」?】
【複雑怪奇な女心と、女心が分からない男?】
【結論:アーデンが全部悪い・・・って事】
《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【この世界、誰が一番悪かったのか?】
【世界を支えるのは「女神の一途な愛」?】
【複雑怪奇な女心と、女心が分からない男?】
【結論:アーデンが全部悪い・・・って事】
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【この世界、誰が一番悪かったのか?】
ここまで「六神神話」を「高天原(天上・神様)編」と「葦原中国(地上・人間)編」に分け、やっと「炎神系統:アーデン&炎神イフリート」「剣神系統:ソムヌス&剣神バハムート」「氷神系統:エイラ&氷神シヴァ」の背景を固めて来た訳ですが。
以前にも偽典27 で書いた様に、この「偽典」を読んで頂いたトコで、
「通常ED」=ノクトがこの世界に残って、イリスに代わりルシス王となる。
「ifエンド」=ノクトが1000年未来の世界に戻り、イリスがルシス王女となる。
この「旧約」のシナリオは変わらず。
悪意無く歪んだ「想い出・記憶」を基に生まれた「継ぎ接ぎだらけの幸せな世界」を享受しつつ・・・遅かれ早かれ世界は突然終焉を迎える事になる。
所々、話しの都合で修正したりはしましたが、基本この事に変わりはありません。
読んで分かるようになるのは「何で世界がそんな仕組みになっているのか?」&「誰がどういう思いで、その役割を演じているのか?」・・・そう言った裏方の都合です。
では最後に問題です。
このイオスの世界は「皆が皆、相手の事を想うあまり。皆が皆、少しずつ間違ってしまった」&「その結果、世界が傾き続け。今やひっくり返ってしまう直前」の世界です。
だとしたら、このイオスの世界が「世界が傾き続け、今やひっくり返ってしまう直前」になっているのは、果たして誰の責任でしょうか?
「その方が国や王家にとって・・・ひいては国民にとっても良いに違いない」と・・・歴史を都合良く「改編・改竄」して来た忠実な臣下たちのせいなのか?
「それが国民のためになるなら」と・・・勧められるがままに歴史の「改編・改竄」を是とした、時のルシス王家の人間たちのせいなのか?
姉を兄姉という柵から解放する為「アーデンとエイラは兄妹ではない」と偽り、その結果、ルシスの初代王の座を奪う事になったソムヌスのせいなのか?
世界の理に背いてまで「愛するアーデンを失いたくない」という思いから、彼を永遠に溶ける事の無い氷に封印する事を選んだエイラのせいなのか?
神様の意に背き、人間達のネガティブに染まった幻光虫を直接取り込み続けた結果、ルシスの初代王・・・果たすべき役割を果たせなくなったアーデンのせいなのか?
それとももっと前・・・アーデンたちが「神様の魂を持つ人間」として生れ落ちる前。
世界の理に背いてまで「愛する兄弟を・・・炎神イフリートを失いたくない」という思いから、彼を永遠に溶ける事の無い氷に封印した氷神シヴァや、六神たちのせいなのか?
人間達の勝手な幻想に苦しむ弟を助けたいが為に神様の意に背き、人間達から「悪しき知恵・文化」を取り上げようとした炎神イフリートのせいなのか?
人間達の幻想によって「血に塗れた神様になんてなりたくない」と・・・人間同士が傷付けあう片刃の剣「恐ろしい戦の神様」への変質を拒んだ剣神バハムートのせいなのか?
このイオスの世界にとっての「諸悪の根源」・・・真に悪と凶弾されるべきは誰だったのか?
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【世界を廻すのは「女神の一途な愛」?】
書いてる本人から言えば、一番影響が強かったのはやっぱり「エイラ&氷神シヴァ」が「アーデン&炎神イフリート」をダイアモンドダストで封印してしまった事だと思います。
そもそもココがなければ、ソムヌスが世界の再生と終焉を繰り返すような状況には陥らない・・・「アーデンが自分達の元に還って来る世界」を夢見る必要が無くなるので。
確かに、今の「アーデン&炎神イフリート」は、消滅してしまうかもしれない。
でもいずれまた人々が彼らの存在を思い出してくれれば、その時代に相応しい「炎神の魂を持つ存在」として、再び生まれ直す事が出来るに違いない。
世界の理を信じて、今の「アーデン&炎神イフリート」を見送る事が出来ていたなら。
イオスの世界は一つの長い歴史を紡ぎながら、本来あるべきイオスの世界として在れただろうから。
でも・・・そうは言っても、やっぱり「エイラ&氷神シヴァ」を「諸悪の根源」と位置付けるには無理がある。
だって両者共「最愛の兄を、失いたくなかった」だけで。
この事が原因で、後の世界がこんな事になるなんて思ってもみなかった。
悪意なんて全く無く・・・ただただ消えて欲しくない、それだけだったんだから。
そんな乙女心を「元はと言えば、お前らのせいやん!」って咎めるのは、物語としてやっぱり色々と無理がある&心苦しいし。
仮に彼女達を「諸悪の根源」としたトコで。二人を倒したトコでどうにかなる問題でも無いので、ゲームとして見た場合にもラスボスに据えるのは無理がある。
じゃあ「エイラ&氷神シヴァ」を庇ってやるには、どうしたら良いかって言うと。
「君に罪などない」
と言ってくれる、心優しいアーデンにお願いするしかない。
ので、何故「エイラ&氷神シヴァ」が、兄である「アーデン&炎神イフリート」に対して、兄妹を越えた感情を拗らせていたのか?
その理由&原因を「アーデン&炎神イフリート」に引き受けてもらう事で、
「彼女ら(女性側)がそういう事をしてしまったのは、
彼ら(男性側)に原因があったからなので。
彼女たちを責めるのは可哀想&悪くない。」
という抜け道を用意して、そこから「アーデン=諸悪の根源」という構図に再構築し直します。
尤も、これに関しては普通に考えて・・・特に男性視点から見たら「女が拗らせてる原因まで押し付けられるなんて、男が可哀想」って感じだと思いますが。
そこを含めて・・・と言うか、そこがあるからこその「一つの物語」という事で。
種明かしまでモヤモヤ&イライラするかと思いますが、最後までお付き合いくださいませ。
<「氷神シヴァ⇒炎神イフリート」の場合>
最初に押さえておかなきゃならないのが「氷神シヴァ⇒炎神イフリート」の場合は、あくまでも「炎神イフリートの特別な存在になりたい」であって。
所謂、男女の仲「女性として愛して欲しい」「男性として愛していた」云々って話ではありません。
じゃあ、何で氷神シヴァは「炎神イフリートの特別な存在になりたい」って思っていたのか?
いや「特別な存在になりたいって想いに、理由なんて要るの?」って感じですが、実は理由があったんじゃないかと思っていて。
それが「年の離れた末弟・剣神バハムート」の存在。
今回の二次創作では「六神=仲の良い兄弟姉妹の神様」という前提の上。
「神様(幻獣)」すら人間達の記憶・想い出から生まれる存在なら、彼らの生まれ順は人間達にとって身近な事象の順だろうから「水神・巨神(大地)・雷神・炎神・氷神・剣神」で。
人間の言う「古い神様(水神・巨神・雷神)」と「新しい神様(炎神・氷神)」とは、親世代・子世代ほど離れたイメージの関係性。
そして最後・・・自然由来の五神に加え、わざわざ人工物由来(剣)の神様が混じっている=人工物である剣から生まれた「剣神バハムート」は、六神の中でも「年の離れた末弟」という設定になっていました。
つまり、この「年の離れた末弟・剣神バハムート」が誕生するまでは、炎神イフリートと氷神シヴァは互いにとって「特別な存在」だった訳です。
だって、上の「三神」とは、親世代・子世代ほど離れたイメージの関係性だったし。
当時の人間達には「対の神様=双子神」と、思われていた位だったので・・・「仲の良い兄弟姉妹の神様」の中でも、お互い「特別な存在」として想い合っていた(これは兄妹愛)。
炎神イフリートが自分の事を特別大事にしてくれていたから、氷神シヴァもその関係性に満足していた。
満足していた・・・「彼にとって、自分は特別なんだ」と、思えたからこそ。
彼女は「特別な存在になりたい」なんて、思う必要が無かった。
でも、この「年の離れた末弟・剣神バハムート」が誕生した事によって、氷神シヴァと炎神イフリートの関係性が崩れてしまった。
今までは、炎神イフリートにとって目下の妹弟は氷神シヴァしか居なかったけど。
妹とは言っても「対の神様=双子神」だったので、どちらかというと「特別な存在」であっても「対等な関係」だった。
それに比べて原初の剣神バハムートは「お稚児さんの様な、神様に仕える幼い子供」という姿形・神性を持った「神様」だったので。
炎神イフリートは、この年の離れた幼い弟を大層可愛がった。
彼としては「真ん中のお兄ちゃん」として、末っ子の面倒を見ているに過ぎなかったのだけれど。
手を繋いで散歩したり、肩車をしてもらったり、屈託もなく抱き着いたり、無邪気に「兄上、大好き!」なんて言える剣神バハムートを見ていたら(偽典 29)。
氷神シヴァは「今まで独り占めしていた、大好きな兄」を、取られてしまった。
彼にとって、自分は「特別な存在」ではなくなってしまった・・・と、そんな風に思う様になってしまった。
こんな嫉妬心、自分らしくない。
そう思いながらも、願わずにはいられなかった・・・以前の様に「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と。
勿論、氷神シヴァも剣神バハムートの事は、弟として愛していた。
彼女にとっても、大事で可愛い弟だった。
でも、彼女らは「神様に対する、人間達の記憶・想い出から生み出された」・・・故に、人間臭い「神様」達だったので。
彼は悪くないと分かっていても、「今まで独り占めしていた、大好きな兄」の愛情が自分以外に向くのに寂しいと悔しいと・・・そう思ってしまうのも、彼女らの在り方としては仕方のない事だった。
つまり「年の離れた末弟・剣神バハムート」というライバルが現れた事によって。
彼女は、炎神イフリートの「特別な存在」ではなくなってしまった、と思った。
だからこそ、以前の様に「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と願うようになった・・・これが、氷神シヴァが「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と願うようになった理由で。
それが「氷神シヴァが炎神イフリートへの愛情を拗らせてしまった原因」だとしたら。
そうなってしまったのは、
「炎神イフリートが、弟ばかりを可愛がって。
氷神シヴァの想いに気付いてやらなかったせい。」
だから、
「悪いのは炎神イフリートの方で、氷神シヴァのせいではない。」
<「エイラ⇒アーデン」の場合>
次に「エイラ⇒アーデン」の場合。
エイラのアーデンに対する「兄・アーデンの特別な存在になりたい」⇒「一人の女性として愛して欲しい」って想いが何処から来ているかと言うと。
先に書いた様に「六神神話 (高天原編)」の時代・・・既に氷神シヴァは「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と思っていた。
で、氷神シヴァとエイラは共に「氷神の魂を持つ存在」で、炎神イフリートとアーデンは共に「炎神の魂を持つ存在」。
しかも神様が「人間達が抱く、自身に対するイメージから生み出した幻獣」をベースに「自身の魂を持つ人間」を生み出しているので。
エイラは氷神シヴァの「記憶・想い出」を継承しているし、アーデンは炎神イフリートの「記憶・想い出」を継承している(外見的特徴が似ているのもその影響)。
なので氷神シヴァの「炎神イフリートの特別な存在になりたい」という想いを、神様によって生み出された時点で既にエイラは持っていた・・・こういう流れ。
つまりエイラは「氷神の魂を持つ人間」として地上に生を受けた時点で、既に拗らせていた・・・という事になります。
まぁ・・・人間達に兄妹弟と決め付けられたくないからと言う理由で、地上に降り立って直ぐソムヌスに対して「姉上」と呼ばないで欲しいって言ってる位だし(偽典 22)。
但し以前どこだったかにも書いたけど、エイラは「恋人同士」に拘ったのではなく、「特別な存在って何だろう?」って考え突き詰めた結果が「恋人同士」だっただけです。
何て言うか「兄弟姉妹としての特別な関係」が「年の離れた末弟・剣神バハムート」のせいで崩れてしまったから、「兄弟姉妹としての特別な関係」よりも唯一無二の存在として「恋人同士」を求めた・・・みたいな感じ。
でも、エイラがアーデンに対して「一人の女性として愛して欲しい」という想いを抱いていても。
「炎神の魂を持つ人間」=「炎神イフリート(兄)&氷神シヴァ(妹)」だった頃の記憶を継承しているアーデンにしたら、エイラは当たり前に「大事な妹」だったので。
従者たちの「アーデン様とエイラ様は、恋人同士・・・ではないのですか?」という問いに対して心底驚き「大切な存在には違いないけれど、そういった関係では無いよ」と答え。
後日、その時の話を聞いたエイラが「本当にそうだったら、どんなに幸せか・・・」と、そう内心思いつつも、
「本当に?そんなことあるの?」
本当は、そんな人間達の勘違いが嬉しかったのに・・・その想いを誤魔化す様に問い掛けたエイラに対して、
「本当さ 誰にでも間違いはあるんだね」
アーデンは何の悪意も疑いも躊躇いも無く、当たり前にそう返してしまった・・・アーデンにしたらそれ位、エイラは妹であって恋人同士なんてあり得なかったから(偽典 22)。
勿論、彼が妹として自分を愛してくれている事は分かっていた。
でもその愛情は、彼を想い従う人間達や、弟・ソムヌスに対するモノ以上では無い。
どれだけ「兄・アーデンの特別な存在になりたい」と・・・「一人の女性として愛して欲しい」と願っても、その想いが彼に届く事は無い。
それどころか彼は、自分の事を「一人の女性」としてすら見てくれない・・・アーデンがそんな調子だから、エイラは「一人の女性として愛して欲しい」という想いを一人募らせていった。
これが「エイラがアーデンへの愛情を拗らせてしまった原因」だとしたら。
そうなってしまったのは、
「アーデンが、エイラの事を妹としてしか見てやらず。
エイラの秘めた想いに気付いてやらなかったせい。」
だから、
「悪いのはアーデンの方で、エイラのせいではない。」
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【複雑怪奇な女心と、女心が分からない男?】
「そんなんイフリートのせいでも、
アーデンのせいでも無いやん!」
「さすがに言い掛かり過ぎて、イフリート&アーデンが可哀想。」
・・・って感じだと思います、特に男性視点から見れば(このブログ見て下さってるのが、女性なのか男性なのかロボが巡回してるだけなのか分かりませんが)。
しかも「アーデン&エイラ」に絞って言えば。
エイラはそれが・・・「兄であるアーデンに、一人の女性として愛して欲しい」と願う事は「罪」だと思っていた。
でもこれに関しては、この二人はそれぞれの神様が「神様の魂」を設計図&幻光虫を素材に生み出した「神様の魂を持つ人間」なので。別に人間達の様に「同じ親」から生まれた訳では無いので「血の繋がり」は無い(実際、全然似てないし)。
言ってみれば「肉体(魂の器)」は、全く赤の他人なのに。
持って生まれた「記憶(魂)」が「炎神イフリート(兄)&氷神シヴァ(妹)」の記憶を継承しているから、勝手に「アーデン&エイラ」も「兄妹」と定義しているだけ。
つまりエイラの想いは、本人がそう思い込んでしまったから「罪」なだけで、本当は「罪」でも何でもない訳です。
まぁ、距離感はもっと近いと思うけど。
前世で兄妹だった二人が、今世では前世の記憶を持ったまま別の両親から生まれた。
じゃあ、今世で「前世では兄だった男」に対して「前世では妹だった女」が「一人の女性として愛して欲しい」と願うのが、果たして「罪」になるのかって話で・・・いや、そうはならんやろと。
だからエイラは、アーデンに「恋人同士」という関係を求めるなら、ちゃんとそれを伝えれば良かった訳です・・・本人たちが「兄妹」と思い込んでいるだけなんだから。
でも彼女はそれをしなかった。
アーデンにとってエイラは、当たり前に「大切な妹」・・・「恋人同士」どころか「一人の女性」としてすら見てくれないアーデンに、
「私の事は妹では無く、一人の女性として見て欲しい。」
さすがにど最初から「一人の女性として愛して欲しい」ってのは無理だとしても、その事は告げておくべきだった。
そうしたら・・・アーデンがエイラの事を「一人の女性として愛してくれるか」ってのは、別問題だとしても。
少なくともエイラが「アーデンが妹としてしか見てくれない事」を、思い悩む事は無かった筈だから(言っても勝手に引き摺りそうではあるけど)。
じゃあ、何でエイラがそこまで踏み込めなかったのかを考えると・・・多分「兄妹としての、特別な関係」が手放せなかったのかな、と。
さっきも書いた様に、エイラは唯一無二の存在として「恋人同士」という形を求めただけなので・・・本当は「恋人同士」に拘りは無かったと言うか。
彼女にしたら「炎神イフリート&氷神シヴァ」の頃の、剣神バハムートが誕生する前の「兄妹としての、特別な関係」がベストな訳です。
その頃の事を・・・魂が抱え込んだ長い長い年月の「想い出・記憶」を、彼女は懐かしく思い、焦がれている。
それに対して「恋人同士」という関係は「アーデンにとっての唯一無二の存在って何だろう?」って考えた結果のソレであって。
人間達の生活・営みから「恋人同士」という関係に、漠然とした憧れを抱いているに過ぎないというか・・・エイラにとっては全くの未知数な世界だし。
そもそも「一人の女性として見て欲しい」と宣言しても、アーデンが「一人の女性として愛してくれるか」は分からない・・・そう考えると。
何百年~何千年と育んで来た、嘗ての「兄妹としての、特別な関係」を諦め。
更には今ある「兄妹としての、特別な関係」を捨ててまで、今まで経験した事の無い「恋人同士」という関係に振り切る事が出来なかった。
だからエイラは「一人の女性として愛して欲しい」と言う想いが「罪」だと思いつつ。
自分からでは無く、アーデンに「一人の女性として愛して欲しい」と求めた。
彼の方から「一人の女性として愛している」と・・・そう言ってくれるのを待っていた。
自分で書いてるんだから、当たり前と言えば当たり前なんだけど・・・分からん事は無い。
分からん事は無いけど、拗らせてると言うか、ややこしいと言うか、面倒臭いと言うか、「いや、言ってくれよ!」って言うか・・・典型的な「察して欲しい女」って感じ?
対するアーデンは典型的な「言われなきゃ分からない男」なので・・・当然そんな事、気付いてやれる筈が無い。
これに関しては「エイラの事は当たり前に、大切な妹と思い込んでいた」ってのに加え。
今回の二次創作のアーデンは最初期から「人の気持ちを読むのが苦手」って要素が付いてて。
しかもその原因は「(無意識下の)視点が神様だから」なので。
視点が神様だから人の気持ちを読むのが苦手なアーデンに「一人の女性として愛して欲しいの!」って気持ちを察してくれ・・・って言うのはかなり無理がある。
そもそも視点が神様のアーデンは「誰かひとりを愛する」って事は無いんだろうけど。
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【結論:アーデンが全部悪い・・・って事】
ここまでを大雑把にまとめると。
アーデンが女心に疎いせいでエイラの想いに気付いてやれず。
そのせいで、エイラのアーデンへの想いが拗れに拗れ。
二人の事を想い慕う、ソムヌスを巻き込み。
その結果。
このイオスの世界は、ある事ない事が言い伝えられ。
しかもそれらを、その時代の都合の良いように「改編・改竄」し続けたせいで。
一見ちゃんと筋が通っているようで、実は全く整合性が取れていない・・・こちゃこちゃのぐちゃぐちゃな世界になってしまった。
これが偽典を通して伝えたかった、今回の二次創作の全ての発端で。
という事は、このイオスの世界が傾き続け、終了のお知らせ目前なのも。
元はと言えば、アーデンがエイラの女心を気付いてやれなかったせい・・・って事。
ここまで書いたトコで「いやいや、アーデンじゃなくて、エイラのせいやろ?」って感じですが・・・七瀬自身の落し所としては、ココが最適だと思っています。
どう言う事かと言うと。
確かにアーデンは、女心は分からなかったかもしれない。
でも彼は全ての真相を知った時(=これは【エピソード・アーデン】完遂後なので、今回の二次創作では辿り着いてはいない)。
「そんなの、オレのせいじゃないでしょ?」
この展開だったら、普通はそう言うと思いますが。
でも彼はそう言わなかった・・・エイラの事も、ソムヌスの事も、その後の勝手な人間達の行いも。
実際は、後世の人間達が好き勝手に解釈し、都合良く「改編・改竄」してしまった・・・全くアーデンのせいでなかった事柄さえ。
「自分のせいでこんな事になってしまったんだから。
ちゃんと世界に、真実を伝えなきゃならない。」
全部全部、世界の闇を引き受けた・・・全て自分から始まった事なのだから、と。
だからアーデンは、男として女心に疎かったかもしれないし。
自分を愛してくれた女性一人幸せにしてやれなかった・・・って意味では、甲斐性が無かったかもしれないけど。
一方的に向けられる、女の我儘・甘え・理想・欲望・・・そんな自分勝手すら全部受け止めて。
本当は自分のせいでない事すら「自分のせいだから」と抱え込み。
世界から課せられた「本意でない役割」に身を窶しながらも、最初から最後まで面倒を見てやり、その世界に付き合い続けてくれた・・・それ程までに度量が大きく、どこまでも懐の深い男だった。
・・・位のトコに持って来れれば、単純に「アーデンがエイラの女心を気付いてやれなかったせい」って原因を押し付けるのではなく。
それを含めて「自分の不始末は、自分で責任を持って片を付けた」って事に出来るし。
加えて「本意でない役割」って事は「本当の自分じゃなかった」=「世界がそうである事を望んだのであって、アーデン自身が望んだ事では無い」・・・本人としては不本意だった事もあるだろうけど。
それすら握り潰し踏み締め噛み砕き・・・自分が恨まれる事も厭わず「本意でない役割」に徹したその生き様があるからこそ、アーデンは男前で格好イイ。
ここまでをワンセットにして乗っける事で、アーデンの名誉も男としての評価も挽回出来れば・・・って個人的願望で。
ぶっちゃけ、無理難題を押し付ける程「それを引き受けてくれる&解決できるアーデンは男前」・・・そう言う発想。
■□■□■□■□■□■□■□■□
でも、世界の闇を引き受け続けた結果。
当然アーデンは、イオスの世界の人間達には「闇の存在」と見做され。
彼らの自分勝手な「想い出・記憶」によって、「ルシスの禁忌」や「闇の王」と言った恐ろしくネガティブな存在にされてしまった。
それでもアーデンは、イオスの世界に「真実」を取り戻させる為ならと。
自分は世界が望む姿・・・狂気に取り付かれた「悪役」「ラスボス役」を演じてでも、「世界に仇成す存在」と烙印を押されてでも。
どんなに闇に塗れても、涙が黒く滲んでも・・・誰もそれに気付いてくれなくても。
真意をひた隠しつつ、「真の王」たる資格を持つノクティスを「全ての真実を知る王」へと導き続けた。
全てはイオスの世界に、闇に葬られてしまった「真実」を思い出させる為。
だってアーデンは「献身者」であり「聖者」だったから。
どれだけ「在り方」を歪められても、彼は常に世界の「導き手」で在り続けた。
【この世界、誰が一番悪かったのか?】
ここまで「六神神話」を「高天原(天上・神様)編」と「葦原中国(地上・人間)編」に分け、やっと「炎神系統:アーデン&炎神イフリート」「剣神系統:ソムヌス&剣神バハムート」「氷神系統:エイラ&氷神シヴァ」の背景を固めて来た訳ですが。
以前にも偽典27 で書いた様に、この「偽典」を読んで頂いたトコで、
「通常ED」=ノクトがこの世界に残って、イリスに代わりルシス王となる。
「ifエンド」=ノクトが1000年未来の世界に戻り、イリスがルシス王女となる。
この「旧約」のシナリオは変わらず。
悪意無く歪んだ「想い出・記憶」を基に生まれた「継ぎ接ぎだらけの幸せな世界」を享受しつつ・・・遅かれ早かれ世界は突然終焉を迎える事になる。
所々、話しの都合で修正したりはしましたが、基本この事に変わりはありません。
読んで分かるようになるのは「何で世界がそんな仕組みになっているのか?」&「誰がどういう思いで、その役割を演じているのか?」・・・そう言った裏方の都合です。
では最後に問題です。
このイオスの世界は「皆が皆、相手の事を想うあまり。皆が皆、少しずつ間違ってしまった」&「その結果、世界が傾き続け。今やひっくり返ってしまう直前」の世界です。
だとしたら、このイオスの世界が「世界が傾き続け、今やひっくり返ってしまう直前」になっているのは、果たして誰の責任でしょうか?
「その方が国や王家にとって・・・ひいては国民にとっても良いに違いない」と・・・歴史を都合良く「改編・改竄」して来た忠実な臣下たちのせいなのか?
「それが国民のためになるなら」と・・・勧められるがままに歴史の「改編・改竄」を是とした、時のルシス王家の人間たちのせいなのか?
姉を兄姉という柵から解放する為「アーデンとエイラは兄妹ではない」と偽り、その結果、ルシスの初代王の座を奪う事になったソムヌスのせいなのか?
世界の理に背いてまで「愛するアーデンを失いたくない」という思いから、彼を永遠に溶ける事の無い氷に封印する事を選んだエイラのせいなのか?
神様の意に背き、人間達のネガティブに染まった幻光虫を直接取り込み続けた結果、ルシスの初代王・・・果たすべき役割を果たせなくなったアーデンのせいなのか?
それとももっと前・・・アーデンたちが「神様の魂を持つ人間」として生れ落ちる前。
世界の理に背いてまで「愛する兄弟を・・・炎神イフリートを失いたくない」という思いから、彼を永遠に溶ける事の無い氷に封印した氷神シヴァや、六神たちのせいなのか?
人間達の勝手な幻想に苦しむ弟を助けたいが為に神様の意に背き、人間達から「悪しき知恵・文化」を取り上げようとした炎神イフリートのせいなのか?
人間達の幻想によって「血に塗れた神様になんてなりたくない」と・・・人間同士が傷付けあう片刃の剣「恐ろしい戦の神様」への変質を拒んだ剣神バハムートのせいなのか?
このイオスの世界にとっての「諸悪の根源」・・・真に悪と凶弾されるべきは誰だったのか?
■□■□■□■□■□■□■□■□
【世界を廻すのは「女神の一途な愛」?】
書いてる本人から言えば、一番影響が強かったのはやっぱり「エイラ&氷神シヴァ」が「アーデン&炎神イフリート」をダイアモンドダストで封印してしまった事だと思います。
そもそもココがなければ、ソムヌスが世界の再生と終焉を繰り返すような状況には陥らない・・・「アーデンが自分達の元に還って来る世界」を夢見る必要が無くなるので。
確かに、今の「アーデン&炎神イフリート」は、消滅してしまうかもしれない。
でもいずれまた人々が彼らの存在を思い出してくれれば、その時代に相応しい「炎神の魂を持つ存在」として、再び生まれ直す事が出来るに違いない。
世界の理を信じて、今の「アーデン&炎神イフリート」を見送る事が出来ていたなら。
イオスの世界は一つの長い歴史を紡ぎながら、本来あるべきイオスの世界として在れただろうから。
でも・・・そうは言っても、やっぱり「エイラ&氷神シヴァ」を「諸悪の根源」と位置付けるには無理がある。
だって両者共「最愛の兄を、失いたくなかった」だけで。
この事が原因で、後の世界がこんな事になるなんて思ってもみなかった。
悪意なんて全く無く・・・ただただ消えて欲しくない、それだけだったんだから。
そんな乙女心を「元はと言えば、お前らのせいやん!」って咎めるのは、物語としてやっぱり色々と無理がある&心苦しいし。
仮に彼女達を「諸悪の根源」としたトコで。二人を倒したトコでどうにかなる問題でも無いので、ゲームとして見た場合にもラスボスに据えるのは無理がある。
じゃあ「エイラ&氷神シヴァ」を庇ってやるには、どうしたら良いかって言うと。
「君に罪などない」
と言ってくれる、心優しいアーデンにお願いするしかない。
ので、何故「エイラ&氷神シヴァ」が、兄である「アーデン&炎神イフリート」に対して、兄妹を越えた感情を拗らせていたのか?
その理由&原因を「アーデン&炎神イフリート」に引き受けてもらう事で、
「彼女ら(女性側)がそういう事をしてしまったのは、
彼ら(男性側)に原因があったからなので。
彼女たちを責めるのは可哀想&悪くない。」
という抜け道を用意して、そこから「アーデン=諸悪の根源」という構図に再構築し直します。
尤も、これに関しては普通に考えて・・・特に男性視点から見たら「女が拗らせてる原因まで押し付けられるなんて、男が可哀想」って感じだと思いますが。
そこを含めて・・・と言うか、そこがあるからこその「一つの物語」という事で。
種明かしまでモヤモヤ&イライラするかと思いますが、最後までお付き合いくださいませ。
<「氷神シヴァ⇒炎神イフリート」の場合>
最初に押さえておかなきゃならないのが「氷神シヴァ⇒炎神イフリート」の場合は、あくまでも「炎神イフリートの特別な存在になりたい」であって。
所謂、男女の仲「女性として愛して欲しい」「男性として愛していた」云々って話ではありません。
じゃあ、何で氷神シヴァは「炎神イフリートの特別な存在になりたい」って思っていたのか?
いや「特別な存在になりたいって想いに、理由なんて要るの?」って感じですが、実は理由があったんじゃないかと思っていて。
それが「年の離れた末弟・剣神バハムート」の存在。
今回の二次創作では「六神=仲の良い兄弟姉妹の神様」という前提の上。
「神様(幻獣)」すら人間達の記憶・想い出から生まれる存在なら、彼らの生まれ順は人間達にとって身近な事象の順だろうから「水神・巨神(大地)・雷神・炎神・氷神・剣神」で。
人間の言う「古い神様(水神・巨神・雷神)」と「新しい神様(炎神・氷神)」とは、親世代・子世代ほど離れたイメージの関係性。
そして最後・・・自然由来の五神に加え、わざわざ人工物由来(剣)の神様が混じっている=人工物である剣から生まれた「剣神バハムート」は、六神の中でも「年の離れた末弟」という設定になっていました。
つまり、この「年の離れた末弟・剣神バハムート」が誕生するまでは、炎神イフリートと氷神シヴァは互いにとって「特別な存在」だった訳です。
だって、上の「三神」とは、親世代・子世代ほど離れたイメージの関係性だったし。
当時の人間達には「対の神様=双子神」と、思われていた位だったので・・・「仲の良い兄弟姉妹の神様」の中でも、お互い「特別な存在」として想い合っていた(これは兄妹愛)。
炎神イフリートが自分の事を特別大事にしてくれていたから、氷神シヴァもその関係性に満足していた。
満足していた・・・「彼にとって、自分は特別なんだ」と、思えたからこそ。
彼女は「特別な存在になりたい」なんて、思う必要が無かった。
でも、この「年の離れた末弟・剣神バハムート」が誕生した事によって、氷神シヴァと炎神イフリートの関係性が崩れてしまった。
今までは、炎神イフリートにとって目下の妹弟は氷神シヴァしか居なかったけど。
妹とは言っても「対の神様=双子神」だったので、どちらかというと「特別な存在」であっても「対等な関係」だった。
それに比べて原初の剣神バハムートは「お稚児さんの様な、神様に仕える幼い子供」という姿形・神性を持った「神様」だったので。
炎神イフリートは、この年の離れた幼い弟を大層可愛がった。
彼としては「真ん中のお兄ちゃん」として、末っ子の面倒を見ているに過ぎなかったのだけれど。
手を繋いで散歩したり、肩車をしてもらったり、屈託もなく抱き着いたり、無邪気に「兄上、大好き!」なんて言える剣神バハムートを見ていたら(偽典 29)。
氷神シヴァは「今まで独り占めしていた、大好きな兄」を、取られてしまった。
彼にとって、自分は「特別な存在」ではなくなってしまった・・・と、そんな風に思う様になってしまった。
こんな嫉妬心、自分らしくない。
そう思いながらも、願わずにはいられなかった・・・以前の様に「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と。
勿論、氷神シヴァも剣神バハムートの事は、弟として愛していた。
彼女にとっても、大事で可愛い弟だった。
でも、彼女らは「神様に対する、人間達の記憶・想い出から生み出された」・・・故に、人間臭い「神様」達だったので。
彼は悪くないと分かっていても、「今まで独り占めしていた、大好きな兄」の愛情が自分以外に向くのに寂しいと悔しいと・・・そう思ってしまうのも、彼女らの在り方としては仕方のない事だった。
つまり「年の離れた末弟・剣神バハムート」というライバルが現れた事によって。
彼女は、炎神イフリートの「特別な存在」ではなくなってしまった、と思った。
だからこそ、以前の様に「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と願うようになった・・・これが、氷神シヴァが「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と願うようになった理由で。
それが「氷神シヴァが炎神イフリートへの愛情を拗らせてしまった原因」だとしたら。
そうなってしまったのは、
「炎神イフリートが、弟ばかりを可愛がって。
氷神シヴァの想いに気付いてやらなかったせい。」
だから、
「悪いのは炎神イフリートの方で、氷神シヴァのせいではない。」
<「エイラ⇒アーデン」の場合>
次に「エイラ⇒アーデン」の場合。
エイラのアーデンに対する「兄・アーデンの特別な存在になりたい」⇒「一人の女性として愛して欲しい」って想いが何処から来ているかと言うと。
先に書いた様に「六神神話 (高天原編)」の時代・・・既に氷神シヴァは「炎神イフリートの特別な存在になりたい」と思っていた。
で、氷神シヴァとエイラは共に「氷神の魂を持つ存在」で、炎神イフリートとアーデンは共に「炎神の魂を持つ存在」。
しかも神様が「人間達が抱く、自身に対するイメージから生み出した幻獣」をベースに「自身の魂を持つ人間」を生み出しているので。
エイラは氷神シヴァの「記憶・想い出」を継承しているし、アーデンは炎神イフリートの「記憶・想い出」を継承している(外見的特徴が似ているのもその影響)。
なので氷神シヴァの「炎神イフリートの特別な存在になりたい」という想いを、神様によって生み出された時点で既にエイラは持っていた・・・こういう流れ。
つまりエイラは「氷神の魂を持つ人間」として地上に生を受けた時点で、既に拗らせていた・・・という事になります。
まぁ・・・人間達に兄妹弟と決め付けられたくないからと言う理由で、地上に降り立って直ぐソムヌスに対して「姉上」と呼ばないで欲しいって言ってる位だし(偽典 22)。
但し以前どこだったかにも書いたけど、エイラは「恋人同士」に拘ったのではなく、「特別な存在って何だろう?」って考え突き詰めた結果が「恋人同士」だっただけです。
何て言うか「兄弟姉妹としての特別な関係」が「年の離れた末弟・剣神バハムート」のせいで崩れてしまったから、「兄弟姉妹としての特別な関係」よりも唯一無二の存在として「恋人同士」を求めた・・・みたいな感じ。
でも、エイラがアーデンに対して「一人の女性として愛して欲しい」という想いを抱いていても。
「炎神の魂を持つ人間」=「炎神イフリート(兄)&氷神シヴァ(妹)」だった頃の記憶を継承しているアーデンにしたら、エイラは当たり前に「大事な妹」だったので。
従者たちの「アーデン様とエイラ様は、恋人同士・・・ではないのですか?」という問いに対して心底驚き「大切な存在には違いないけれど、そういった関係では無いよ」と答え。
後日、その時の話を聞いたエイラが「本当にそうだったら、どんなに幸せか・・・」と、そう内心思いつつも、
「本当に?そんなことあるの?」
本当は、そんな人間達の勘違いが嬉しかったのに・・・その想いを誤魔化す様に問い掛けたエイラに対して、
「本当さ 誰にでも間違いはあるんだね」
アーデンは何の悪意も疑いも躊躇いも無く、当たり前にそう返してしまった・・・アーデンにしたらそれ位、エイラは妹であって恋人同士なんてあり得なかったから(偽典 22)。
勿論、彼が妹として自分を愛してくれている事は分かっていた。
でもその愛情は、彼を想い従う人間達や、弟・ソムヌスに対するモノ以上では無い。
どれだけ「兄・アーデンの特別な存在になりたい」と・・・「一人の女性として愛して欲しい」と願っても、その想いが彼に届く事は無い。
それどころか彼は、自分の事を「一人の女性」としてすら見てくれない・・・アーデンがそんな調子だから、エイラは「一人の女性として愛して欲しい」という想いを一人募らせていった。
これが「エイラがアーデンへの愛情を拗らせてしまった原因」だとしたら。
そうなってしまったのは、
「アーデンが、エイラの事を妹としてしか見てやらず。
エイラの秘めた想いに気付いてやらなかったせい。」
だから、
「悪いのはアーデンの方で、エイラのせいではない。」
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【複雑怪奇な女心と、女心が分からない男?】
「そんなんイフリートのせいでも、
アーデンのせいでも無いやん!」
「さすがに言い掛かり過ぎて、イフリート&アーデンが可哀想。」
・・・って感じだと思います、特に男性視点から見れば(このブログ見て下さってるのが、女性なのか男性なのかロボが巡回してるだけなのか分かりませんが)。
しかも「アーデン&エイラ」に絞って言えば。
エイラはそれが・・・「兄であるアーデンに、一人の女性として愛して欲しい」と願う事は「罪」だと思っていた。
でもこれに関しては、この二人はそれぞれの神様が「神様の魂」を設計図&幻光虫を素材に生み出した「神様の魂を持つ人間」なので。別に人間達の様に「同じ親」から生まれた訳では無いので「血の繋がり」は無い(実際、全然似てないし)。
言ってみれば「肉体(魂の器)」は、全く赤の他人なのに。
持って生まれた「記憶(魂)」が「炎神イフリート(兄)&氷神シヴァ(妹)」の記憶を継承しているから、勝手に「アーデン&エイラ」も「兄妹」と定義しているだけ。
つまりエイラの想いは、本人がそう思い込んでしまったから「罪」なだけで、本当は「罪」でも何でもない訳です。
まぁ、距離感はもっと近いと思うけど。
前世で兄妹だった二人が、今世では前世の記憶を持ったまま別の両親から生まれた。
じゃあ、今世で「前世では兄だった男」に対して「前世では妹だった女」が「一人の女性として愛して欲しい」と願うのが、果たして「罪」になるのかって話で・・・いや、そうはならんやろと。
だからエイラは、アーデンに「恋人同士」という関係を求めるなら、ちゃんとそれを伝えれば良かった訳です・・・本人たちが「兄妹」と思い込んでいるだけなんだから。
でも彼女はそれをしなかった。
アーデンにとってエイラは、当たり前に「大切な妹」・・・「恋人同士」どころか「一人の女性」としてすら見てくれないアーデンに、
「私の事は妹では無く、一人の女性として見て欲しい。」
さすがにど最初から「一人の女性として愛して欲しい」ってのは無理だとしても、その事は告げておくべきだった。
そうしたら・・・アーデンがエイラの事を「一人の女性として愛してくれるか」ってのは、別問題だとしても。
少なくともエイラが「アーデンが妹としてしか見てくれない事」を、思い悩む事は無かった筈だから(言っても勝手に引き摺りそうではあるけど)。
じゃあ、何でエイラがそこまで踏み込めなかったのかを考えると・・・多分「兄妹としての、特別な関係」が手放せなかったのかな、と。
さっきも書いた様に、エイラは唯一無二の存在として「恋人同士」という形を求めただけなので・・・本当は「恋人同士」に拘りは無かったと言うか。
彼女にしたら「炎神イフリート&氷神シヴァ」の頃の、剣神バハムートが誕生する前の「兄妹としての、特別な関係」がベストな訳です。
その頃の事を・・・魂が抱え込んだ長い長い年月の「想い出・記憶」を、彼女は懐かしく思い、焦がれている。
それに対して「恋人同士」という関係は「アーデンにとっての唯一無二の存在って何だろう?」って考えた結果のソレであって。
人間達の生活・営みから「恋人同士」という関係に、漠然とした憧れを抱いているに過ぎないというか・・・エイラにとっては全くの未知数な世界だし。
そもそも「一人の女性として見て欲しい」と宣言しても、アーデンが「一人の女性として愛してくれるか」は分からない・・・そう考えると。
何百年~何千年と育んで来た、嘗ての「兄妹としての、特別な関係」を諦め。
更には今ある「兄妹としての、特別な関係」を捨ててまで、今まで経験した事の無い「恋人同士」という関係に振り切る事が出来なかった。
だからエイラは「一人の女性として愛して欲しい」と言う想いが「罪」だと思いつつ。
自分からでは無く、アーデンに「一人の女性として愛して欲しい」と求めた。
彼の方から「一人の女性として愛している」と・・・そう言ってくれるのを待っていた。
自分で書いてるんだから、当たり前と言えば当たり前なんだけど・・・分からん事は無い。
分からん事は無いけど、拗らせてると言うか、ややこしいと言うか、面倒臭いと言うか、「いや、言ってくれよ!」って言うか・・・典型的な「察して欲しい女」って感じ?
対するアーデンは典型的な「言われなきゃ分からない男」なので・・・当然そんな事、気付いてやれる筈が無い。
これに関しては「エイラの事は当たり前に、大切な妹と思い込んでいた」ってのに加え。
今回の二次創作のアーデンは最初期から「人の気持ちを読むのが苦手」って要素が付いてて。
しかもその原因は「(無意識下の)視点が神様だから」なので。
視点が神様だから人の気持ちを読むのが苦手なアーデンに「一人の女性として愛して欲しいの!」って気持ちを察してくれ・・・って言うのはかなり無理がある。
そもそも視点が神様のアーデンは「誰かひとりを愛する」って事は無いんだろうけど。
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【結論:アーデンが全部悪い・・・って事】
ここまでを大雑把にまとめると。
アーデンが女心に疎いせいでエイラの想いに気付いてやれず。
そのせいで、エイラのアーデンへの想いが拗れに拗れ。
二人の事を想い慕う、ソムヌスを巻き込み。
その結果。
このイオスの世界は、ある事ない事が言い伝えられ。
しかもそれらを、その時代の都合の良いように「改編・改竄」し続けたせいで。
一見ちゃんと筋が通っているようで、実は全く整合性が取れていない・・・こちゃこちゃのぐちゃぐちゃな世界になってしまった。
これが偽典を通して伝えたかった、今回の二次創作の全ての発端で。
という事は、このイオスの世界が傾き続け、終了のお知らせ目前なのも。
元はと言えば、アーデンがエイラの女心を気付いてやれなかったせい・・・って事。
ここまで書いたトコで「いやいや、アーデンじゃなくて、エイラのせいやろ?」って感じですが・・・七瀬自身の落し所としては、ココが最適だと思っています。
どう言う事かと言うと。
確かにアーデンは、女心は分からなかったかもしれない。
でも彼は全ての真相を知った時(=これは【エピソード・アーデン】完遂後なので、今回の二次創作では辿り着いてはいない)。
「そんなの、オレのせいじゃないでしょ?」
この展開だったら、普通はそう言うと思いますが。
でも彼はそう言わなかった・・・エイラの事も、ソムヌスの事も、その後の勝手な人間達の行いも。
実際は、後世の人間達が好き勝手に解釈し、都合良く「改編・改竄」してしまった・・・全くアーデンのせいでなかった事柄さえ。
「自分のせいでこんな事になってしまったんだから。
ちゃんと世界に、真実を伝えなきゃならない。」
全部全部、世界の闇を引き受けた・・・全て自分から始まった事なのだから、と。
だからアーデンは、男として女心に疎かったかもしれないし。
自分を愛してくれた女性一人幸せにしてやれなかった・・・って意味では、甲斐性が無かったかもしれないけど。
一方的に向けられる、女の我儘・甘え・理想・欲望・・・そんな自分勝手すら全部受け止めて。
本当は自分のせいでない事すら「自分のせいだから」と抱え込み。
世界から課せられた「本意でない役割」に身を窶しながらも、最初から最後まで面倒を見てやり、その世界に付き合い続けてくれた・・・それ程までに度量が大きく、どこまでも懐の深い男だった。
・・・位のトコに持って来れれば、単純に「アーデンがエイラの女心を気付いてやれなかったせい」って原因を押し付けるのではなく。
それを含めて「自分の不始末は、自分で責任を持って片を付けた」って事に出来るし。
加えて「本意でない役割」って事は「本当の自分じゃなかった」=「世界がそうである事を望んだのであって、アーデン自身が望んだ事では無い」・・・本人としては不本意だった事もあるだろうけど。
それすら握り潰し踏み締め噛み砕き・・・自分が恨まれる事も厭わず「本意でない役割」に徹したその生き様があるからこそ、アーデンは男前で格好イイ。
ここまでをワンセットにして乗っける事で、アーデンの名誉も男としての評価も挽回出来れば・・・って個人的願望で。
ぶっちゃけ、無理難題を押し付ける程「それを引き受けてくれる&解決できるアーデンは男前」・・・そう言う発想。
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でも、世界の闇を引き受け続けた結果。
当然アーデンは、イオスの世界の人間達には「闇の存在」と見做され。
彼らの自分勝手な「想い出・記憶」によって、「ルシスの禁忌」や「闇の王」と言った恐ろしくネガティブな存在にされてしまった。
それでもアーデンは、イオスの世界に「真実」を取り戻させる為ならと。
自分は世界が望む姿・・・狂気に取り付かれた「悪役」「ラスボス役」を演じてでも、「世界に仇成す存在」と烙印を押されてでも。
どんなに闇に塗れても、涙が黒く滲んでも・・・誰もそれに気付いてくれなくても。
真意をひた隠しつつ、「真の王」たる資格を持つノクティスを「全ての真実を知る王」へと導き続けた。
全てはイオスの世界に、闇に葬られてしまった「真実」を思い出させる為。
だってアーデンは「献身者」であり「聖者」だったから。
どれだけ「在り方」を歪められても、彼は常に世界の「導き手」で在り続けた。
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