落書き帳の10ページ目
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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《偽典 25》
- 2024/08/12 (Mon) |
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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【イズニアの記憶・想い出から見たソムヌスとは?】
【村人たちに選ばれたのは、イズニアだった】
【ソムヌスの言う「化け物」の正体は?】
《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【イズニアの記憶・想い出から見たソムヌスとは?】
【村人たちに選ばれたのは、イズニアだった】
【ソムヌスの言う「化け物」の正体は?】
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以上、ここまでで、
「【エピソード・アーデン】冒頭シーンの二人は、
本当のアーデン&エイラではなく。
イズニアの「記憶・想い出」に侵食されたアーデンと。
そのイズニアの「記憶・想い出」の中に有る、
彼の想い人だった女性・ミルス。」
と、いう流れに持ってきた訳ですが。
だとしたら【エピソード・アーデン】でのソムヌスも、ソムヌス自身の「記憶・想い出」では無い・・・というのが、お約束。
という訳で、最後。
あんなにお兄ちゃん大好きっ子だった、可愛い弟・ソムヌス少年が。
何でアーデンを殺そうとするような・・・しかも性格めっちゃ悪そうなヤツになってしまったのか?
イズニアとミルスの「叶う事の無かった、身分違いの恋物語」の結末と。
ソムヌスに着せられた、イズニアの「無実の罪」。
そして、愛する人を失った彼の、その後の足取り。
ここまでをまとめて「Ardyn is near」=「アーデンに近い」故に混同されてしまった「アーデン・イズニア」の物語に決着を付けたい。
のですが・・・ここまで拙いながらも「物語」としての態で書いて来ましたが、ここからは「物語」としては書きません。
これは何でかって言うと。
彼らが「神様」だった頃の「六神神話(天上編)」や、人間として地上に降り立った後の「六神神話(地上編)」というのは、当たり前ですけど自分の頭の中にしか存在しない妄想話なので。
そのイメージを少しでも伝える・・・共有してもらう為には「物語」という形式をとった方が、イメージしやすいんじゃないかな?
そういう考えから「物語」という形式をとっていました。
でもここから先・・・具体的に言えば、このソムヌスって「悪役」にしかならないので。
【エピソード・アーデン】のソムヌスも大概「嫌な奴」なので、その彼を「悪役」にしてもイメージからは逸れないのかもしれませんが。
やっぱりソムヌスが「嫌な奴」だったとしても、それは創り手(=スクエニ)がちゃんと考えての「(愛情を掛けた)嫌な奴」だと思うので。
ゲームをプレイもして無い七瀬が、勝手に捏造した「悪役」としてのイメージを書くのは、どうしても抵抗があると言うか・・・もっと単純に言えば「他所様のキャラの事、勝手に悪く書くのって申し訳ないよね」という事で(今まで散々好き勝手書いて来て今更ですが)。
多分、このソムヌスって「凄く嫌な悪役」だと思うのですが・・・だからこそ「物語」として書くのは控えさせて頂こうと思います。
という訳で、最後だけ毛色が変わってしまいますが・・・ご自身の想像力で「凄く嫌な悪役」のソムヌスを思い描いて下さい。よろしくお願いします。
尚、ここまで彼らの関係性&表記は、
アーデン=アーデンに存在がソックリさんだった羊飼い=イズニア。
エイラ=そのイズニアの「記憶・想い出」の中の想い人=ミルス。
と、書いて来ましたが。
ソムヌスに関しては、他に置き換えられる名前が無いので、ソムヌスのままで行きます。
紛らわしいですが、その辺りはフィーリングでお願いします。
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【イズニアの記憶・想い出から見たソムヌスとは?】
結論から言えば、ミルスの婚約者がソムヌス・・・という事。
つまり、人間の営みに不可欠な冠婚葬祭に関わる神事を任されているミルスの一家というのは、村の中では村長に次ぐ・・・若しくは同等程度の力を持つ家柄で。
ソムヌスはその家の娘・ミルスを娶る事で村を、そして行く行くはその周辺地域を自身の支配下に取り込む事を画策していた。
要は誰の目から見ても分かりやすい、愛情なんて一欠けらも無い政略結婚で。
それが分かっていたからこそ、ミルスはずっとその申し出を断り続けていた。
この辺りの補足としては。普通に考えたら「仮にも貴族(何なりの有力一族)のソムヌスが、結婚までして、こんな村を手に入れる必要があるのか?」って話ですが。
村の方に理由を積むのであれば。たかが貧しい村の神職者にしてはミルスの衣装が仰々しい事を設定として立てるなら「村としては何もない貧しい村だったけど、実は六神に類する様な「神様」を守る村だった(「神様」の利用価値が高い)」とか。
もっと単純に「重要都市と都市を結ぶ中継位置にある村だった(将来性が見込める)」とか。
羊飼いのイズニアが近くまで寄って来るような村なので「今現在、村自体の存在や価値は知れ渡っていない」んだけど「何かしらの将来性が有る事が分かって、手を出して来た」って感じ・・・ですが。
でも七瀬自身が、村の事よりも大きい理由と思っているのが「そんな手段を使って、そんな村を手に入れなければならない程、ソムヌス自身に力が無かった」という理由。
どう言う事かと言うと、今回の二次創作のソムヌスは「剣神の魂を持つ存在」として「剣神バハムート」の「記憶・想い出」も継承していて。
地上に降りてからの二人の見た目年齢が、ソムヌス(少年)&アーデン(30代)なのも。
元を辿れば天上での「六神の中でも、剣神バハムートは年の離れた末弟」という「記憶・想い出」が影響している物です。
で、アーデン&イズニア同様、ソムヌス&このソムヌスが「存在が似ている故に、ゴチャ混ぜになってしまったソックリさん」なら、このソムヌスは「四男二女の六人兄弟の、しかも親と子程に年が離れた末弟」と言う事になるので。
前回の記事では「下級貴族」と書きましたが、何なら家柄云々関係無く。
ソムヌスは年の離れた末弟で、しかも彼の他に男兄弟が三人も居た。
なので彼が生まれる前に、親の遺産分配(=領地の取り分)が取り決められており。
親が説得しても、今更兄達から分割譲渡・・・という訳にもいかず。
気の毒ではあるけれど、末弟の彼には譲り与えられる遺産が無かった(どこぞの欠地王みたい)。
親が存命中は何とかなるとしても、もし他界してしまったら、次期領主となる兄に追い出されてしまうかもしれない・・・そう思えばこそ。
何としても彼は自分の領地を、自分で得なければならなかった・・・と言う事。
それだったら「牧草を求めて歩き回る様な羊飼いでもない限り、広くは知られていない小さな貧しい村」の方が、落ち着きが良いんじゃないかな?
だって「明らかに大きな町」とか「重要視されている村」だと、既に他の領主のお手付きだろうから迂闊には手を出せないし。
そして、この辺りの事が巡り巡って「オレは 兄上が妬ましかったのかもしれない」「オレには 何も与えられなかった」ってソムヌスの台詞に繋がる・・・事にしておけば良いかな。
何か話の規模としては随分ショボくなってしまいますが・・・そもそもアーデン&ソムヌスは、国とか、神に選ばれたとか、民を救う力って規模の大きな話を。
対するコッチのイズニアとソムヌスは、辺境の村とか、婚約者に選ばれたとか、一部地域の支配って規模の小さな話なので・・・そもそも話をしている世界の規模が違う。
つまり狭く小さな世界で生きている彼らにすれば、こんな小さな村での出来事や、親・村人・婚約者の行動一つでも、自身の人生を左右する大きな出来事だった。そんな感じ。
なので政略結婚とは言っても一方的な要求・・・ミルス側には全然メリットなんて無いんだけど。
仮にも相手は貴族様だし、言う事を聞かなかった時の村への報復を思えば、ミルスの家が村の重役を担っているだけに、彼女も彼女の両親もソムヌスの事を無碍に扱う事は出来ずにいた。
そんなだから、ミルスは勿論、村人たちからの評判も宜しくなかった。
ミルス・・・というか、初めて【エピソード・アーデン】でエイラを見た時に思ったんだけど。
前回の記事にも書いた様に、あの冒頭のエイラって「あの見た目」&「氷神の魂を持つ存在」にしては、ちょっと陽属性過ぎる気がして。
何て言うか・・・あんな「いかにも神様に仕える巫女(神凪)」って格好をしてるけど。
性格だけ見たら寧ろ「宿屋の看板娘」位の気さくさと言うか・・・少なくとも「神の巫女オーラ全開」タイプではないかと。
だから村の男衆なんかはソムヌスに対して「オレらのミルス様に、ちょっかい出しやがって!」とか「俺がいくらでも匿ってやるぜ!」とかって、勝手に「オレらのミルス様に、手を出すな!」って、息巻いてるんじゃないかな?
ほら、【FF15】でも居たでしょ?
ルーナのラジオ放送聞いて、何やかんや言ってる男性陣・・・あんな感じ。
正直、彼らの台詞を聞いた時は「いや、お前らルナフレーナ様本人の前では、そんな事よう言わんやろ?」って思ったんですけど・・・同じ様な見た目でも、エイラ相手だったら言えそうじゃない?
だからこそ、誰にも分け隔てなく接してくれるミルスの事が、みんな大好きだった。
そんなミルスを利用しようと近付くソムヌスの事は、正直大嫌いだった。
そして、そんなミルスが入れ込んでいるイズニアの事は、内心「生活の安定しない羊飼いなんて」と思いつつも「でもアイツ、良いヤツだしな・・・」と評価していたり。
何なら「羊飼いなんて辞めて、ミルス様と結婚して・・・この村に残ってくれればイイのにね」なんて、おばちゃん達の井戸端会議では話題になっていた。
勿論、村の神職にあるミルスが、素性の知れない羊飼いなんかと懇意にしている事に対して、渋い顔をする村人も一定数いただろうけど。
村人みんなに共通している意見は「あのソムヌスに嫁にやる位なら、イズニアの方が良い」・・・その程度には、彼は村人たちの信頼を得ていた。
ここで「ん?」ってなるかもしれませんが・・・あの二人、さも「誰も居ないトコで、コッソリ会ってる」ようで、実は村人みんな周知の事実だった。そんなイメージ。
多分、ミルスは隠し事が出来ないと言うか、感情が表情とか行動に出ちゃうタイプなので。
お祈りの合間とかに、着替える間も惜しんで村を飛び出して行ったり。
それこそ件のおばちゃん連中に「羊飼いの彼は、一緒になってくれるつもりは無いのかい?」とか言われて、「そ、そんな関係じゃ・・・!」って、顔を真っ赤にしながらあわわわって否定してそう(勿論、内心嬉し恥ずかし)。
とは言っても、それはミルスに限った話で。
イズニアは基本、村には立ち入らないので、村人たちからそんな風に思われてるとは露知らず。
食料とか生活必需品を仕入れに来た時に、店番の奥さんに「ミルス様、良い娘でしょ~?」とか言われて、他意も無く「そうですね(何でそんな事?)」とか言ってそう(色恋沙汰に疎い&鈍いトコもアーデン似)。
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【村人たちに選ばれたのは、イズニアだった】
本来なら「羊飼いなんかに、大事なミルス様を任せる事は出来ない」・・・村人は、そう渋っただろうけど。
ソムヌスからの強引な婚礼話が進められるにつれ、次第に「いけ好かない貴族の若造にミルス様を奪われる位なら、イズニアに貰ってやって欲しい」「ミルス様が村を捨てる事になってでも・・・彼女を連れて逃げて欲しい」と。
力を持たない村人たちにとって、ソムヌスの村への脅しは確かに恐ろしいけれど。
彼女が居なくなってしまったのなら、キッカケを失った彼の執着も薄れるだろう・・・諦めてくれるだろう。
それに幾らソムヌスが逆上したとしても、何も自分達の命まで取る事は無いだろうから。
「どうか、ミルス様を守ってあげて・・・。」
ミルスの幸せを願う村人たちは、今となっては圧倒的イズニアの味方だった。
でも、そうなると当然ソムヌスが黙ってはいない。
そりゃ婚約者を羊飼いに掻っ攫われたなんて、プライドの高いソムヌスには耐えられないだろうから。
彼は今までは脅しを掛けてでも、一応ミルス側の同意を得ようとはしていた。
因みにこれは「キッカケは何であれ、夫婦になるのだから誠意をもって・・・」という意味では無いです(そんなだったら、とっくに引き下がってる)。
今回の結婚に関しては「ソムヌスがエイラを、自分の領地に連れて行く」のではなく、「この地域を支配する為に、ソムヌスがエイラのトコに来る」方の結婚なので。
結婚後の事を考えれば、村を手中に収める為にも、村人を納得させる為にも「本人は勿論、家の了承も得てミルスと結婚する」という建前が必要だった。
ソムヌスの計画の為には、ミルスと家の了承が必要だった・・・だからこそ、今まで待ってやっていた。
それなのに、彼女は貴族の自分では無く、羊飼いの男を選ぶという。しかも、
「私だけじゃない。
両親も、村の人達も・・・みんな、彼を選んだ。
貴方がこの村に来たところで、誰も貴方を受け入れはしない・・・!」
だからもう、私を自由にして・・・と。
彼女の両親は「その事は、ソムヌスに告げてはいけない」と、言っていた。「彼の気質を思えば、何をするか分からない」とも。
でもミルスはソムヌスに告げてしまった・・・ここまで言えば、きっと諦めてくれる。
言い方を変えれば、ここまで言わないと諦めてくれない。そう思ったから。
だからソムヌスは、イズニアを殺そうとした。
単純に、結婚の障害となっているから・・・何より、自分のプライドが許さなかったから。
で、ここが【エピソード・アーデン】の「ソムヌスがアーデンを殺そうとしたトコに、エイラが割り込んで来て、彼を庇ったエイラが亡くなってしまう」トコとリンクする訳ですが。
ソムヌスは最初からイズニアを殺すつもりで「彼と直接話がしたい」とミルスに持ち掛けた。
その言葉を、村の外を知らない・・・人を疑う事を知らないミルスは信じてしまった。
「まさか あなたを殺そうとするなんて」
こんな事で人を殺そうとするなんて・・・そんな恐ろしい事、思いもしなかった。
でも、予想外だったのはソムヌスも同じで・・・ミルスがイズニアを庇って死んでしまった。
彼女を殺すつもりはなかったんだけど、自分が殺した事に違いないし。
現場を見られるのはマズイので、咄嗟にその場からは逃げ去ったけど。
ミルスが戻らなければ、不審に思った両親や村人たちが捜しに来るだろうし。
何より目撃者であるイズニアが自分を告発すれば、ミルス曰く「自分よりもイズニアの事を信用している村人たち」は、彼の言葉を信じるだろう。
だったら「自分がミルスを殺した」という真相が、明るみに出る前に。
その事実を、何とかして揉み消さなければならない。
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【ソムヌスの言う「化け物」の正体は?】
案の定、ミルスの亡骸を彼女の両親の元に送り届けたイズニアは「事実」を伝えていた。
「ソムヌスが自分を殺そうと斬りかかって来て。
それに気付いた彼女は、自分を庇って・・・。」
彼女が亡くなったのは、自分のせいだと・・・涙して。
そのような事情があっては、いくら貴族の子息とは言え、両親は娘を奪ったソムヌスを放っておく訳にはいかない。
然るべき処罰を求めて訴える・・・その為には、証人としてのイズニアの証言が必要で。
本来イズニアは、村に長居する事はなかったんだけど。
それが「彼女の為に出来る事」「自分にしか出来ない事」ならと、彼女の葬儀後もしばらくの間、村に滞在していた。
その彼女の葬儀に、ソムヌスは姿を現さなかった。
そんな彼の対応に「やっぱりアイツにとってミルス様は、単なる駒に過ぎなかったんだ」と。
憤ると同時に、この村が彼の執着から解放された事に、どこか胸を撫で下ろしていた。
でも、彼は何一つ諦めてはいなかった。
「そいつの言う事は信じるな・・・この化け物め。」
数日後、数人の兵を引き連れて戻って来たソムヌスは、ソムヌスを告発する為の話し合いの場にいたイズニアを無理矢理連行してしまった。
そのあまりの横暴に・・・ミルスの父親は、娘の命を奪ったという男の背に向かって叫んだ。
「貴様を必ず、裁判の場に引き摺り出してやる!」と。
その声にソムヌスは肩越しに振り返ると、嫌な笑みを浮かべてこう言った。
「裁判に掛けられるのはオレじゃない・・・コイツだ。」
という訳で、残念ながらソムヌスではなく、イズニアが裁判に掛けられる事になります。
とは言っても「ちゃんとした裁判」だったら、ソムヌスに「勝ち目」はない。
尤も、元々裁判が「どっちがミルスを殺したか?」って争う場所では無いので「勝ち目」という表現は適切では無いんだけど。
まぁ、このままイズニアを「ミルスを殺した」として裁判に掛けても、そこでイズニアが反証「自分ではなく、彼女を殺したのはソムヌスだ!」って言い出したら。
実際それが事実なので、裁判所という司法の場でそれを覆すとなると・・・いくら二人の間に身分差があっても、色々と面倒な事になるのは目に見えている(貴族の子息だからこそ、足を引っ張られる可能性もあるので)。
だからソムヌスは「ちゃんとした裁判」ではなく、イズニアを「人狼裁判」に掛けた。
つまり「イズニアは人狼で、彼女を襲おうとしていたので、自分は彼女を助ける為に剣を抜いた」「その争いの中、誤って彼女を斬ってしまった」「その場を離れたのは、当局に通報する為だった」と言うのが、ソムヌスの言い分。
で、村人たちにも同じような事を言って、
「最後、自分が騙されていた事に気付いたミルスは考えを改め、
自分に代わって村の事を頼む、と。」
彼女の遺言だとして、上手い具合に村の乗っ取りに成功した、と。
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ここに来て突然の「人狼」という要素ですが・・・これは【エピソード・アーデン】の、過去のアーデンを見て「羊飼いみたい」⇒「羊飼いが化け物」⇒「人狼?」と。
この辺りの一連の流れを追っていくと。
かれこれ三年半ほど前になりますが、【FF8】の記事を書くのに魔女の事を調べた事があって(FF8:[16] 魔女と「月」の関係)
ざっくり言えば、魔女の発端は「薬草や人の身体に詳しかった女性」=「山野の恵みを熟知していて、謙虚な心でそれらを自然から分けて貰い、人々を救う為に施していた女性」って感じ。
つまり魔女の力と言うのは、妙な魔術とか霊的なモノではなくて、どっちかって言うと民間療法に近く。
野草に詳しかったり、その他自然から得られる恩恵を深く理解していて。
そう言った自然の恵みを、困っている人々に授けてくれる・・・本来の魔女とは、そんな心優しい女性たちだった(勿論、諸説ありだろうけど)。
で、魔女の男性版みたいな人狼も、同じ様な存在で(*魔女の男性版が人狼という訳では無く、男性の魔女もいた)。
自然に詳しいという特徴と、羊たちと共に野山を移動し生活しているという特徴が結び付き。
仕事柄一人でいる事が多い&コミュニティーから孤立している事を理由に、疑いの目が向けられ。
羊たちとの生活が優先の為、ミサなどに出られない・・・なんて理由で、羊飼いは真っ先に人狼と疑われてしまう事も多かったとか。
それを頭に置いた状態で書いたのが、旧約 50「奇跡の羊飼い」の昔話で。
あの昔話の一文「すると皆、驚き互いに顔を見合わせた後・・・我が事のように喜び、こう言った。」の、この「驚き互いに顔を見合わせた後・・・」って言うのは、実は「本当に神様みたいだ!」って、喜びの驚きでは無くて。
あまりの奇跡に「あんな怪我が本当に治ってしまうなんて・・・」って言う、暗に人外を疑う意味の驚きだった、と。
後、最後の方に出て来た少女・・・因みに、これはミルスでは無いんですけど(どっちかって言うと、赤毛のアンのイメージ)。
三つ編みで結わえた長い髪の毛先を夕日の赤に透かしながら。少女は無邪気に、こうも言い足した。
「でも、こうすると羊飼いさんと同じ色なの。
だから、今はこの色も好きなんだ!」と。
つまり「奇跡の羊飼い」の髪の色は「赤」だった・・・と、書いている訳ですが。
今でこそ市民権を得て、二次創作なんかでは美男美女も多い「赤毛キャラ」ですが・・・何か宗教的な理由が先なのか、何かあって宗教的にそうなったのかは分からないんですけど。
かつて一部の界隈では、忌み嫌われていたらしいので。
人智を越えた奇跡の力(実際には自然の恵みを利用した民間療法)を持つ、赤毛の羊飼いのイズニアが「人狼だ!」と疑いを掛けられた時。
その人々を救って来た「人外の奇跡の力」が、仇となってしまった。
「いや、確かにアイツは、オレ達の病気や怪我を治してくれたけど。」
「不思議な力・・・と言えば、そうかもねぇ。」
「その不思議な力が、何故、神の力だと言い切れる?
悪魔と契約した、人狼の力だったとしたら?
皆、化け物に騙されているのだ!」
そこをソムヌスは上手く利用した。
「よく見てみろ。
現にソイツの目は、狼の目のようではないか!」
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という訳で、人狼の疑いを掛けられ、人狼裁判に掛けられる事になったイズニアですが。
結論から言えば、無罪放免になります。
何か「え、ここまで引っ張って?!」って感じですが、【FF15】の設定に寄せるとそうなる。
何でかって言うと、イズニアの体を調べても人狼の証拠となる「人狼の印」が見付けられなかったから。
まぁ「人狼の印」が具体的に何なのかは分かりませんが(「魔女のしるし」は、ホクロとかイボだったらしいけど)。
悪魔が憑いている=「人狼の印も、痣みたいなモノ」とイメージした話。
正直、人狼裁判なんて形式的なモノと思っていたソムヌスは「人間、体に痣の一つや二つはあるだろう」・・・つまり裁判にまで持って行けば、イズニアを有罪に出来ると思っていた。
でも縛り上げて数人掛かりで調べ尽くしても、イズニアの体はホクロ一つ無い綺麗な体だし(実際「綺麗過ぎやしないか?」とは思った)。
別に丸いモノ見たり、満月見て変身する訳でもないので・・・結局、イズニアが人狼である決定的な証拠を見付け出す事は出来なかった。
そしてこの「イズニアの体を調べても人狼の証拠となる「人狼の印」が見付けられなかった」って部分を、イメージイラスト(?)の「拘束されたアーデンと、黒衣の男達」に繋げます。
あの、黒い修道士みたいな恰好したオッサンたちが、アーデンに群がってる・・・ある意味、アーデンだから許されてるイラスト(あれがノクティスとかレイヴスだったら、違う意味で犯罪臭)。
あれって【FF15】ベースで見れば「殺しても殺せなかったアーデンを、封印しているトコ」って見えるんだろうけど・・・何か「唯一、病を癒す事が出来た救世主」「初代王になる筈だった男」って触れ込みの男の表情にしては、全然威厳を感じないなと思って。
まぁ、確かに「殺しても殺せなかった」が「ダメージを与えても、即全回復」では無く、「どんな方法を以てしても、死ぬ事は無かった(ボロボロにはなって行く)」なら、この時点では相当ダメージ蓄積してるだろうから、あの表情でも仕方ないのかもしれないけど・・・何て言うか、やっぱり最後まで誇り高くあって欲しいというか、気概を見せて欲しいというか。
で、次に考えたのが「救世主・アーデンに、救いを求めて群がる民衆(ソムヌスに捉えられたアーデンを、解放しようとしてるトコ)」・・・って見方。
これは偶々、回覧板に劇団四季の『ジーザス・クライスト=スーパースター』のチラシが入ってて、アーデンにイエス様のイメージが重なるなら「まぁ、そういう見方も出来るかな?」と。
ただアッチは民衆だろうから、それを「黒衣の修道士」みたいな描き方をする事は無いだろうし。
確かに絵からは、アーデンに対する執念みたいなのは感じるけど・・・熱狂とか心酔では無くて、やっぱり不穏な空気を感じるので。
じゃあ、他の見方・・・ってなると。
修道士みたいな男達が、対象を縛り上げて、体の隅々まで検分する+「何が何でも証拠を見付け出す」みたいな執念=魔女裁判とか、人狼裁判の類かな、って。
それだったら、この絵のアーデンの表情は、
「神よ・・・私は貴方を裏切った事など、一度も無い。
それなのに、何故このような試練を?」
ってなるので、七瀬的には一番スッキリかな、と。
だって突然謂れのない疑いを掛けられて、縛り上げられて・・・「神を裏切る人狼」って決め付け前提で、身体中隈なく調べ尽くされるんだもん(拷問も受けてる?)。
そりゃ、今まで神様を疑う事なんか無かった信心深い人間なら尚更、茫然自失&神様に「何で自分が・・・?」ってなるでしょ?
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でも結局、どれだけイズニアの体を調べ尽くしても、人狼の証拠となる「人狼の印」は見付からなかったし。
その上で、イズニアが悪魔と契約するような人間とは思えない、とても信心深い人物だったので。
裁判の判決としては、ソムヌスの顔を立てる為にも「人狼(かもしれない)」という判断を下したかもしれないけど。
この様な状況に陥って尚、神への祈りを欠かさない彼に対し「これだけ信心深い男なら、人としての人生を取り戻せるだろう」と・・・教会が振るう神の慈悲から、イズニアは証拠不十分として解放された。
これは「人狼裁判=芋づる式にとっ捕まえて来て自白させて処刑」・・・って訳では無く。
実は初期の人狼裁判は「人狼=悪魔に取り憑かれてしまった人(ある意味、被害者)」って考え方もそれなりに罷り通っていたらしいので(途中から「自ら望んで悪魔と契約した(情状酌量の余地なし)」ってなっただけ)。
意外と、実際の人狼裁判も無罪というか・・・「これからは悪魔に付け込まれないよう、気を付ける様に(そうならないよう神様を信じなさい)」って、解放してもらえる事も多かったとか。
まぁ、この辺りの話は「どこで見聞きしたんだっけ?」って、自分でも思い出せない位に曖昧なモノなので、あくまでもイメージと思って頂きたいのですが。
じゃあ、その後のイズニアがどうなったかと言うと・・・彼は「羊飼いとしての使命を果たす為、主を失って路頭に迷っているであろう羊たちを探す旅に出た」です。
イズニアが掛けられていたのは「人狼裁判」であって、ミルスを殺害した犯人云々ではなかった・・・多分、裁く管轄も違うだろうから、この時点で彼は自由の身となった(ソムヌスはまさか無罪になるとは思っていなかったので、次の手を打っていなかった)。
でも解放されたとはいえ、ソムヌスが我が物顔で仕切っているであろう村に戻る事は出来ないし(そもそもイズニアは、あの村の人間では無い)。
やっぱり人の心として「人狼なのかも?」って、思われてた村には近寄り辛いだろうから。
彼は村に立ち寄る事も無く、人知れず羊たちを探す旅に出た。
彼が解放されたとも、勿論解放された後の事も、誰も分からないまま・・・彼は人々の前から姿を消した。
尤も、羊たちを探すとは言っても、羊は基本群れているイメージなので、イズニアが居なくなったからと言って散り散りバラバラにはなってないだろうし。
イズニアの不在中は、頼れる相棒の牧羊犬(アンブラ&プライナ)が、羊たちを守ってくれていただろうけど。
羊たちは餌を求めて移動してしまう・・・いくら優秀な牧羊犬たちでも、その歩みを止める事は出来ないので。
解放されたイズニアは、まずは羊の群れを探さなければならなかった・・・そういう意味。
彼は人々から蔑まされる「羊飼い」という仕事を、神から与えられた天職であり、それが自分が成すべき使命だと考えていた。
だとしたら、彼が羊たちを見捨てるという事は絶対に無い訳です。
何故かと言うと、羊飼いと羊たちの関係は、導き手と迷える人間達の関係に通じるから。
羊飼いが、たった一匹の迷子になった羊を見捨てないのと。
導き手が、たった一人の迷える人間でも見捨てないのは、信心深いイズニアにとっては同じ事なので。
もしかしたら、羊の群れが狼に襲われて。驚きの余り群れから飛び出してしまった羊が、今もどこかで寂しい思いをしているかもしれない。
もしかしたら、子羊がうっかり岩場から足を滑らせて。足を挫いて群に戻れず、一人ぼっちで泣いているかもしれない。
そう思えばこそ、彼は一刻も早く、羊たちの元に戻らなければならなかった。
自らの命に代えても羊たちを守り導く・・・それが神から与えられた「導き手」としての、自分の使命だったから。
この辺り、あまり詳しく書くと宗教色が強くなってしまうので、これ位にしておきますが。
こういったイズニアの考え方・生き様も、「Ardyn is near」=「アーデンに近い」として結び付いてるんじゃないかな、と。
で、最後に【FF15】の10年後の世界でタルコットから聞ける「アーデンの素性」の一文。
「でもその後 シガイとして捕まえられて
いろいろ調べて 結局人間だったみたいなんですが」
に、雑に繋いでおけば良いかな、と。
シガイ(=化け物)として捕まえておいて、いろいろ調べて、結局人間だった・・・ってのは、人狼裁判では不思議な事ではないらしいので。
因みに、羊の群れが狼に襲われた際、羊たちを庇ってボロボロになるのはプライナの方だと思います・・・いつだって可哀想なのは白い方。
以上、ここまでで、
「【エピソード・アーデン】冒頭シーンの二人は、
本当のアーデン&エイラではなく。
イズニアの「記憶・想い出」に侵食されたアーデンと。
そのイズニアの「記憶・想い出」の中に有る、
彼の想い人だった女性・ミルス。」
と、いう流れに持ってきた訳ですが。
だとしたら【エピソード・アーデン】でのソムヌスも、ソムヌス自身の「記憶・想い出」では無い・・・というのが、お約束。
という訳で、最後。
あんなにお兄ちゃん大好きっ子だった、可愛い弟・ソムヌス少年が。
何でアーデンを殺そうとするような・・・しかも性格めっちゃ悪そうなヤツになってしまったのか?
イズニアとミルスの「叶う事の無かった、身分違いの恋物語」の結末と。
ソムヌスに着せられた、イズニアの「無実の罪」。
そして、愛する人を失った彼の、その後の足取り。
ここまでをまとめて「Ardyn is near」=「アーデンに近い」故に混同されてしまった「アーデン・イズニア」の物語に決着を付けたい。
のですが・・・ここまで拙いながらも「物語」としての態で書いて来ましたが、ここからは「物語」としては書きません。
これは何でかって言うと。
彼らが「神様」だった頃の「六神神話(天上編)」や、人間として地上に降り立った後の「六神神話(地上編)」というのは、当たり前ですけど自分の頭の中にしか存在しない妄想話なので。
そのイメージを少しでも伝える・・・共有してもらう為には「物語」という形式をとった方が、イメージしやすいんじゃないかな?
そういう考えから「物語」という形式をとっていました。
でもここから先・・・具体的に言えば、このソムヌスって「悪役」にしかならないので。
【エピソード・アーデン】のソムヌスも大概「嫌な奴」なので、その彼を「悪役」にしてもイメージからは逸れないのかもしれませんが。
やっぱりソムヌスが「嫌な奴」だったとしても、それは創り手(=スクエニ)がちゃんと考えての「(愛情を掛けた)嫌な奴」だと思うので。
ゲームをプレイもして無い七瀬が、勝手に捏造した「悪役」としてのイメージを書くのは、どうしても抵抗があると言うか・・・もっと単純に言えば「他所様のキャラの事、勝手に悪く書くのって申し訳ないよね」という事で(今まで散々好き勝手書いて来て今更ですが)。
多分、このソムヌスって「凄く嫌な悪役」だと思うのですが・・・だからこそ「物語」として書くのは控えさせて頂こうと思います。
という訳で、最後だけ毛色が変わってしまいますが・・・ご自身の想像力で「凄く嫌な悪役」のソムヌスを思い描いて下さい。よろしくお願いします。
尚、ここまで彼らの関係性&表記は、
アーデン=アーデンに存在がソックリさんだった羊飼い=イズニア。
エイラ=そのイズニアの「記憶・想い出」の中の想い人=ミルス。
と、書いて来ましたが。
ソムヌスに関しては、他に置き換えられる名前が無いので、ソムヌスのままで行きます。
紛らわしいですが、その辺りはフィーリングでお願いします。
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【イズニアの記憶・想い出から見たソムヌスとは?】
結論から言えば、ミルスの婚約者がソムヌス・・・という事。
つまり、人間の営みに不可欠な冠婚葬祭に関わる神事を任されているミルスの一家というのは、村の中では村長に次ぐ・・・若しくは同等程度の力を持つ家柄で。
ソムヌスはその家の娘・ミルスを娶る事で村を、そして行く行くはその周辺地域を自身の支配下に取り込む事を画策していた。
要は誰の目から見ても分かりやすい、愛情なんて一欠けらも無い政略結婚で。
それが分かっていたからこそ、ミルスはずっとその申し出を断り続けていた。
この辺りの補足としては。普通に考えたら「仮にも貴族(何なりの有力一族)のソムヌスが、結婚までして、こんな村を手に入れる必要があるのか?」って話ですが。
村の方に理由を積むのであれば。たかが貧しい村の神職者にしてはミルスの衣装が仰々しい事を設定として立てるなら「村としては何もない貧しい村だったけど、実は六神に類する様な「神様」を守る村だった(「神様」の利用価値が高い)」とか。
もっと単純に「重要都市と都市を結ぶ中継位置にある村だった(将来性が見込める)」とか。
羊飼いのイズニアが近くまで寄って来るような村なので「今現在、村自体の存在や価値は知れ渡っていない」んだけど「何かしらの将来性が有る事が分かって、手を出して来た」って感じ・・・ですが。
でも七瀬自身が、村の事よりも大きい理由と思っているのが「そんな手段を使って、そんな村を手に入れなければならない程、ソムヌス自身に力が無かった」という理由。
どう言う事かと言うと、今回の二次創作のソムヌスは「剣神の魂を持つ存在」として「剣神バハムート」の「記憶・想い出」も継承していて。
地上に降りてからの二人の見た目年齢が、ソムヌス(少年)&アーデン(30代)なのも。
元を辿れば天上での「六神の中でも、剣神バハムートは年の離れた末弟」という「記憶・想い出」が影響している物です。
で、アーデン&イズニア同様、ソムヌス&このソムヌスが「存在が似ている故に、ゴチャ混ぜになってしまったソックリさん」なら、このソムヌスは「四男二女の六人兄弟の、しかも親と子程に年が離れた末弟」と言う事になるので。
前回の記事では「下級貴族」と書きましたが、何なら家柄云々関係無く。
ソムヌスは年の離れた末弟で、しかも彼の他に男兄弟が三人も居た。
なので彼が生まれる前に、親の遺産分配(=領地の取り分)が取り決められており。
親が説得しても、今更兄達から分割譲渡・・・という訳にもいかず。
気の毒ではあるけれど、末弟の彼には譲り与えられる遺産が無かった(どこぞの欠地王みたい)。
親が存命中は何とかなるとしても、もし他界してしまったら、次期領主となる兄に追い出されてしまうかもしれない・・・そう思えばこそ。
何としても彼は自分の領地を、自分で得なければならなかった・・・と言う事。
それだったら「牧草を求めて歩き回る様な羊飼いでもない限り、広くは知られていない小さな貧しい村」の方が、落ち着きが良いんじゃないかな?
だって「明らかに大きな町」とか「重要視されている村」だと、既に他の領主のお手付きだろうから迂闊には手を出せないし。
そして、この辺りの事が巡り巡って「オレは 兄上が妬ましかったのかもしれない」「オレには 何も与えられなかった」ってソムヌスの台詞に繋がる・・・事にしておけば良いかな。
何か話の規模としては随分ショボくなってしまいますが・・・そもそもアーデン&ソムヌスは、国とか、神に選ばれたとか、民を救う力って規模の大きな話を。
対するコッチのイズニアとソムヌスは、辺境の村とか、婚約者に選ばれたとか、一部地域の支配って規模の小さな話なので・・・そもそも話をしている世界の規模が違う。
つまり狭く小さな世界で生きている彼らにすれば、こんな小さな村での出来事や、親・村人・婚約者の行動一つでも、自身の人生を左右する大きな出来事だった。そんな感じ。
なので政略結婚とは言っても一方的な要求・・・ミルス側には全然メリットなんて無いんだけど。
仮にも相手は貴族様だし、言う事を聞かなかった時の村への報復を思えば、ミルスの家が村の重役を担っているだけに、彼女も彼女の両親もソムヌスの事を無碍に扱う事は出来ずにいた。
そんなだから、ミルスは勿論、村人たちからの評判も宜しくなかった。
ミルス・・・というか、初めて【エピソード・アーデン】でエイラを見た時に思ったんだけど。
前回の記事にも書いた様に、あの冒頭のエイラって「あの見た目」&「氷神の魂を持つ存在」にしては、ちょっと陽属性過ぎる気がして。
何て言うか・・・あんな「いかにも神様に仕える巫女(神凪)」って格好をしてるけど。
性格だけ見たら寧ろ「宿屋の看板娘」位の気さくさと言うか・・・少なくとも「神の巫女オーラ全開」タイプではないかと。
だから村の男衆なんかはソムヌスに対して「オレらのミルス様に、ちょっかい出しやがって!」とか「俺がいくらでも匿ってやるぜ!」とかって、勝手に「オレらのミルス様に、手を出すな!」って、息巻いてるんじゃないかな?
ほら、【FF15】でも居たでしょ?
ルーナのラジオ放送聞いて、何やかんや言ってる男性陣・・・あんな感じ。
正直、彼らの台詞を聞いた時は「いや、お前らルナフレーナ様本人の前では、そんな事よう言わんやろ?」って思ったんですけど・・・同じ様な見た目でも、エイラ相手だったら言えそうじゃない?
だからこそ、誰にも分け隔てなく接してくれるミルスの事が、みんな大好きだった。
そんなミルスを利用しようと近付くソムヌスの事は、正直大嫌いだった。
そして、そんなミルスが入れ込んでいるイズニアの事は、内心「生活の安定しない羊飼いなんて」と思いつつも「でもアイツ、良いヤツだしな・・・」と評価していたり。
何なら「羊飼いなんて辞めて、ミルス様と結婚して・・・この村に残ってくれればイイのにね」なんて、おばちゃん達の井戸端会議では話題になっていた。
勿論、村の神職にあるミルスが、素性の知れない羊飼いなんかと懇意にしている事に対して、渋い顔をする村人も一定数いただろうけど。
村人みんなに共通している意見は「あのソムヌスに嫁にやる位なら、イズニアの方が良い」・・・その程度には、彼は村人たちの信頼を得ていた。
ここで「ん?」ってなるかもしれませんが・・・あの二人、さも「誰も居ないトコで、コッソリ会ってる」ようで、実は村人みんな周知の事実だった。そんなイメージ。
多分、ミルスは隠し事が出来ないと言うか、感情が表情とか行動に出ちゃうタイプなので。
お祈りの合間とかに、着替える間も惜しんで村を飛び出して行ったり。
それこそ件のおばちゃん連中に「羊飼いの彼は、一緒になってくれるつもりは無いのかい?」とか言われて、「そ、そんな関係じゃ・・・!」って、顔を真っ赤にしながらあわわわって否定してそう(勿論、内心嬉し恥ずかし)。
とは言っても、それはミルスに限った話で。
イズニアは基本、村には立ち入らないので、村人たちからそんな風に思われてるとは露知らず。
食料とか生活必需品を仕入れに来た時に、店番の奥さんに「ミルス様、良い娘でしょ~?」とか言われて、他意も無く「そうですね(何でそんな事?)」とか言ってそう(色恋沙汰に疎い&鈍いトコもアーデン似)。
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【村人たちに選ばれたのは、イズニアだった】
本来なら「羊飼いなんかに、大事なミルス様を任せる事は出来ない」・・・村人は、そう渋っただろうけど。
ソムヌスからの強引な婚礼話が進められるにつれ、次第に「いけ好かない貴族の若造にミルス様を奪われる位なら、イズニアに貰ってやって欲しい」「ミルス様が村を捨てる事になってでも・・・彼女を連れて逃げて欲しい」と。
力を持たない村人たちにとって、ソムヌスの村への脅しは確かに恐ろしいけれど。
彼女が居なくなってしまったのなら、キッカケを失った彼の執着も薄れるだろう・・・諦めてくれるだろう。
それに幾らソムヌスが逆上したとしても、何も自分達の命まで取る事は無いだろうから。
「どうか、ミルス様を守ってあげて・・・。」
ミルスの幸せを願う村人たちは、今となっては圧倒的イズニアの味方だった。
でも、そうなると当然ソムヌスが黙ってはいない。
そりゃ婚約者を羊飼いに掻っ攫われたなんて、プライドの高いソムヌスには耐えられないだろうから。
彼は今までは脅しを掛けてでも、一応ミルス側の同意を得ようとはしていた。
因みにこれは「キッカケは何であれ、夫婦になるのだから誠意をもって・・・」という意味では無いです(そんなだったら、とっくに引き下がってる)。
今回の結婚に関しては「ソムヌスがエイラを、自分の領地に連れて行く」のではなく、「この地域を支配する為に、ソムヌスがエイラのトコに来る」方の結婚なので。
結婚後の事を考えれば、村を手中に収める為にも、村人を納得させる為にも「本人は勿論、家の了承も得てミルスと結婚する」という建前が必要だった。
ソムヌスの計画の為には、ミルスと家の了承が必要だった・・・だからこそ、今まで待ってやっていた。
それなのに、彼女は貴族の自分では無く、羊飼いの男を選ぶという。しかも、
「私だけじゃない。
両親も、村の人達も・・・みんな、彼を選んだ。
貴方がこの村に来たところで、誰も貴方を受け入れはしない・・・!」
だからもう、私を自由にして・・・と。
彼女の両親は「その事は、ソムヌスに告げてはいけない」と、言っていた。「彼の気質を思えば、何をするか分からない」とも。
でもミルスはソムヌスに告げてしまった・・・ここまで言えば、きっと諦めてくれる。
言い方を変えれば、ここまで言わないと諦めてくれない。そう思ったから。
だからソムヌスは、イズニアを殺そうとした。
単純に、結婚の障害となっているから・・・何より、自分のプライドが許さなかったから。
で、ここが【エピソード・アーデン】の「ソムヌスがアーデンを殺そうとしたトコに、エイラが割り込んで来て、彼を庇ったエイラが亡くなってしまう」トコとリンクする訳ですが。
ソムヌスは最初からイズニアを殺すつもりで「彼と直接話がしたい」とミルスに持ち掛けた。
その言葉を、村の外を知らない・・・人を疑う事を知らないミルスは信じてしまった。
「まさか あなたを殺そうとするなんて」
こんな事で人を殺そうとするなんて・・・そんな恐ろしい事、思いもしなかった。
でも、予想外だったのはソムヌスも同じで・・・ミルスがイズニアを庇って死んでしまった。
彼女を殺すつもりはなかったんだけど、自分が殺した事に違いないし。
現場を見られるのはマズイので、咄嗟にその場からは逃げ去ったけど。
ミルスが戻らなければ、不審に思った両親や村人たちが捜しに来るだろうし。
何より目撃者であるイズニアが自分を告発すれば、ミルス曰く「自分よりもイズニアの事を信用している村人たち」は、彼の言葉を信じるだろう。
だったら「自分がミルスを殺した」という真相が、明るみに出る前に。
その事実を、何とかして揉み消さなければならない。
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【ソムヌスの言う「化け物」の正体は?】
案の定、ミルスの亡骸を彼女の両親の元に送り届けたイズニアは「事実」を伝えていた。
「ソムヌスが自分を殺そうと斬りかかって来て。
それに気付いた彼女は、自分を庇って・・・。」
彼女が亡くなったのは、自分のせいだと・・・涙して。
そのような事情があっては、いくら貴族の子息とは言え、両親は娘を奪ったソムヌスを放っておく訳にはいかない。
然るべき処罰を求めて訴える・・・その為には、証人としてのイズニアの証言が必要で。
本来イズニアは、村に長居する事はなかったんだけど。
それが「彼女の為に出来る事」「自分にしか出来ない事」ならと、彼女の葬儀後もしばらくの間、村に滞在していた。
その彼女の葬儀に、ソムヌスは姿を現さなかった。
そんな彼の対応に「やっぱりアイツにとってミルス様は、単なる駒に過ぎなかったんだ」と。
憤ると同時に、この村が彼の執着から解放された事に、どこか胸を撫で下ろしていた。
でも、彼は何一つ諦めてはいなかった。
「そいつの言う事は信じるな・・・この化け物め。」
数日後、数人の兵を引き連れて戻って来たソムヌスは、ソムヌスを告発する為の話し合いの場にいたイズニアを無理矢理連行してしまった。
そのあまりの横暴に・・・ミルスの父親は、娘の命を奪ったという男の背に向かって叫んだ。
「貴様を必ず、裁判の場に引き摺り出してやる!」と。
その声にソムヌスは肩越しに振り返ると、嫌な笑みを浮かべてこう言った。
「裁判に掛けられるのはオレじゃない・・・コイツだ。」
という訳で、残念ながらソムヌスではなく、イズニアが裁判に掛けられる事になります。
とは言っても「ちゃんとした裁判」だったら、ソムヌスに「勝ち目」はない。
尤も、元々裁判が「どっちがミルスを殺したか?」って争う場所では無いので「勝ち目」という表現は適切では無いんだけど。
まぁ、このままイズニアを「ミルスを殺した」として裁判に掛けても、そこでイズニアが反証「自分ではなく、彼女を殺したのはソムヌスだ!」って言い出したら。
実際それが事実なので、裁判所という司法の場でそれを覆すとなると・・・いくら二人の間に身分差があっても、色々と面倒な事になるのは目に見えている(貴族の子息だからこそ、足を引っ張られる可能性もあるので)。
だからソムヌスは「ちゃんとした裁判」ではなく、イズニアを「人狼裁判」に掛けた。
つまり「イズニアは人狼で、彼女を襲おうとしていたので、自分は彼女を助ける為に剣を抜いた」「その争いの中、誤って彼女を斬ってしまった」「その場を離れたのは、当局に通報する為だった」と言うのが、ソムヌスの言い分。
で、村人たちにも同じような事を言って、
「最後、自分が騙されていた事に気付いたミルスは考えを改め、
自分に代わって村の事を頼む、と。」
彼女の遺言だとして、上手い具合に村の乗っ取りに成功した、と。
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ここに来て突然の「人狼」という要素ですが・・・これは【エピソード・アーデン】の、過去のアーデンを見て「羊飼いみたい」⇒「羊飼いが化け物」⇒「人狼?」と。
この辺りの一連の流れを追っていくと。
かれこれ三年半ほど前になりますが、【FF8】の記事を書くのに魔女の事を調べた事があって(FF8:[16] 魔女と「月」の関係)
ざっくり言えば、魔女の発端は「薬草や人の身体に詳しかった女性」=「山野の恵みを熟知していて、謙虚な心でそれらを自然から分けて貰い、人々を救う為に施していた女性」って感じ。
つまり魔女の力と言うのは、妙な魔術とか霊的なモノではなくて、どっちかって言うと民間療法に近く。
野草に詳しかったり、その他自然から得られる恩恵を深く理解していて。
そう言った自然の恵みを、困っている人々に授けてくれる・・・本来の魔女とは、そんな心優しい女性たちだった(勿論、諸説ありだろうけど)。
で、魔女の男性版みたいな人狼も、同じ様な存在で(*魔女の男性版が人狼という訳では無く、男性の魔女もいた)。
自然に詳しいという特徴と、羊たちと共に野山を移動し生活しているという特徴が結び付き。
仕事柄一人でいる事が多い&コミュニティーから孤立している事を理由に、疑いの目が向けられ。
羊たちとの生活が優先の為、ミサなどに出られない・・・なんて理由で、羊飼いは真っ先に人狼と疑われてしまう事も多かったとか。
それを頭に置いた状態で書いたのが、旧約 50「奇跡の羊飼い」の昔話で。
あの昔話の一文「すると皆、驚き互いに顔を見合わせた後・・・我が事のように喜び、こう言った。」の、この「驚き互いに顔を見合わせた後・・・」って言うのは、実は「本当に神様みたいだ!」って、喜びの驚きでは無くて。
あまりの奇跡に「あんな怪我が本当に治ってしまうなんて・・・」って言う、暗に人外を疑う意味の驚きだった、と。
後、最後の方に出て来た少女・・・因みに、これはミルスでは無いんですけど(どっちかって言うと、赤毛のアンのイメージ)。
三つ編みで結わえた長い髪の毛先を夕日の赤に透かしながら。少女は無邪気に、こうも言い足した。
「でも、こうすると羊飼いさんと同じ色なの。
だから、今はこの色も好きなんだ!」と。
つまり「奇跡の羊飼い」の髪の色は「赤」だった・・・と、書いている訳ですが。
今でこそ市民権を得て、二次創作なんかでは美男美女も多い「赤毛キャラ」ですが・・・何か宗教的な理由が先なのか、何かあって宗教的にそうなったのかは分からないんですけど。
かつて一部の界隈では、忌み嫌われていたらしいので。
人智を越えた奇跡の力(実際には自然の恵みを利用した民間療法)を持つ、赤毛の羊飼いのイズニアが「人狼だ!」と疑いを掛けられた時。
その人々を救って来た「人外の奇跡の力」が、仇となってしまった。
「いや、確かにアイツは、オレ達の病気や怪我を治してくれたけど。」
「不思議な力・・・と言えば、そうかもねぇ。」
「その不思議な力が、何故、神の力だと言い切れる?
悪魔と契約した、人狼の力だったとしたら?
皆、化け物に騙されているのだ!」
そこをソムヌスは上手く利用した。
「よく見てみろ。
現にソイツの目は、狼の目のようではないか!」
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という訳で、人狼の疑いを掛けられ、人狼裁判に掛けられる事になったイズニアですが。
結論から言えば、無罪放免になります。
何か「え、ここまで引っ張って?!」って感じですが、【FF15】の設定に寄せるとそうなる。
何でかって言うと、イズニアの体を調べても人狼の証拠となる「人狼の印」が見付けられなかったから。
まぁ「人狼の印」が具体的に何なのかは分かりませんが(「魔女のしるし」は、ホクロとかイボだったらしいけど)。
悪魔が憑いている=「人狼の印も、痣みたいなモノ」とイメージした話。
正直、人狼裁判なんて形式的なモノと思っていたソムヌスは「人間、体に痣の一つや二つはあるだろう」・・・つまり裁判にまで持って行けば、イズニアを有罪に出来ると思っていた。
でも縛り上げて数人掛かりで調べ尽くしても、イズニアの体はホクロ一つ無い綺麗な体だし(実際「綺麗過ぎやしないか?」とは思った)。
別に丸いモノ見たり、満月見て変身する訳でもないので・・・結局、イズニアが人狼である決定的な証拠を見付け出す事は出来なかった。
そしてこの「イズニアの体を調べても人狼の証拠となる「人狼の印」が見付けられなかった」って部分を、イメージイラスト(?)の「拘束されたアーデンと、黒衣の男達」に繋げます。
あの、黒い修道士みたいな恰好したオッサンたちが、アーデンに群がってる・・・ある意味、アーデンだから許されてるイラスト(あれがノクティスとかレイヴスだったら、違う意味で犯罪臭)。
あれって【FF15】ベースで見れば「殺しても殺せなかったアーデンを、封印しているトコ」って見えるんだろうけど・・・何か「唯一、病を癒す事が出来た救世主」「初代王になる筈だった男」って触れ込みの男の表情にしては、全然威厳を感じないなと思って。
まぁ、確かに「殺しても殺せなかった」が「ダメージを与えても、即全回復」では無く、「どんな方法を以てしても、死ぬ事は無かった(ボロボロにはなって行く)」なら、この時点では相当ダメージ蓄積してるだろうから、あの表情でも仕方ないのかもしれないけど・・・何て言うか、やっぱり最後まで誇り高くあって欲しいというか、気概を見せて欲しいというか。
で、次に考えたのが「救世主・アーデンに、救いを求めて群がる民衆(ソムヌスに捉えられたアーデンを、解放しようとしてるトコ)」・・・って見方。
これは偶々、回覧板に劇団四季の『ジーザス・クライスト=スーパースター』のチラシが入ってて、アーデンにイエス様のイメージが重なるなら「まぁ、そういう見方も出来るかな?」と。
ただアッチは民衆だろうから、それを「黒衣の修道士」みたいな描き方をする事は無いだろうし。
確かに絵からは、アーデンに対する執念みたいなのは感じるけど・・・熱狂とか心酔では無くて、やっぱり不穏な空気を感じるので。
じゃあ、他の見方・・・ってなると。
修道士みたいな男達が、対象を縛り上げて、体の隅々まで検分する+「何が何でも証拠を見付け出す」みたいな執念=魔女裁判とか、人狼裁判の類かな、って。
それだったら、この絵のアーデンの表情は、
「神よ・・・私は貴方を裏切った事など、一度も無い。
それなのに、何故このような試練を?」
ってなるので、七瀬的には一番スッキリかな、と。
だって突然謂れのない疑いを掛けられて、縛り上げられて・・・「神を裏切る人狼」って決め付け前提で、身体中隈なく調べ尽くされるんだもん(拷問も受けてる?)。
そりゃ、今まで神様を疑う事なんか無かった信心深い人間なら尚更、茫然自失&神様に「何で自分が・・・?」ってなるでしょ?
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でも結局、どれだけイズニアの体を調べ尽くしても、人狼の証拠となる「人狼の印」は見付からなかったし。
その上で、イズニアが悪魔と契約するような人間とは思えない、とても信心深い人物だったので。
裁判の判決としては、ソムヌスの顔を立てる為にも「人狼(かもしれない)」という判断を下したかもしれないけど。
この様な状況に陥って尚、神への祈りを欠かさない彼に対し「これだけ信心深い男なら、人としての人生を取り戻せるだろう」と・・・教会が振るう神の慈悲から、イズニアは証拠不十分として解放された。
これは「人狼裁判=芋づる式にとっ捕まえて来て自白させて処刑」・・・って訳では無く。
実は初期の人狼裁判は「人狼=悪魔に取り憑かれてしまった人(ある意味、被害者)」って考え方もそれなりに罷り通っていたらしいので(途中から「自ら望んで悪魔と契約した(情状酌量の余地なし)」ってなっただけ)。
意外と、実際の人狼裁判も無罪というか・・・「これからは悪魔に付け込まれないよう、気を付ける様に(そうならないよう神様を信じなさい)」って、解放してもらえる事も多かったとか。
まぁ、この辺りの話は「どこで見聞きしたんだっけ?」って、自分でも思い出せない位に曖昧なモノなので、あくまでもイメージと思って頂きたいのですが。
じゃあ、その後のイズニアがどうなったかと言うと・・・彼は「羊飼いとしての使命を果たす為、主を失って路頭に迷っているであろう羊たちを探す旅に出た」です。
イズニアが掛けられていたのは「人狼裁判」であって、ミルスを殺害した犯人云々ではなかった・・・多分、裁く管轄も違うだろうから、この時点で彼は自由の身となった(ソムヌスはまさか無罪になるとは思っていなかったので、次の手を打っていなかった)。
でも解放されたとはいえ、ソムヌスが我が物顔で仕切っているであろう村に戻る事は出来ないし(そもそもイズニアは、あの村の人間では無い)。
やっぱり人の心として「人狼なのかも?」って、思われてた村には近寄り辛いだろうから。
彼は村に立ち寄る事も無く、人知れず羊たちを探す旅に出た。
彼が解放されたとも、勿論解放された後の事も、誰も分からないまま・・・彼は人々の前から姿を消した。
尤も、羊たちを探すとは言っても、羊は基本群れているイメージなので、イズニアが居なくなったからと言って散り散りバラバラにはなってないだろうし。
イズニアの不在中は、頼れる相棒の牧羊犬(アンブラ&プライナ)が、羊たちを守ってくれていただろうけど。
羊たちは餌を求めて移動してしまう・・・いくら優秀な牧羊犬たちでも、その歩みを止める事は出来ないので。
解放されたイズニアは、まずは羊の群れを探さなければならなかった・・・そういう意味。
彼は人々から蔑まされる「羊飼い」という仕事を、神から与えられた天職であり、それが自分が成すべき使命だと考えていた。
だとしたら、彼が羊たちを見捨てるという事は絶対に無い訳です。
何故かと言うと、羊飼いと羊たちの関係は、導き手と迷える人間達の関係に通じるから。
羊飼いが、たった一匹の迷子になった羊を見捨てないのと。
導き手が、たった一人の迷える人間でも見捨てないのは、信心深いイズニアにとっては同じ事なので。
もしかしたら、羊の群れが狼に襲われて。驚きの余り群れから飛び出してしまった羊が、今もどこかで寂しい思いをしているかもしれない。
もしかしたら、子羊がうっかり岩場から足を滑らせて。足を挫いて群に戻れず、一人ぼっちで泣いているかもしれない。
そう思えばこそ、彼は一刻も早く、羊たちの元に戻らなければならなかった。
自らの命に代えても羊たちを守り導く・・・それが神から与えられた「導き手」としての、自分の使命だったから。
この辺り、あまり詳しく書くと宗教色が強くなってしまうので、これ位にしておきますが。
こういったイズニアの考え方・生き様も、「Ardyn is near」=「アーデンに近い」として結び付いてるんじゃないかな、と。
で、最後に【FF15】の10年後の世界でタルコットから聞ける「アーデンの素性」の一文。
「でもその後 シガイとして捕まえられて
いろいろ調べて 結局人間だったみたいなんですが」
に、雑に繋いでおけば良いかな、と。
シガイ(=化け物)として捕まえておいて、いろいろ調べて、結局人間だった・・・ってのは、人狼裁判では不思議な事ではないらしいので。
因みに、羊の群れが狼に襲われた際、羊たちを庇ってボロボロになるのはプライナの方だと思います・・・いつだって可哀想なのは白い方。
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