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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《偽典 16》
- 2024/06/10 (Mon) |
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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【原初の神話の世界:「神様」と「幻獣(聖霊)」の関係】
【人間の想いから生み出された「六神」】
【人間達に翻弄される「幻獣(聖霊)」の末路】
【天より堕とされた、神様の分身「炎神(イフリート)」】
《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
【原初の神話の世界:「神様」と「幻獣(聖霊)」の関係】
【人間の想いから生み出された「六神」】
【人間達に翻弄される「幻獣(聖霊)」の末路】
【天より堕とされた、神様の分身「炎神(イフリート)」】
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前回、補足を挟んでしまったので、ちょっと脱線してしまいましたが・・・。
今回は「このイオスの世界は、神話の時代からおかしかった」のなら、七瀬が想像している「原初の神話の世界」とは、どんな世界なのか?
せっかく神話のお話なので、『FF8 アルティマニア』の「ある日のガーデンの授業風景」を意識して、授業風に書いてみました。
ハイン神話のように、原文と定める文章がある訳では無いのでダラダラ授業ですが・・・ぼんやりとでも、七瀬の頭の中のイメージが伝わればと思います。
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【原初の神話の世界:「神様」と「幻獣(聖霊)」の関係】
昔々の、神話の時代と呼ばれる大昔。
たくさんの神様によって、世界は創造され。
それぞれが役割を果たす事で、世界の秩序は保たれていました。
でも人間達は神様の姿を見る事も、声を聞く事も出来ないので。
どんなに人間達が神様の存在を信じ、慕ってくれても頼ってくれても、神様はそれに見える形で応えてあげる事が出来ません。
それを不憫に思った神様は、人間達の「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に、自身の分身である「人間の目に見える神様=幻獣(聖霊)」を生み出しました。
だから今、人間達が「神様」と思っている神様は、本当は神様自身では無く。
神様が人間の為に遣わせて下さった、神様の分身「幻獣(聖霊)」なのです。
つまり、神様の分身「幻獣(聖霊)」が、人間達の「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に生み出されているという事は。
人間達に「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」と強く広く想ってもらえる神様でないと、神様の分身「幻獣(聖霊)」を生み出す事は出来ないという事。
なので事の成り行きとして、人間達の生活に関わり深い神様が信仰を集め、信仰から宗教が生まれ、宗教により共通の神様のイメージが定着し、その多くの人々の間で強く広く根付いたイメージを基に「幻獣(聖霊)」が生み出され。
時代によるイメージの変化によって姿形を変える事はあっても、その神様への信仰が続く限り、彼ら「幻獣(聖霊)」は「神様」として、神様と人間達を繋ぐ役割を果たして来た。
その代表的な「幻獣(聖霊)」が、今「六神」と呼ばれている「神様」・・・「水神リヴァイアサン」や「巨神タイタン」達、という訳です。
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【人間の想いから生み出された「六神」】
とは言っても、最初から「六神」だった訳ではありません。
人類が生まれて間もない頃、彼らはまだ原始的でした。
だから「生命の源」「生命維持に必須の水」「海・川・湖」といった、自分達にとって身近な「水」のイメージから、「水」を司る神様の分身「水神(リヴァイアサン)」が、一番最初に生み出され。
人間生活の土台を創造し支えてくれている「肥沃な大地」「山・地盤」「巨人(人間には不可能な規模の創造)」といったイメージから、「地」を司る神様の分身「巨神(タイタン)」が生み出され。
生きていく為に空の様子を窺う事を覚えた人間達は、その中で人間にはどうしようもない猛威を振るう「雷・雷鳴」に「天啓」「神罰」といったイメージを重ね、そこから転じて「雷」を司る神様の分身「雷神(ラムウ)」が生み出された。
この自然由来の「三神」が、人間達から「古い神様」と呼ばれる原初の「幻獣(聖霊)」で。
それから時代が進み、「火」を扱えるようになった人類は劇的な進化を遂げ。
「焚火で暖を取る事」「火を使った調理」「猛獣避けの為の火」など、「火」を有効に使う事と、それを考える為の「知恵」が結び付き、そこから「炎(と知恵)」を司る神様の分身「炎神(イフリート)」が生み出され。
「炎神」に対する信仰が一際厚かったからこそ、「炎の勢いをも削いでしまう氷・雪」が力を持ち、対をなす存在として「氷神(シヴァ)」が生み出された。
先の「三神」に、この新しい「二神」を加え・・・更に時代が進むまで、しばらくの間は「五神」として、人間達に信仰される事になったのです。
それから更に更に時代が進み、人間達の集団&組織化が進んだ事で宗教も発展を遂げると、神様を崇める儀式なども確立されるようになり。
人間達は神様への祈りを捧げる為に、石を加工し神器としての「両刃の剣」を創り出した。
すると、やがて信仰心からその「剣」自身が、神聖視されるようになり。
人間達が生み出した「剣」という人工物から、新たな「剣の神様」が生まれ。
その「剣の神様」のイメージから、「剣」を司る神様の分身「剣神(バハムート)」が生み出された。
つまり「六神」最後の「剣神(バハムート)」は、自然由来の他の兄弟神と違って、人間の人工物から生まれた存在なので。
「神様」としてはとても幼く、兄弟姉妹で言えば「年の離れた末っ子(弟)」だったのです。
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【人間達に翻弄される「幻獣(聖霊)」の末路】
こうして人間達に大事に信仰されて来た、「六神」を始めとする「幻獣(聖霊)」達でしたが。
自分の子のように可愛い人間達が「知恵・力」を持ち、自分達に頼らなくても一人前に生きていける様になった事は、親として嬉しい事である一方。
神様なんか必要無いという人間達の思い上がりは、「幻獣(聖霊)」達の悩みの種にもなっていました。
困った事に、人間自身が「知恵・力」を持った事により、神様に頼らなくても自分達で何でも出来ると思うようになってしまった結果。
人間達の信心が得られなくなった事で、多くの神様の「幻獣(聖霊)」が姿を保てなくなってしまったのです。
勿論、神様は神様なので、人間がどうこう出来る存在ではなく。
人間の行いによって、神様そのものが消えてしまう事は無いんだけど。
神様の分身「幻獣(聖霊)」は、人間達の「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に生み出されているので。
人間達からの想いが得られなくなった「幻獣(聖霊)」は姿を失ってしまう・・・というのは、それが世界の理なので仕方がない事だったし。
そもそも「幻獣(聖霊)」が生まれた経緯が、人間達の信心に対して、目に見える形で応える為に「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に、自身の分身「幻獣(聖霊)」を生み出した・・・なので。
人間達が「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」とすら想ってくれないのなら、「幻獣(聖霊)」なんて必要ないのではないか?
神様に頼らなくても自分達で何でも出来ると思うようになった人間達は、もう「幻獣(聖霊)」なんて必要としていないのではないか?
神様にとっての「幻獣(聖霊)」の存在理由を考えても、人間達からの想いが得られなくなった「幻獣(聖霊)」が姿を失ってしまうのは、ある意味仕方がない事だった。
更に時代が進むと、人間達は知恵・武力を用いて、人間同士で争うようになってしまった。
敵対者を陥れる為に知恵を絞り、敵対者を無力化する為に武力を振るう。
「人間達は、誤った方向に賢くなってしまったのかもしれない。」
そんな人間達を憂いだのは、人間に「知恵を授けた神」とされる「炎神(イフリート)」だった。
でも「幻獣(聖霊)」が神様の分身である以上、彼らは神様の意志に背いて、人間に直接介入する事は出来ないので。
人間同士で争う姿を見るのは辛く悲しい事だったけど・・・人間達がその道を選ぶのなら、それもやむを得ない事だった。
そんな時代が続き、どれくらいの時が流れたのか?
戦いに明け暮れる人間達は、自分達が神器として生み出した「両刃の剣」を、人間を殺める為の武器として「片刃の剣」に作り変え。
嘗て「剣」を介して神様に捧げられた祝詞は、敵対者に対する怒号と悲鳴で塗り替えられた。
そこにはもう、嘗ての「剣の神様」に対する信仰なんてものは無くて。
遂に「炎神(イフリート)」は、他の兄弟神の制止を振り払ってまで、人間達の悪しき知恵・武力・・・つまり文明を奪おうとした。
嘗て自分が人間達に与えた「知恵」を奪う事で、人間達の争いを食い止めようと考えた。
何も、人間を滅ぼしたかった訳では無くて・・・もう一度、やり直して欲しかっただけ。
「剣」が血に塗れる事で、大事な存在が苦しみ悲しんでいる。
それをただ見ているだけなんて、そんな事はどうしても出来なかったから。
そうして「炎神(イフリート)」と、それを止めようとする兄弟神の間で争いが起こり。
人間世界に甚大な被害を与えた「神々の戦」の真相が、まさか「神様達の壮大な兄弟喧嘩(人間は巻き添え)」だったなんて思えもしない人間達は。
勝手に「炎神(イフリート)」対「人類」という構図を生み出し、そういった自覚があったからこそ、勝手にこう考えた。
「きっと人間が神様を蔑ろにしたから、お怒りになったに違いない。」
「神を排斥しようなどと言う傲慢さが、神の逆鱗に触れたのだ。」
人間が人間である以上、人間の尺度でしか考える事が出来ないから。
そう考える事しか出来ず、そうに違いないと思い込み、そうだと決め付けてしまった。
本当は、人間達の自分勝手な幻想から、幼い弟神を守ってやりたいだけだった。
でも、全てを敵に回してまで「炎神(イフリート)」が戦った理由が「弟を守る為」だったなんて・・・そんな理由、人間達に理解出来る筈が無かった。
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【天より堕とされた、炎神の分身「炎神(イフリート)」】
後の世で「魔大戦」と呼ばれる、神々の戦い・・・それは「炎神(イフリート)」側の敗北という形で終結を迎えたものの、神々の争いの影響は大きなもので。
人間達の世界は大きな被害を受け、それは一国を滅ぼしたと伝えられる規模のものとなった。
当然「自分達が、神様を蔑ろにしたせいで・・・」と勘違いしていた人間達は、自分達の行いを悔い改め、困った時の神頼み・・・ではないけど、再び神様を信仰するようになり。
現実的にも、他者・他国と争っている場合ではない程の被害&国家の分裂の危機に瀕していたので。
今一度、国家の結束を固める為にも、統治者は人々の神様への信仰を利用した。
改めて「神様」という存在を立てる事で、未だ迷い苦しむ人々に未来への希望を与えようと考えた。
でもそこには嘗て「六神」の中でも主神とされていた「炎神(イフリート)」の存在は無く、絵画や経典からも抹消されてしまっていた。
だって、人間を滅ぼそうとした神様を信仰の対象にする事なんて、そんな事は許されなかったから。
「地に落ち、闇に塗れた神に。
人間を導き、救う事など出来はしない。」
そんな神様・・・一体誰が信じ、誰が付き従うと言うのか?
人間達の勘違いであっても、人間達が「炎神(イフリート)=人間を滅ぼそうとした神様」と思っている以上、そのイメージが修正されない限り、彼は「人間を滅ぼそうとした神様」・・・それがこの世界の現実だったのです。
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以上が、七瀬が想像している「原初の神話の世界」なんですが。
これはあくまでも「人間サイドから見た物語」というニュアンスです。
何て言うか・・・確かに「神様」と「幻獣(聖霊)」の関係とか、「六神の誕生」「魔大戦の真相」といった、上の世界の存在にしか分からないような内容まで書いてはいるけど。
それも結局「人間サイドの解釈」に過ぎず、真の「当事者たちの告白」では無い・・・って感じ。
なので次回「当事者たちの告白」・・・つまり「六神達から見た、原初の神話の世界」を書いてみて。それでもやっぱり、
「ちゃんと補足書かないと、意味分かんないよな・・・。」
って思ったら、補足として「何でそういう解釈になったのか?」を、書こうと思っています。
前回、補足を挟んでしまったので、ちょっと脱線してしまいましたが・・・。
今回は「このイオスの世界は、神話の時代からおかしかった」のなら、七瀬が想像している「原初の神話の世界」とは、どんな世界なのか?
せっかく神話のお話なので、『FF8 アルティマニア』の「ある日のガーデンの授業風景」を意識して、授業風に書いてみました。
ハイン神話のように、原文と定める文章がある訳では無いのでダラダラ授業ですが・・・ぼんやりとでも、七瀬の頭の中のイメージが伝わればと思います。
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【原初の神話の世界:「神様」と「幻獣(聖霊)」の関係】
昔々の、神話の時代と呼ばれる大昔。
たくさんの神様によって、世界は創造され。
それぞれが役割を果たす事で、世界の秩序は保たれていました。
でも人間達は神様の姿を見る事も、声を聞く事も出来ないので。
どんなに人間達が神様の存在を信じ、慕ってくれても頼ってくれても、神様はそれに見える形で応えてあげる事が出来ません。
それを不憫に思った神様は、人間達の「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に、自身の分身である「人間の目に見える神様=幻獣(聖霊)」を生み出しました。
だから今、人間達が「神様」と思っている神様は、本当は神様自身では無く。
神様が人間の為に遣わせて下さった、神様の分身「幻獣(聖霊)」なのです。
つまり、神様の分身「幻獣(聖霊)」が、人間達の「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に生み出されているという事は。
人間達に「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」と強く広く想ってもらえる神様でないと、神様の分身「幻獣(聖霊)」を生み出す事は出来ないという事。
なので事の成り行きとして、人間達の生活に関わり深い神様が信仰を集め、信仰から宗教が生まれ、宗教により共通の神様のイメージが定着し、その多くの人々の間で強く広く根付いたイメージを基に「幻獣(聖霊)」が生み出され。
時代によるイメージの変化によって姿形を変える事はあっても、その神様への信仰が続く限り、彼ら「幻獣(聖霊)」は「神様」として、神様と人間達を繋ぐ役割を果たして来た。
その代表的な「幻獣(聖霊)」が、今「六神」と呼ばれている「神様」・・・「水神リヴァイアサン」や「巨神タイタン」達、という訳です。
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【人間の想いから生み出された「六神」】
とは言っても、最初から「六神」だった訳ではありません。
人類が生まれて間もない頃、彼らはまだ原始的でした。
だから「生命の源」「生命維持に必須の水」「海・川・湖」といった、自分達にとって身近な「水」のイメージから、「水」を司る神様の分身「水神(リヴァイアサン)」が、一番最初に生み出され。
人間生活の土台を創造し支えてくれている「肥沃な大地」「山・地盤」「巨人(人間には不可能な規模の創造)」といったイメージから、「地」を司る神様の分身「巨神(タイタン)」が生み出され。
生きていく為に空の様子を窺う事を覚えた人間達は、その中で人間にはどうしようもない猛威を振るう「雷・雷鳴」に「天啓」「神罰」といったイメージを重ね、そこから転じて「雷」を司る神様の分身「雷神(ラムウ)」が生み出された。
この自然由来の「三神」が、人間達から「古い神様」と呼ばれる原初の「幻獣(聖霊)」で。
それから時代が進み、「火」を扱えるようになった人類は劇的な進化を遂げ。
「焚火で暖を取る事」「火を使った調理」「猛獣避けの為の火」など、「火」を有効に使う事と、それを考える為の「知恵」が結び付き、そこから「炎(と知恵)」を司る神様の分身「炎神(イフリート)」が生み出され。
「炎神」に対する信仰が一際厚かったからこそ、「炎の勢いをも削いでしまう氷・雪」が力を持ち、対をなす存在として「氷神(シヴァ)」が生み出された。
先の「三神」に、この新しい「二神」を加え・・・更に時代が進むまで、しばらくの間は「五神」として、人間達に信仰される事になったのです。
それから更に更に時代が進み、人間達の集団&組織化が進んだ事で宗教も発展を遂げると、神様を崇める儀式なども確立されるようになり。
人間達は神様への祈りを捧げる為に、石を加工し神器としての「両刃の剣」を創り出した。
すると、やがて信仰心からその「剣」自身が、神聖視されるようになり。
人間達が生み出した「剣」という人工物から、新たな「剣の神様」が生まれ。
その「剣の神様」のイメージから、「剣」を司る神様の分身「剣神(バハムート)」が生み出された。
つまり「六神」最後の「剣神(バハムート)」は、自然由来の他の兄弟神と違って、人間の人工物から生まれた存在なので。
「神様」としてはとても幼く、兄弟姉妹で言えば「年の離れた末っ子(弟)」だったのです。
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【人間達に翻弄される「幻獣(聖霊)」の末路】
こうして人間達に大事に信仰されて来た、「六神」を始めとする「幻獣(聖霊)」達でしたが。
自分の子のように可愛い人間達が「知恵・力」を持ち、自分達に頼らなくても一人前に生きていける様になった事は、親として嬉しい事である一方。
神様なんか必要無いという人間達の思い上がりは、「幻獣(聖霊)」達の悩みの種にもなっていました。
困った事に、人間自身が「知恵・力」を持った事により、神様に頼らなくても自分達で何でも出来ると思うようになってしまった結果。
人間達の信心が得られなくなった事で、多くの神様の「幻獣(聖霊)」が姿を保てなくなってしまったのです。
勿論、神様は神様なので、人間がどうこう出来る存在ではなく。
人間の行いによって、神様そのものが消えてしまう事は無いんだけど。
神様の分身「幻獣(聖霊)」は、人間達の「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に生み出されているので。
人間達からの想いが得られなくなった「幻獣(聖霊)」は姿を失ってしまう・・・というのは、それが世界の理なので仕方がない事だったし。
そもそも「幻獣(聖霊)」が生まれた経緯が、人間達の信心に対して、目に見える形で応える為に「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」という想いを基に、自身の分身「幻獣(聖霊)」を生み出した・・・なので。
人間達が「〇〇という神様は、きっとこんな神様に違いない」とすら想ってくれないのなら、「幻獣(聖霊)」なんて必要ないのではないか?
神様に頼らなくても自分達で何でも出来ると思うようになった人間達は、もう「幻獣(聖霊)」なんて必要としていないのではないか?
神様にとっての「幻獣(聖霊)」の存在理由を考えても、人間達からの想いが得られなくなった「幻獣(聖霊)」が姿を失ってしまうのは、ある意味仕方がない事だった。
更に時代が進むと、人間達は知恵・武力を用いて、人間同士で争うようになってしまった。
敵対者を陥れる為に知恵を絞り、敵対者を無力化する為に武力を振るう。
「人間達は、誤った方向に賢くなってしまったのかもしれない。」
そんな人間達を憂いだのは、人間に「知恵を授けた神」とされる「炎神(イフリート)」だった。
でも「幻獣(聖霊)」が神様の分身である以上、彼らは神様の意志に背いて、人間に直接介入する事は出来ないので。
人間同士で争う姿を見るのは辛く悲しい事だったけど・・・人間達がその道を選ぶのなら、それもやむを得ない事だった。
そんな時代が続き、どれくらいの時が流れたのか?
戦いに明け暮れる人間達は、自分達が神器として生み出した「両刃の剣」を、人間を殺める為の武器として「片刃の剣」に作り変え。
嘗て「剣」を介して神様に捧げられた祝詞は、敵対者に対する怒号と悲鳴で塗り替えられた。
そこにはもう、嘗ての「剣の神様」に対する信仰なんてものは無くて。
遂に「炎神(イフリート)」は、他の兄弟神の制止を振り払ってまで、人間達の悪しき知恵・武力・・・つまり文明を奪おうとした。
嘗て自分が人間達に与えた「知恵」を奪う事で、人間達の争いを食い止めようと考えた。
何も、人間を滅ぼしたかった訳では無くて・・・もう一度、やり直して欲しかっただけ。
「剣」が血に塗れる事で、大事な存在が苦しみ悲しんでいる。
それをただ見ているだけなんて、そんな事はどうしても出来なかったから。
そうして「炎神(イフリート)」と、それを止めようとする兄弟神の間で争いが起こり。
人間世界に甚大な被害を与えた「神々の戦」の真相が、まさか「神様達の壮大な兄弟喧嘩(人間は巻き添え)」だったなんて思えもしない人間達は。
勝手に「炎神(イフリート)」対「人類」という構図を生み出し、そういった自覚があったからこそ、勝手にこう考えた。
「きっと人間が神様を蔑ろにしたから、お怒りになったに違いない。」
「神を排斥しようなどと言う傲慢さが、神の逆鱗に触れたのだ。」
人間が人間である以上、人間の尺度でしか考える事が出来ないから。
そう考える事しか出来ず、そうに違いないと思い込み、そうだと決め付けてしまった。
本当は、人間達の自分勝手な幻想から、幼い弟神を守ってやりたいだけだった。
でも、全てを敵に回してまで「炎神(イフリート)」が戦った理由が「弟を守る為」だったなんて・・・そんな理由、人間達に理解出来る筈が無かった。
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【天より堕とされた、炎神の分身「炎神(イフリート)」】
後の世で「魔大戦」と呼ばれる、神々の戦い・・・それは「炎神(イフリート)」側の敗北という形で終結を迎えたものの、神々の争いの影響は大きなもので。
人間達の世界は大きな被害を受け、それは一国を滅ぼしたと伝えられる規模のものとなった。
当然「自分達が、神様を蔑ろにしたせいで・・・」と勘違いしていた人間達は、自分達の行いを悔い改め、困った時の神頼み・・・ではないけど、再び神様を信仰するようになり。
現実的にも、他者・他国と争っている場合ではない程の被害&国家の分裂の危機に瀕していたので。
今一度、国家の結束を固める為にも、統治者は人々の神様への信仰を利用した。
改めて「神様」という存在を立てる事で、未だ迷い苦しむ人々に未来への希望を与えようと考えた。
でもそこには嘗て「六神」の中でも主神とされていた「炎神(イフリート)」の存在は無く、絵画や経典からも抹消されてしまっていた。
だって、人間を滅ぼそうとした神様を信仰の対象にする事なんて、そんな事は許されなかったから。
「地に落ち、闇に塗れた神に。
人間を導き、救う事など出来はしない。」
そんな神様・・・一体誰が信じ、誰が付き従うと言うのか?
人間達の勘違いであっても、人間達が「炎神(イフリート)=人間を滅ぼそうとした神様」と思っている以上、そのイメージが修正されない限り、彼は「人間を滅ぼそうとした神様」・・・それがこの世界の現実だったのです。
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以上が、七瀬が想像している「原初の神話の世界」なんですが。
これはあくまでも「人間サイドから見た物語」というニュアンスです。
何て言うか・・・確かに「神様」と「幻獣(聖霊)」の関係とか、「六神の誕生」「魔大戦の真相」といった、上の世界の存在にしか分からないような内容まで書いてはいるけど。
それも結局「人間サイドの解釈」に過ぎず、真の「当事者たちの告白」では無い・・・って感じ。
なので次回「当事者たちの告白」・・・つまり「六神達から見た、原初の神話の世界」を書いてみて。それでもやっぱり、
「ちゃんと補足書かないと、意味分かんないよな・・・。」
って思ったら、補足として「何でそういう解釈になったのか?」を、書こうと思っています。
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