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落書き帳の10ページ目

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FF15:レガリア(TYPE-F)で1000年の時を超える話《旧約 59》

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《今回の御品書き (FF15・二次創作モドキです) 》
 【「自分達の時代」への帰還】
 【「自分達の時代」から「10年後」の世界】
 【「時間のズレ」という、時間のカラクリ】
 【「10年前」と「10年後」・・・2枚の記念硬貨】
 【イズニアが探し求めた「神様」の話】

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 前回の記事で書いたように、ここからは「~END~表示後、1分間何もせずに待ち続けると追加EDが入る」というイメージのオマケになります。
 今の時代「EDの後、わざわざ1分間待つ」という行為に、どれだけの意味を見出せるのか分かりませんが。
 ここまで来たら最後「ノクトの為に、1分間待つ」・・・「1分間」ではあるけど「待つ」事で、彼と一緒に「時間の経過」を感じて頂ければと思います。

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【「自分達の時代」への帰還】
 ここは「ちゃんと帰れた」のを前提に端折ります。
 何か「ノクト達の最終目的だったのに?」って感じもしますが・・・ぶっちゃけ「研究所に戻って来たノクト達と、研究員達との感動の再会シーン」って、さほど興味ないと思うので。
 今回の「ifエンド」としては、「新たなルシス王子の誕生」で締める方が収まりが良いだろうし。
 今回のオマケとしても、わざわざ其処を挟むよりも、さっさと核心に進んだ方がスマートだろうなって。

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【「自分達の時代」から「10年後」の世界】
 と言う訳で、オマケのスタートは「自分達の時代」ではなく、その「10年後」の世界から。
 冒頭に書いた「1分間待つ事で、ノクトと一緒に時間の経過を感る・・・云々」って言うのは、この事で。
 END表示の後「何かオマケがあるかもしれないと思って待っていた1分の間に、実はゲーム内部でノクトにとっての10年が過ぎていた」という意味になります。
 つまり、今回の二次創作では「ノクトはクリスタルの中で眠りに就いていない=10年後の世界にはなっていない」ので。
 最後の最後「10年の時間経過をココに持って来る」⇒使わず仕舞いになっていた「10年後のノクト(30歳)」をココで登場させます。

 で、場所は・・・七瀬は最初、北極or南極のイメージだったんですが。
 それって要は「一面の氷の大地」という事なので・・・「イオスの世界」で言えば、シヴァの氷像が眠っていた(?)トコら辺かな。
 何せ寒いトコなので、ノクトはちゃんとスーツの上にコートを着込んでご訪問。
 勿論、こんなトコは一般人がスーツを着て訪れるような場所では無く・・・じゃあ、遠路遥々こんな極寒の地に、ノクトが何をしに来たかと言うと「10年」振りに、ある人物に会う為。

 その人物とは二匹の犬(アンブラ&プライナ)を連れ(旧約 9)、近年浮上した「永久凍土の下に眠ると噂されている、遺物の発掘調査」の為にこの地を訪れている「考古学者」で。
 どこか一か所に留まるのではなく。
 何かを探し求める様に活動拠点を転々と変える彼の居場所を突き止めるのに、何だかんだで「10年」もの年月が過ぎていた。
 尤も・・・「10年」も掛かってしまったのには、他にも理由があるのだけど。

 調査に夢中の主人よりも先に、二匹の犬たちがノクトに気付き出迎える。
 こんな状況で連れ歩いているのだから、番犬代わりなのかと思ったけど・・・警戒して吠えるどころか、まるでノクトの事を知っているかのような歓迎振りで。
 足止めを喰らう事も無く、拍子抜けする位にアッサリと目的の人物の背後まで来てしまって・・・複雑な想いから、なかなか最初の言葉が出て来ない。
「・・・アーデン。」
 それでもやっとの思いで、しゃがみ込んで氷の塊の下を覗き込む彼の背に声を掛けると・・・、
「同業者・・・には見えないけど。
 オレに何か用かな?」
 ゆったりとした所作で立ち上がり、振り返った彼の顔を見て・・・ノクトは思わず目を見張った。

 驚くんだろうな・・・とは、自分でも思っていた。
 でも「予想していた驚き」とは「違う意味」でノクトは驚いた。
 だって目の前の彼は、過去の世界で「炎神・イフリート」と呼ばれた神と、あまりに瓜二つだったから。

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【「時間のズレ」という、時間のカラクリ】
 ノクトがイズニアさんを探し出すのに「10年」も掛かってしまった理由は、単純に「彼の年齢設定を誤っていた」から。
 自分達の時代に戻って来たノクトは、まず「イズニア」を捜すにあたって「彼の年齢設定を、自分が知るイズニアの年齢付近」に絞っていた。
 要はあまりに「胡散臭い中年のオッサン」のイメージ&最初に受け取った「記念硬貨」のせいで「同じ時代から来た人間」と思い込んでいた事もあって、ノクトは当たり前に「アーデンって名前の40~50歳位の考古学者で、しかもタイムマシン界隈にも顔が効く男を捜している」というような条件で捜していた、と。

 でもそれは、タイムマシンで時間を移動する事によって生じる「時間のズレ」を考えれば、意味がない事で。

 この時代・・・つまり「正しい時間軸」でのイズニアは、「ノクト(30歳)」よりも「年下(28歳)」だったから。
 いくら「アーデンという名の40~50歳位の考古学者」を捜しても、見付かる筈が無かった・・・と。

 とは言え、その事はもう既に分かっていた・・・「もしかしたら?」って気付く事が出来たからこそ、こうやって「10年」越しにイズニアと再会する事が出来た訳だし。
 ノクト自身「自分より若いなんて・・・分かってても、やっぱり驚いちまうんだろうな」って、覚悟も出来ていた(あんだけ中年のオッサン言ってただけに)。

 でも実際に目にしたら・・・驚いたのは、そんな程度の事では無くて。
 何で、この時代の「イズニア」が「炎神・イフリート」と・・・まるで「同一人物」の様に似ているのか?
 過去の世界では、確かに「イズニア」と「炎神・イフリート」は一緒に行動していたけど、両者の顔を見ても「同一人物」だなんて思う事は無かった。
 あの頃は、あまりに「年齢が離れて見えていた」から、気付けなかっただけ・・・なのか?

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【「10年前」と「10年後」・・・2枚の記念硬貨】
「お~い、ねぇ、大丈夫?」
 イズニアの顔を見るなり固まってしまったノクトだったけど・・・自分を覗き込む彼の瞳の色に引き戻され、
「あぁ、何でも無い・・・。
 借りてた物を、返しに来たんだ。」
 この為に来たのだから・・・ずっと借りっぱなしになっていた「2枚の記念硬貨」を、本来の持ち主である彼に返しておく。

 1枚は初めて会った時に渡された「ノクト達の時代の記念硬貨」・・・今から10年前、ノクト達が20歳の頃に発行された物。
 もう1枚は最後に受け取った「まだ存在しない筈の記念コイン」・・・今から10年後、ノクト達が40歳の頃に発行される筈の物。

 何時また必要になるか、分からないから。
 必要になる未来があるかもしれないなら、ちゃんと返しておいた方がいい。
 いつでも、道(ルート)は繋いでおく方が「夢があってイイ」んだから。

「・・・貸した覚えはないけど。
 そういう事なら、受け取っておこうかな。」
 考古学者なだけあって、観察眼は鋭いので・・・覚えのない男から渡された「10年後に発行される筈の記念コイン」には、流石に怪訝な表情を浮かべたものの。
 嘗ての彼と同じように飄々とした態度で受け流し、「2枚の記念硬貨」はコートのポケットの中に。

 あるべき物を、あるべき場所へ・・・あるかもしれない、いつかどこかの世界の為にも。

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【イズニアが探し求めた「神様」の話】
 ノクトが10年掛かってでも「記念硬貨を返す事」に拘ったのは、やっぱり「これを返す事で、やっと決着が付く」と言うか・・・実際、今のイズニアに感謝を伝えても全く理解して貰えないので。どっちかって言うとノクト自身の「自分の心の整理」って側面が強いのかな、と。

 という事は、これにて「目的は達成した」という事なんですけども。
 こんな極寒の辺境の地まで来ておいて、記念硬貨2枚だけ返して「じゃ、そういう事で。お疲れさん」ってのも味気ないので(ノクトならやりそうだけど)、
「で・・・こんなトコで、何を探してるんだ?」
 当たり障りのない普通の世間話感覚で、当たり前の疑問を聞いてみたらイイと思います。
 まぁ、男性感覚だと「わざわざ世間話をしてまで、場を繋げなきゃならない」って思わないのかもしれないけど・・・考古学的な難しい話には興味無くても、目の前の「本来のイズニア=考古学者」って部分に興味があるなら、聞いておいても良いかなと。

 でも、どんなオタクでも「自分の守備範囲」の事は、色々話をしたくなっちゃう傾向がある上に。この人は困った事に「生来の人たらし」なので・・・これまた上手く「自分の世界」に、聞き手を引き込むんだろうなって(見た目が「胡散臭い中年のオッサン」じゃない分、効果上がってそう)。

 と言う訳で、ここからはイズニアの回想シーンを交えながら・・・。
「創世記絵画・・・って知ってる?
 ウチにはこれのレプリカが飾られていて。
 オレは子供の頃から、この絵が大好きだったんだ。」
 積み木で遊んでいた2歳の頃、殴り書きみたいな絵を描いていた4歳の頃、絵本を読んでいた6歳の頃・・・物心つく前から、創世記絵画の下が彼の居場所だった。
 確かに幼い彼には難しい事は分からなかったけど。色々な登場人物が描かれた創世記絵画を見ていると「この絵は、どういうお話を描いた絵なんだろう?」って・・・色々な「お話」や「設定」を想像するのが楽しかった。

 そんな調子なので・・・当然、大きくなったら創世記絵画の事を調べるようになり(所謂天才なので10歳位でもう、本格的に調べてそう)。
 色々な資料や文献を読み漁るうちに、彼はある事実に行き当たった。それが・・・、
「でもこの絵画は、描かれていた筈の神様が、
 一柱消されてしまってるんだ。
 ・・・後世の人間による、記憶の破壊によってね。」
 その事実を知って、彼は子供心にとてもショックを受けた。
 だってそれは、自分が幼少の頃から思い描いてきた世界には「最初から足りない神様が居る」・・・消されてしまったせいで気付いてもらえない、居なかった事にされてしまった「仲間外れにされた神様が居る」という事だから。

「オレは子供の頃から、ずっと捜してるんだ。」
「絵画から消された神様は、どんな神様だったのか。
 その神様は何で消されなきゃ、ならなかったのか・・・って。」
 どうしても、その「人々の記憶から消された神様」の事が知りたくて。
 その神様をもう一度、皆の所に・・・創世記絵画の中に戻してあげたくて。
「だってさ・・・。
 もし、今でも一人ぼっちだったら・・・可哀想じゃないか。」

 あるべき物を、あるべき場所へ・・・あるかもしれない、いつかどこかの世界の為に。

 過去を調べる為に「考古学」を、神様の事を知る為に「宗教学」を。
 いつかはタイムマシンで過去に行けるかもしれない・・・そうなった時の為に「物理学」「機械工学」「人類学」「歴史学」を修め。
 過去の世界で困らない様にと、生きて行く為に必要になるであろう「生物学」「医学・薬学」など・・・子供の頃から、彼は「その神様」に会う為の努力を惜しまなかった。
 そして自らの手で真実を手繰り寄せる為、大人になった彼は「考古学者」の道を選び。
 こうして一人「人々の記憶から消された神様」の事を想って、様々な遺跡や遺物の研究調査をしている。
 繋がるかは分からない・・・でも「過去の記憶・記録」を調べる事で、少しでも「その神様」の真実に近付けると信じて。

 そんなイズニアの告白を聞いて・・・彼が人生を掛けて追い求める「絵画から消された神様」の事を、ノクトは当然知っているんだけど。
「そうか・・・見付かるといいな。
 その神様も待ってるだろ、アンタが見付けてくれるのを。」
 今の「自分の正直な想い」だけを告げて・・・今の「人々の記憶から消された神様」つまり「炎神」の事には触れなかった。

 でも、その言葉があまりに自分らしく無くて・・・居心地の悪さを誤魔化すように、先程まで彼が調べていた「たくさんの、砕けた氷塊が転がる場所」の下に視線を落とすと。
 そこには永久凍土と呼ばれている「今尚、溶けない氷の湖」が広がっていて。
 よくよく目を凝らすと、いつから閉じ込められているのか・・・嘗ての世界で見た「青い花」が一輪。確かあれは・・・、
 
「・・・見付けてくれて、有難う。」
「え?」
「オレも、頑張るよ。
 忘れない・・・絶対に見付けてみせるから。」

 美しくも・・・どこか「創り物めいた、夢の象徴」を思わせる、ジールの花が。
 あったかもしれない、いつかどこかの世界の「記憶・想い出」を抱いて・・・ひっそりと永遠の眠りに就いていた。

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