忍者ブログ

落書き帳の10ページ目

◆無断転載 禁止(ご確認下さい)◆ https://xxaoixx.blog.shinobi.jp/Entry/73/

FF8:[12] シュミ族の長老は、何故『ラグナ像』を作ろうと思った?

■□■□■□■□■□■□■□■□

*カテゴリー【ゲーム語り】は、ネタバレを含みます。ご注意ください*

*本ブログは『個人の妄想設定』を基に、勝手に妄想物語を夢見て踊らされているだけです。公式や既存の説を否定するつもりはありませんので、そっとしておいて下さい*

■□■□■□■□■□■□■□■□

【七瀬の妄想による筋書き】
①『ラグナ像』を作ればラグナ殿が我々を引き付ける理由が分かると思ったから(ただしそれは今ではなく「そのうち」)。
②でも長老は何で、『ラグナ像』を未来に託すことで「ラグナ殿が我々を引き付ける理由」が分かると思ったの?
③『ラグナ像』一連のイベントで伝えたかったのは、「事実の継承」と「幻想の派生」?

 気になる方は【・・・続きを読む】から、お願いします。

■□■□■□■□■□■□■□■□

 この疑問の回答は、きちんと本編に示されています。長老からラグナとシュミ族の村との関係を聞いた後、「そうなのかもしれないが・・・・・・ では、なぜ像を作ってるんだ?」と、問いかけるスコールに対してシュミ族の長老は、

「ふぉふぉふぉ・・・・・・確かに不思議ですな。
 理解していただけるかどうかは、わかりかねますが・・・・・・」
「ラグナ殿は強いエネルギーを発しているように見えました。
 人を引き付ける『何か』です」
「それが『何』なのか、全くわかりません。
 だからこそ、ラグナ像を作ってみようと思ったのです」
「そのうち、ラグナ殿が我々を引き付ける理由が
 見えてくるような気がするから・・・・・・ですか」
 と答え、スコールが、
(あのラグナが・・・・・・
 俺からは話をしない方が良さそうだな)

 と考え込むところで終了。長老の家を出ようとすると長老に引き留められ、「折角だから贈り物がしたいが、何もしない者には何も与えない風習になっているので、『工房』(=ラグナ像の制作)を手伝ってやってほしい」というような話を持ち掛けられる流れになっています。
 つまり「長老がラグナ像を作ろうと思った理由」は示されていますが、「そのうち」という事は長老自身「今、ラグナ像を作ったからと言って直ぐに「ラグナ殿が我々を引き付ける理由」が分かるわけではない」=「今現在では、この像を作って本来得たかった「ラグナ殿が我々を引き付ける理由」が分かるかは分からない。でも「そのうち」見えてくるような気がするから作ろうと思った」と言っている訳です。

■□■□■□■□■□■□■□■□

 ただこのやり取りの中で、もう一つの疑問が浮かび上がってきます。それは「長老がラグナ像を作れば真相が分かると思った理由です。
 「そのうち」見えてくるような気がするという事は、真相を今ではなく未来に託しているという事です。その未来がどれ位の未来なのかは長老自身定かではないと思いますが、仮に三世代後だとします。
 では
三世代後ラグナ像を見たシュミ族の人たちは、このラグナ像からどのような『ラグナの像(=イメージ)』を掴み取るでしょうか?
 もしもラグナ殿が我々を引き付ける理由」ラグナ像から得られる情報、つまり容姿や表情、ポーズといった「実体(=実際に確認して分かる部分)」にあるのなら、ラグナの事を知らない三世代後のシュミ族の人たちもこのラグナ像に長老曰く
「人を引き付ける『何か』」を感じる筈です。
 逆にこのラグナ像を見た
ラグナの事を知らない三世代後のシュミ族の人たちが、「ラグナって俳優さんが好きなヤツが作ったのかな?俺は別に好きじゃないけど。」とか、「銃を振り上げて喜んでるなんて、とんでもないヤツに違いない」とか、更に進んで「過去にこの村に攻めて来た軍の司令官で、自分を称える像として無理矢理作らせたんじゃないか?」というような、長老が思う『ラグナの像(=イメージ)』から掛け離れたイメージが独り歩きするようになっていたとすれば・・・「ラグナ殿が我々を引き付ける理由」は「『ラグナ像』(=実際に確認して分かる部分)には無い部分にある」という事になる。・・・そう考えたんじゃないでしょうか?
 単純に考えれば「性格とかバックグラウンドも分からんのに、そんなラグナ像だけで『ラグナの像(=イメージ)』が伝わる訳ないやん。」ってなる訳ですが・・・ラグナの不思議な強いエネルギーの本質が何にあるか本当に分からなかった長老は、「ラグナ像でどのような『ラグナの像(=イメージ)』が生まれるのか?それによって、ラグナの魅力の本質を掴もうとしたのではないか?」と、七瀬は思う訳です。

 スコールがシュミ族の村を訪れた際にラグナ像を作っていたのは、『長老のおつき』でも『ツクリテ』でもなく『像を造る者』です。
 次に『5つの石』のイベントの後、『長老のおつき』がラグナ像建造の手伝いに派遣されますが、彼は嫌々で仕事放棄。長老の使いでやって来たムンバのお願いによって、ようやく作業を開始します。
 そんなやり取りを見て「嫌な事を押しつけても仕方がないと思うが・・・・・・」と言うスコールに対し長老は、
「ふぉふぉふぉ・・・・・・それはそうでしょう
 が、ラグナ殿への敬意の念という点において
 この村で彼以上の者はいないでしょう・・・・・・」
 と、意外な事を言います。建造を長老命令で言い渡された時の態度や、ラグナ像を「へっぽこ像」と言ったりと、先ほどまでの『長老のおつき』のラグナに対する態度は、とてもラグナを敬愛しているようには見えなかったのに・・・まさかのツンデレ?
 そして『長老のおつき』彼こそが、次期長老になるだろうと長老は思っています。シュミ族の長老になるという事は、敬愛するラグナと共に戦いたいという夢は勿論、村を出る事すら許されません。それでも『長老のおつき』は自らの欲に走るのではなく長老になるだろう・・・長老はそう信じて、『長老のおつき』にラグナ像建造に就かせた訳です。

■□■□■□■□■□■□■□■□

 これらから読み取れる事。それは「事実の伝承」の大切さ・・・じゃないかと思うのです。
 長老はラグナ殿が我々を引き付ける理由」を掴む為、ラグナ像を作らせました。そのラグナ像を見た後世の人々が、どのような『ラグナの像(=イメージ)』を掴み取るかは分かりません。それはその時代の人々がどのような考え方を持ち、どのような情勢で生きているかにもよって変わってくるので、今の長老には想像もつかなくて当然です。
 ラグナ像だけで、本来のラグナのイメージが伝承されるなら問題はありません。
 ただラグナ像だけでは「事実の伝承」が出来ない・・・つまり「幻想が派生」しまうのであれば、きちんと「事実の伝承」を担っていく者が必要になってきます。
 「口伝よりも記録書に残した方が確実じゃないの?」というご意見はもっともです。ただ、その記録書だって解読出来なければ意味がありません。誤訳であれば都合のいい「幻想」が生まれるだけです。「事実を正しく伝承するには、多くの人が共通の話を知っている。それをまた後世へと繋いでいく」これはやっぱり、とても大切な事だと思うんです。
 実際にこのラグナ像完成後。ラグナの事を褒めたたえる『長老のおつき』に、「・・・・・・何度も聞いたな」と、長老は言っています。そういった意味で「ラグナ殿への敬意の念(=ラグナの人物像を継承していく)という点においても、「次期長老候補(=次世代を担う長)」という点においても、皮肉な事ではあるけど『長老のおつき』が、ラグナ像を造り更なる次世代へと継承していくに相応しいと長老は判断した・・・こういう事ではないでしょうか?

 確かに思考的にも地理的にも、シュミ族の村の人々の感性は変わりにくいかもしれません。
 でも一度、ラグナに関する予備知識無しで想像してみて下さい。

 ずっとずっと遠い未来・・・シュミ族の村は滅びてしまいました。
 深い地下にあったという事実から、地理的変動の影響のせいか?
 『シュミ族』という生き方を捨てる者が増え、村を捨ててしまったのか?
 色々な説はありますが、その理由は不明です。
 ・・・と、ある時。例の『ラグナ像』が発見されます。

 皆さんはゲーム画面でラグナ像を確認出来ますよね?あの『ラグナ像』です。
 ではあの『ラグナ像』を、ずっとずっと遠い未来の人間が廃村で見付けたら・・・どう解釈すると思いますか?
 多分、歴史的な発見として色々な説が飛び交うでしょう。

 「高々と銃を掲げる、若い男性の像」
 ある学者は「村の為に先頭に立って戦った英雄の像」だと主張するかもしれません。
 ある学者は逆に「侵略者が造らせた像」だと主張するかもしれません。
 もしも「エスタ大統領 ラグナ・レウァール」と同一人物だと気付く学者が現れれば、「当時のエスタはトラビアをも超え、シュミ族の村にまで勢力範囲を広げていた」という説が信じられるかもしれません。
 ラグナの大統領就任は、普通では考えられないスピード出世です。「大統領になる人間がこんな時期に、シュミ族の村に居るはずがない!きっとラグナは超常的な能力を持った神の様な存在だったのだ!」という、オカルトじみた説だって飛び出すかもしれません。

 分かりやすくする為とはいえ、流石にココまで来ると大袈裟な例えですが・・・この一連のイベントで伝えたかったのは、そういう事じゃないでしょうか?
 例え「『ラグナ像』(=目に見える実体)」があっても、「事実の伝承」が途絶えれば、そこから「幻想が派生」し、その「幻想」が独り歩きしてしまう。
 そして今現在のリアル世界にも、「事実の伝承」が途絶えたり塗り替えられたりして「本来のモノから派生した幻想」が、数多く存在している。

 まぁ、【ファイナルファンタジー】というゲームを作っている以上、そういう「事実から派生した幻想」を否定している訳では無いと思うのですが。
 「事実から派生した幻想」とは知らずに、それが「事実」だと思っている事。
 それが「事実」で、全ての人が自分と同じ考え・意見だと思っている事。
 そして「実体」があっても見方によって「幻想が派生」する位なんだから、「実体」を持たない「幻想」なら、尚更受け取り手によっていくらでも変質してしまう事。
 「実体」や「事実」ですら切っ掛けに過ぎず・・・目に見えない「幻想」は、結局は一人一人の頭の中にしか存在しない事。

 そんな「幻想」が生まれる事で忘れ去れてしまう「事実」とか、「幻想」の生まれる経緯や不安定さを、『ファイナルファンタジー』という「幻想」を創り出す「表現者」として伝えたかったんじゃないかな?・・・七瀬はそういう印象を受けました。それこそ「理解していただけるかどうかは、わかりかねますが・・・・・・」ですけどね。

拍手[0回]

PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 
  

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
7 8 9 10 11 12
13 15 16 17 18 19
21 22 24 26
27 28 29 30

ブログ内検索

Copyright ©  -- 落書き帳の10ページ目 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by petit sozai emi / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]